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10ー24、ウサギ、セーブ系ゲームは嗜まない
エターナニル魔法学園特殊クラス
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『水龍って知ってるか?』
「水を司る龍でしょ。12の神様の一人」
この世のものは全て12のものに分類される。火、水、風、土、光、闇、木、音、雷、空間、時間、心。万物を構成し、安定と精神を与える12の力。それぞれに力を司る神、龍が存在する。昔は交流があったとの伝承が残っていると父から聞いた覚えがある。
『最上位三属性は一般的には知られていないことだが、さすが腐っても王族か』
「それ、褒めてないでしょ」
パンパンと埃をはたきながらイスカはぼんやりと空を見上げた。電話に出たのは男だった。レイカのことだから何だかんだない限り貸さないだろう。貸したということは何だかんだあったという訳で・・・・・・考えれば考えるほど不安になるイスカだった。
『思考を戻せ。ロンはその中の水龍の魂継承者だ』
「何それ?ロン=水神様?転生者みたいなもん?」
『あー、そっちじゃない。魂だけ継承して心は別だから・・・・・・・あれだ、ああ、心の伴わない生まれ変わり』
「うーん、よくわかんないけれど、ロンの魂=水龍様の魂。ロンの心≠水龍様ってことでOK?」
『そんな感じだ』
「まったくわからなかったわ」
『俺も言うつもりはなかったがな。で、だ。ここからが本題だが、魂継承者には面倒な運命と特典がいくつか付いてくる』
「面倒な運命ね・・・・・・あんたの部下になったとか」
あながち間違ってはいないのでロイズは一瞬だが言葉に詰まった。
『その中の一つに運命転生がある。まぁ、要は一種の不死身化だ』
「死ななくなるってこと?」
『ちょっと違うな。ある一定条件を満たせば死んだことがなかったことになるんだ』
そうそう簡単に神の魂が他時界を行きかわないようにするための処置らしい。
「それが、何でリング先生が狙う理由になるのよ?」
『十中八九、龍神の魂継承者死亡時の発動特殊能力、時間逆流が目的だろう』
「何それカッコいい!」
『内容は結構えげつないぞ。死亡した時を結点にして一定の時間を遡るんだ。当然、それまでの実績は全消去。ゲーマーならセーブデータが強制全削除された状態からスタートだと説明すれば早いんだが』
あの絶望感が何とも言えない説得力を持つ。
「あいにく、PC系ゲームにもスマホ系ゲームにも興味なくてね」
『編み上がりかけのマフラーを解かれたとか・・・ダメだな』
やりそうにない。レイカならこの説明でそこそこ感じてくれるものがあるかもしれないが、相手はイスカである。キュラキュラとキャタピラーを鳴らしつつロイズは考える。ここまで話したのだ。きっと気づいてくれるはず。
続く
「水を司る龍でしょ。12の神様の一人」
この世のものは全て12のものに分類される。火、水、風、土、光、闇、木、音、雷、空間、時間、心。万物を構成し、安定と精神を与える12の力。それぞれに力を司る神、龍が存在する。昔は交流があったとの伝承が残っていると父から聞いた覚えがある。
『最上位三属性は一般的には知られていないことだが、さすが腐っても王族か』
「それ、褒めてないでしょ」
パンパンと埃をはたきながらイスカはぼんやりと空を見上げた。電話に出たのは男だった。レイカのことだから何だかんだない限り貸さないだろう。貸したということは何だかんだあったという訳で・・・・・・考えれば考えるほど不安になるイスカだった。
『思考を戻せ。ロンはその中の水龍の魂継承者だ』
「何それ?ロン=水神様?転生者みたいなもん?」
『あー、そっちじゃない。魂だけ継承して心は別だから・・・・・・・あれだ、ああ、心の伴わない生まれ変わり』
「うーん、よくわかんないけれど、ロンの魂=水龍様の魂。ロンの心≠水龍様ってことでOK?」
『そんな感じだ』
「まったくわからなかったわ」
『俺も言うつもりはなかったがな。で、だ。ここからが本題だが、魂継承者には面倒な運命と特典がいくつか付いてくる』
「面倒な運命ね・・・・・・あんたの部下になったとか」
あながち間違ってはいないのでロイズは一瞬だが言葉に詰まった。
『その中の一つに運命転生がある。まぁ、要は一種の不死身化だ』
「死ななくなるってこと?」
『ちょっと違うな。ある一定条件を満たせば死んだことがなかったことになるんだ』
そうそう簡単に神の魂が他時界を行きかわないようにするための処置らしい。
「それが、何でリング先生が狙う理由になるのよ?」
『十中八九、龍神の魂継承者死亡時の発動特殊能力、時間逆流が目的だろう』
「何それカッコいい!」
『内容は結構えげつないぞ。死亡した時を結点にして一定の時間を遡るんだ。当然、それまでの実績は全消去。ゲーマーならセーブデータが強制全削除された状態からスタートだと説明すれば早いんだが』
あの絶望感が何とも言えない説得力を持つ。
「あいにく、PC系ゲームにもスマホ系ゲームにも興味なくてね」
『編み上がりかけのマフラーを解かれたとか・・・ダメだな』
やりそうにない。レイカならこの説明でそこそこ感じてくれるものがあるかもしれないが、相手はイスカである。キュラキュラとキャタピラーを鳴らしつつロイズは考える。ここまで話したのだ。きっと気づいてくれるはず。
続く
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