間違った休日の過ごし方

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二日目その6、集める

間違った休日の過ごし方

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「結局、アイテムマスターになってしまった」
拾った回復剤や解毒薬を持ち歩きながら充希は在庫のチェックに余念がない。小さな亜空間に入れておけるように調整したのだが、使い易さという意味ではいくつかは手元に置いておきたいらしい。
「それが一番かと」
ジョブの関係で中型以上のアイテムはあまり持ち歩けなかった。止まって回復する手間がなくなり、モンスター退治に専念できる。風を纏わせた刀でバッサバッサと最低限の攻撃で確実にデリートしていく。
不思議と今日は調子がいい。ただ、行動が多いので少し疲れてきた。
「ほら、回復剤」
「体力満タン」
「だよな~。お前の回避率高過ぎ。俺いらないじゃん」
よくわかってらっしゃる。疲労回復薬を貰いながらそうでもないかもと心の中で付け加える。この薬もう少し小型化してもいいと思う。
「そろそろ階段」
第二層。第三層がボス部屋になっている。階層は少ないが、1、2階がマップ非表示の迷路になっていてすぐ隣にある宝箱でさえ遠回りしないといけない。アイテム回収だけでも一苦労である。
「なあ、お前とクウってどんな関係なんだ?」
「・・・・・・」
「なんか上下関係みたいなのがちらちら見えるんだけど。依頼主と契約者って感じでもなさそうだしな」
「知り合いの知り合い」
「ふ~ん、あの先輩の知り合いってこと?プラチナブロンドの美人さん」
「そう」
「願いもそれっぽかったし、よく見ればパーツ似てるんだよな。あの二人案外身内だったりして」
やはり、勘がいい。いや、状況整理能力に長けているのか。
「血縁者」
「やっぱ、そっか。けどいいのかよ」
「他人。機密事項には触れていない」
不思議だ。大抵の人は会話が続かないから黙り込んで黙々と作業できるのに・・・・・・たまにはこういうのもいいかもしれない。
「・・・何故?」
「うん?なんだ?」
「何故関わる?」
「そうせざるを得ないから、っうのもあるけど。ちょっぴり楽しんでもいるんだ。こんな変なこと滅多に起きないからな」
「そうなのか?」
「普通はそうなんだって。ほら、みんな魔法を使ってないだろう」
「動力効率が悪いからだと聞いている」
「違う。使えないから使ってないんだって。だから、ここ以外で、ってここでもお前使ってないよな?」
そんなことはない。彼の言葉から察するに、刀に纏わせている風の気も魔法の一種、としていいはずだ。
「へ~、これもそうなんだ。てっきりマジックアイテムの一種かと」
触るのはいいが、斬属性付与だから切れる。そう思った途端充希が手を引っ込めた。本当にサトリかもしれない。
二階探索中。敵は相変わらずポコポコと湧き出てくる。レベルが低いのでサクサク進めるが、そろそろ魔法が切れそうだ。
「クウも刑事も見当たらないな」
「・・・・・・」
「反応は?」
「ない」
「じゃあ、もうボス部屋に行ってるんじゃないか」
かもしれない。刑事は拳銃が使えるので戦力としてはありだと思ったのだろう。この件に対して乗り気でもあった。先に進んでいてもおかしくない。
そうこうしている間に階段に出くわした。マップを見るとまだ宝箱が4つ残っている。
「・・・・・・」
「先進もうぜ」
最初からボス部屋に飛ばされた可能性もある。そうであるならば、マップ表示されない理由も頷ける。同階の人しか映さないからだ。そして、ボス部屋は別扱い。
「進む」
「おう、気を引き締めていこうぜ」
階段を下りていくと、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「・・・で・・・・・・なの・・・・・・じゃろう・・・・・・・・」
「声」
「だな、これクウのじゃないか」
「変」
壁向こうから聞こえてくる声に警戒心がないのだ。いや、彼女のことだから演技しているとも考えられるが、この場にあるべき緊張感のかけらも感じられない。
「・・・は・・・・・・でね。・・・・・だと・・・・・・・でしょう」
口調も古めかしいものだけではなく、砕けた言い方も交じっている。リラックスしているというのだろうか、このダンジョン内で。
「あ、あっちにドアがって刑事さん!?」
「おう、お前ら、ちょうどいいところに来たな」
「クウは?」
「この向こうだ。俺ではドアが開かないんだ」
開かない?ボス部屋だからって鍵がかかるシステムではなかったはずだ。
「スキャン開始」
GM権限を発動する・・・・・・なるほど、レベル設定されているのか。ついでにチェック。最高レベルが、刑事はシューターレベルの5、充希はアイテムマスターレベルの2だ。ここのドアはレベル10からとなっている。誰だ?こんな機能を付け足したのは?
「深部にアクセス・・・・・・」
御主人様でしたか。おそらく初心者が高レベルダンジョンで死なないように配慮したのだろう。必要な処置か?
「開いた」
「よしいくか」
「おー」
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