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昔と鍵と嗜み
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物を勝手に盗らない事、隠し持っていこうとしたら怒るから。想念を押されてカイはドアノブに手をかけた。昔は四苦八苦して開けていたノブがくるりと回る。
そして、ガチっと止まった。
「おい、鍵かかってんぞ」
当たり前である。管理は放棄しているが、賊の侵入は避けたい。窓を締め、雨戸を下ろし、鍵をかけ、板を張り付けるくらいはしているようだ。
「って、これじゃあ、入れないのです」
「鍵がかかってるってことは侵入者ないってことでよくね」
「打ち付けられているといっても、ドア板に打たれているだけだから、鍵さえ開ければ中に入れます」
それはそれでどうかと思う。持ち主は何を考えて板を打ち付けた。意味がない。
「訳が分からないのです」
「強度補強じゃね?」
「とりあえず、開きましたよ」
防寒着の冒険者がゆっくりとノブを回すと、小さな金属音と共にドアが開いた。
「・・・・ど、どうやった?」
「鍵開けできるのです」
「嗜む程度ですが」
続く
そして、ガチっと止まった。
「おい、鍵かかってんぞ」
当たり前である。管理は放棄しているが、賊の侵入は避けたい。窓を締め、雨戸を下ろし、鍵をかけ、板を張り付けるくらいはしているようだ。
「って、これじゃあ、入れないのです」
「鍵がかかってるってことは侵入者ないってことでよくね」
「打ち付けられているといっても、ドア板に打たれているだけだから、鍵さえ開ければ中に入れます」
それはそれでどうかと思う。持ち主は何を考えて板を打ち付けた。意味がない。
「訳が分からないのです」
「強度補強じゃね?」
「とりあえず、開きましたよ」
防寒着の冒険者がゆっくりとノブを回すと、小さな金属音と共にドアが開いた。
「・・・・ど、どうやった?」
「鍵開けできるのです」
「嗜む程度ですが」
続く
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