転移者と転生者と現地チート

シロ

文字の大きさ
上 下
79 / 93
76、

気になる小部屋

しおりを挟む
「今のところいけるのは1階と2階だね」
エントランスに戻り、壁に依頼主から貰ったこの家の見取り図を広げる。見取り図は2階建てになっている。だが、地下があるとわかった今、上だって横だって油断ならない。研究者の屋敷なんて隠し要素満載だろう。罠がないとも言い切れなくなってきた。
「1階にはリビングとダイニングと倉庫と物置と風呂場と客間があるよ」
「2階は寝室と書斎と・・・・・・ここは何の部屋です?」
右端にある小さな部屋を指さす。縮尺の都合で部屋が小さくなり過ぎて文字が書かれていない。
「開けてみればわかるんじゃね?」
「そうだね。それでいいよ」
あっさりと許可が出たところを見ると、そこまで重要な部屋じゃない?いや、こういったところに隠し階段とかがあるのだ。覗き見てから考えた方がいいだろう。
「手分けして探すです?」
「・・・そうだな。2階を頼む」
「え?」
「それじゃあ、頑張ってくれ」
呆然と立ち尽くすナナを置いて防寒着の冒険者はダイニングに入っていった。
「どうした?早く行こうぜ」
グイグイと手が引かれ、力で負けてそのまま2階に連れていかれた。

                         続く
しおりを挟む

処理中です...