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エピソード26、静かなる緑の森(ダンジョン)

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 迫りくる闇はかなりゆっくりだったため、通常移動でもまず飲み込まれる心配はない。魔法節約で助けた少年をポーションにて回復しつつ(なお、移動飲みはできるが、戦闘中の飲食には技能が必要である)、5人はモンスターを探した。木の実系のモンスター、例えば、デーモンアップルやビックリオレンジは低レベル設定されているのでカモなのだ。
なのだが、・・・・・・
「静かであるな」
もはや歩き森林浴を楽しみだしたクレナイが若干気の抜けかかった声で呟く。最初こそ私の腕にしがみ付いていたスイだったが、今はもう腕組み程度の力しか入れていない。表ボスウツボカズラを討ち取った成果か、鬱蒼としていた葉の隙間から木漏れ日が入りだした。
「そうね、普通の森に戻ったみたい・・・・・・」
 探知系に引っかかるのも罠ばかり、生体反応は森全体から出ているが、樹だって生き物。念のため、ノータッチで、と言っていたが、このままでは本当に何事もなく、森を抜けかねない。ステージクリアで経験点は入るが、報酬ゼロは酷いのではなかろうか。
「・・・また分かれ道です」
 現在獣道を進行中なのだが、やたらに分かれ道が多い。左上に進行するように移動しているのだが、一向に端に辿り着く気がしない。
「さっき右行ったから今度は左だよな」
「・・・・ええそうね」
 ザクザクと茂みをかき分けて進む。きゅっと掴む腕の力を強くするスイ。
「これは、不味いわね・・・・・」
 倒れた木には真新しい打撃痕がしっかり残っていた。あの時、カクが突っ込んでいって折れた木である。つまり、もう言わなくてもわかるよね。
「参ったわね・・・・・・」
「何かが間違っていた。それしかあるまい」
「右左右左だったから元の場所に戻ってくるのは変だ」
 必勝法ではないから変ではないのだが、妙である。
「まるでメイロだな」
 あ、不味い。カクに代わっている。早く脱出方法を見つけなければ、自害も辞さない。
「む、何をしておるのだ?」
 背後から迫るステージ崩壊に焦りつつ、しかし、歩みを止めてはならないと前に進みつつ、変化がないかと探している大人組。最後尾にて皆の背を任されたクレナイが半ばくらい進んだ所で道を外れようとしたカクの襟元を掴んで持ち上げた。
「だってよー」
「死にたいのなら止めはしないが?」
「やりたいことやってシねるならホンモウってイうだろ」
「後悔先に立たずともいうぞ」
「だって、オレタチカりにキたんだろ。だったら、カろうぜ」
「しかし、狩ると言っても何もないではないか」
 クレナイの言う通り、あるのは葉っぱと枝と幹と根である。肝心の実がない。
「あるじゃん、緑のとか、茶色いのとか、赤いのとか」
「どこにだ?」
「あっち」
 カクが指さしたのはクレナイの背後だった。そうか、これは・・・・・・・。


                                 続く
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