FGO【フリーゲームオンライン】

シロ

文字の大きさ
17 / 29
エピソード16、血と残酷描写

FGO【フリーゲームオンライン】プレイ中

しおりを挟む
「さて、私達はちょっと練習しましょうか」
「は、はい」
 草原のモンスターも相手にしたことがないウォルの特訓からである。いつも何をしているのかと尋ねたところ、練習していると言われた。つまり、一人でフィールドに出たのはあの事件のみらしい。楽しいかそうでないかは個人の自由だ・・・・・だが、このゲームを選んだ理由が本当にわからない。2人がしたいことが一致したのがこのゲームだったとしか。
「回復魔法は大丈夫?」
 水魔法使いはこれができなければどうしようもない。パーティー登録をしていたらメニュー画面から対象を選択して呪文を唱えるだけ。登録していないとちょっと難しい。
「う、うん、まだ慣れてないけれど」
「なら、フィールドに出て練習しましょ」
 ポーションの素材集めして、武器や防具の資金集めして、旅に備えなければならない。銃使いにも回復魔法があるが、あまり気持ちいいものではないのだ。多用していたらどこか壊れそうだ。R-15に引っかかる武器なだけある(15歳以下は所持使用禁止、15歳以下に向けての使用禁止)。
「ふぃ、フィールド!?」
 このゲームするなら避けては通れないところなのだが。そういえば、ウォルの装備は初期よりちょっといいものといった感じである。
「ひょっとして、出たことないとか?」
「あ、ある、ですよ(汗)」
「そうよね、出ないとお金稼げ・・・・・・なくもないわね」
 町中クエストというものがある。私が最初に受けたクエストがそれだ。内容は簡単なのだと荷物運びや連絡役。生産職ならその生産。魔法が使えるのなら属性を活かしたお手伝い。こんな感じのがそろっている。レベルは上がらないが、お金が報酬として数枚もらえるので初期装備から一段階アップした装備に作り替えてもらうことはできる。
「でも、ここ以外の町ではないわよ。ちょっとずつでいいから慣れていきましょ」
「・・・・・・うん」
 かなり渋々だが納得してくれた。
「何かあるの?」
 門からなかなか出ようとしないウォルの姿はどこか怯えている様にも見える。
「あ、あの、モンスターが・・・・・」
「ゴブリン以下しかでないわよ」
 モンスターと言っても最初の町周辺に出現するレベルである。野ウサギや野犬程度なのだが。二足歩行は稀に出現するらしいコボルトくらい。
「だ、だって、血が・・・・血がぁあ・・・・・」
 ひょっとしたら、残酷描写オンにしているのだろうか。残酷描写禁止にしていれば血はまず見られない。考えてみれば、プレイヤーが血がないので見慣れない恐怖があるのだろう。
「剥ぎ取りしないのならオフにしておいた方がいいわよ」
残酷描写オンは剥ぎ取りの手間も省けるのだが、剥ぎ取り報酬が平均化され、ピンポイントでほしいアイテムが狙えないので、狙っている時にはあまりお勧めはできない。ただ、自分の手でザクザクと死体から剥ぐのに躊躇があるのなら、オフにしておくべきである。していたとしても、誰も責めない。大人でも血が苦手な人だっているのだから。
「えっと・・・・・」
「メニューの設定から、詳細設定→残酷描写の☑を外せばいいはずよ」
「で、できました」
 こればかりは、モンスターに会わないとわからない。渋るのをなんとか説得して二人はフィールドへ出発した。近場は初心者に譲るとして、ちょっと進んだところにある窪地を選んだ。ウサギ肉は食べて美味しいし、ウルフの毛皮と牙は課金するにもってこいである。
 雑談しながら歩いていると、ノウサギが3匹草を食んでいた。距離のある茂みに身を潜める。
「どう・・・・・」
 するは出なかった。ウサギの一匹が半歩こちらに近づいた次の瞬間、ウォルが跳び出し、パンチを浴びせたのだ。一撃必殺という言葉の通り、ウサギはデータの嵐となった。そう、誰か一人でも残酷描写をオンにしていたら、死体は残らないのだ。その代り、オフにしている人が半数を超えると、落ちるドロップアイテムがちょっといいものになる確率がアップする。
「ウォルちゃん、強いわねー」
 残りの2匹を仕留める。うん、【蹴り】+【薙ぎ払い】は便利だ。ただ、銃でやるとしたら・・・・・・考えたくない。
「うう、やっぱり、怖いです」
 それにしては、ずいぶんと思い切りのいい突進だったのだが。
「ところで、血はどうだった?」
 ドロップアイテムを拾いながら尋ねる。剥ぎ取りが必要ないので設定ミスはない。私がオフにしているので、設定ミスしていたら剥ぎ取りが必要な死体が転がるからだ。
「これなら大丈夫です」
 試したことないのでわからないが、モンスターの絵柄もポップンになっているはずだ。もっとも、その可愛さゆえに倒せないと宣うプレイヤー共もいるそうだ。調整というのは難しいものである。
「それじゃあ、町に戻るわよ」
「は、はい」
 
                           続く
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!

翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。 「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。 そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。 死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。 どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。 その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない! そして死なない!! そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、 何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?! 「殿下!私、死にたくありません!」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ※他サイトより転載した作品です。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

処理中です...