33 / 58
その生徒、都落ちにつき
校内ランキング戦、開始
しおりを挟む
「結局……俺達とSクラスの違いって何なんだろうな?」
「アホかお前。そないな事わかっとったらこのクラスおらんやろ。考えて物を言いや。」
「ふんすっ!しかとっ!公平にっ!決めたっ!ならっ!気にする事っ!ないっ!ふんすっ!……っぷあー!!!よっし!!腕立て500回終了っ!!!次っ!」
「ちょっと!いい加減教室内で筋トレするのおよしになってくださります!?部屋中汗臭くて鼻がもげ落ちそうになってしまいますわ!!」
言い合いなのか話し合いなのかよく分からないやりとりをしている4人。
「あららぁ?御園生家のご令嬢とあろう御方が、まぁなんと我慢のない事で。」
「玉手さん、今その話が関係ありまして!?臭いものは臭いのですわ!しょうがないでしょう!?」
「どうしたっ!?ふんすっ!二人共っ!イライラはっ!良くないぞっ!」
「貴方のせいですわ!」「あんたのせいや。」
「……はぁ。金剛?お前もそのくらいにしとけ。二人共女の子なんだ。上半身裸の男が汗水垂らしてスクワットしてたらそりゃ嫌がるだろう?」
「ふんすっ……うーむ。柏原まで言うのであるなら仕方ない。今日はこのくらいでやめておこう。さぁプロテインプロテイン……。」
「全く!デリカシーというものがないのかしら!先生!どう思いますか!?」
「あははは……。とりあえず皆、体調の方は万全みたいだね。」
ひょろりとマッチ棒と呼ぶに相応しい眼鏡をかけた男は、苦笑いしつつ答えた。
「えぇっ!この通りっ!筋肉が喜びに打ち震えておりますっ!」
金剛と名乗る生徒は、プロテインシェーカーの中身をがぶ飲みしつつボディビルダーさながらに大胸筋を強調しながらポージングをとった。
「いや、それは今筋トレしとったからやろ。喜んどんのは自分だけや。」
「……お前等。緊張感というか、もっと少しは真面目になってくれよ。お互いに目的があるんだから。勝つ気あるのか?」
「当然でございますわ!!御園生家の人間として、何が何でもSクラスに編入しないと気が済まないですわ!!」
「あははは……。気合もしっかりあるようで、担任としては喜ばしい限りだよ……。はあ。」
生徒の息巻く姿に今にも吹き飛ばされそうな男は、深い溜息を吐きつつポケットからハンカチを取り額を拭い、話を続けた。
「正直な話、私は君達の実力をAクラス以上の実力の持ち主だと思っている。身内贔屓に感じるかもしれないが、この少しの間過ごしてみても、そう思うよ。」
「……でも、選ばれなかった。なんでですかね?」
「それは多分だが……筋肉が足りなかったからではないか?」
「んな訳あるかいボケ。あんたがやるべきなんは筋トレやなく脳トレや。」
「玉手さんの言う通りですわ。……それにしても、本当に何故わたくし達は選ばれなかったのでしょうか。」
「……実際に戦ってみないと分からない事もあります。なにより、やってみたくはありませんか?下剋上ってやつを。……くひひっ。」
口角を吊り上げながら不気味な笑いをする男、Aクラス担任の反町は答えた。
「まぁ……学園としてそういう制度があるって事は、実際に能力を見極める際に不備があった可能性も無きにしも非ずって事なんだろう。実際に裏口入学があったという噂すらある。……特にアイツとかさ。」
柏原という生徒のアイツというワードに、全員がぴくっと反応する。
「……やっぱりそうなのか?」
「はぁーっ……あの話ホンマやったんか?ええ度胸しとるやないか。あの男。」
「やはりあの男だけは何としてもわたくしの手でぶちのめして差し上げないと気が済みませんわ……!わたくしの憧れを一瞬にして奪い去った……あの下衆だけには!」
「では……皆さん?事は予定通りに運びましょう。我々の最終目的の為に。」
Aクラスの4人が一同に頷く。
「くひひっ!!!校内ランキング戦が楽しみですね……。」
「……本当に無理に戦わなくてもいいんだよね?ね?」
「っだー!!もう!何度同じ説明をすればいいのでござるか!?先週からずぅーっとその話ばっかりでござるよ!金刃氏!」
「あーね。流石に雷坂に同情するわ。オサムッチ、いい加減にクドクド。」
「……う、ん。」
「金刃。先生から説明があった通りだ。お前は無理に戦う必要は無い。どこかに隠れていればいい。」
「う、うん。……いや……しかし酷いよ。この制度は……。」
あれから今日を迎えるまで、自分なりに校内ランキング戦の内容を確認してみた。
「……まさか今回に限り学年別になっていないなんて…………ありえねぇ……。」
そうなんです。先生に言われて調べてみたんですが、この校内ランキング戦って学年別になっていないんです。つまり2年生と3年生も参加出来るようなんです。
そう。繰り返しますが、出来るってだけの話なんです。この入学式早々の校内ランキング戦に関しては。
「……学園内での交流、見聞を深める為という理由だけで。でもしっかりと戦闘になれば話は別。……能力差や経験の差がある為、2年生は試験開始の一時間後に参加。3年生は残り時間30分になったら参加出来る。」
僕がぶつぶつと話して校内ランキング戦のシステムを振り返っているのを見かねたのか、三好君が補足説明のように喋り始めた。
「ちなみに上級生が下級生を倒したとしてもバッジは取ってはいけない。逆に上級生を下級生が倒した場合はバッジを獲得する事が出来る。」
「この制度のおかげというか、この制度のせいもあって、あまり参加する人はいないでござるよ。」
「ソーソー!万が一、というかケイが一!?先輩ボッコしたらメンツぺしゃんこっしょ!?ってかケイっていくつよ!?」
「……あ、くま……で、わたし、た……ちの……ための……。」
「うん。というか、今回のクラス分けに不満を持っている人達の為の試験。まぁ単純にもう一度試験を執り行うってだけの話だよね。……何度考えてもSクラスの全員は誰も得しない気がするのは気のせいだろうか。」
「……まぁいい機会だ。実際俺達は俺達のクラス同士の能力の事しか知らない。Aクラスの連中の能力を知るという点でも、これはいい経験になると思う。」
「うん……。……ん?」
僕は今の三好君の言葉に疑問符が付いた。
「ん?どうした、金刃。」
「……ない。」
「ぬぇ?何がないのでござる?」
「もしかして財布?やば!」
「しょ、職員室!」
「いや違う違う!思ってみたらさ?僕は三好君と雷坂君のガイスト見た事ないなぁって。」
「「「「……あ。」」」」
僕を除く4人が声を合わす。やっぱり。4人は仲が良くて羨ましいよ。
「……どうせ僕なんてぼっちなんだ……。」
意地悪くちょっと拗ねてみる。
「ぶっ飛ばされたいでござるか、金刃死?リア充が使ってはいけない言葉ワーストですぞ?」
言葉遣いが、いや言葉が違っている気がするよ?雷坂君?せっかくの王子様フェイスが台無しですよ?うっわ。すっげぇ顔……もう何人か殺めてるよその顔は……。
「あぁ……その、なんだ。確かに金刃には一度も見せた事はなかったな。それに関してはすまないと思っている。……だが、実際そういう場面にならなかったからのも原因があると思うんだ。お前は現状のガイストを制御するのに必死そうだったからな。」
「ソーユーコト!別に皆してオサムッチハブってた訳じゃねーし!まぁ確かにメンゴリズムな事はありあり!」
まぁ確かにそれもそうだ。僕は僕個人で今のガイストをキッチリ制御出来るようになるのが先決だった為、あの最初の模擬戦闘の時以外このクラスの人達と一緒に過ごす時間すらなかった。
クソ程ちょっかい出してくるバカ姉が一人で練習している時に度々来ては邪魔をしてくる為、考えていた以上に練習に時間を割けなかったのも、今となってはいい思い出なんかにはなっていない。
「そういう金刃氏の状況も踏まえて、我々で一ついい案を出した!それがSクラスの今回の目標でござる!!」
「あぁ。金刃を試験の間無理に戦闘に参加させずに守り抜く。こちらからは攻めずにな。必要に応じて、金刃はガイストを使って身を隠すように。お前のスピードならなんとかなるだろう。」
「う、うん……!だ、だ、だ……だい……じょぶ。うま、く……いく……かな?」
そんな今更疑問持たれても遅いですよぉ、薬師丸様ぁ。
「まぁぶっちゃけウチらがバトってもいい事ってナシみ沢だし。ヒキニートって感じでおけ丸?」
「石黒の言う通りだ。この校内ランキング戦はほぼほぼ出来レースのようなものもある。早い話、AとSクラス同士の戦闘だ。他のクラスが入る余地はほぼ無いと言っていい。もしかしたらBクラスの連中も奮闘してAクラスを倒してくるやもしれない可能性もあるがな。」
「それって僕等の立場からも十分言える事だよね?特に僕の場合は。」
「当然でござろう?いくらとんでもない身体能力の強化があるとはいえ、5分間しか持たない能力でどうやって2時間をやり過ごすつもりでござるか?クールタイム中に狙われたら一巻の終わりでござるよ。」
まぁ……厳密に言えば使えない事はないんだけど。制限時間過ぎて使った事がないだけであって。使うつもりもないからいいけど。
「それに実際にガイストを使用しての対人戦もあまりにも浅過ぎる。正直あのポルターガイストの件は、奇跡だと言ってもいいくらい運が良かっただけだ。」
「だーから!今回オサムッチは何もせずに時間まで出来るだけ逃げる事を考えていればいい感じじゃん!?Aクラスはうちらがバチボコにするし!」
……頼もしい限りに加えて、自分の非力さを嘆いてしまいそうだ。
「多分Aクラスの生徒達が、とりあえずBクラス以下の連中を相手取って、着実にバッジを稼いでいくはずだ。その間に俺達は金刃を保護しつつ、場所を移動しながら各場面で対処していく。いいな?」
「……じ、時間!」
薬師丸さんのあまり聞かない大きめな声で、僕等は一斉に時間を確認する。
「……では、皆。金刃を守りつつ、全員でSクラスとして恥ずかしくない結果を出すぞ。」
小さきリーダーの声に、僕も含め全員が頷き、校内ランキング戦の告げる鐘の音が鳴り響く。
そして、同時に。
「お邪魔するよ。」
と、がらりと人が入ってきた。
「「「「「!!!???」」」」」
「あららぁ。そないに目ん玉大きくして驚かんでもええやろ?同じ学園の生徒なんやで?」
「……なんだお前達!?全然筋肉ついていないじゃないか!?」
「基準はそこではありません事よ!この筋肉ダルマ!!」
鐘の音色と同時に、早くも計画が破綻したのであった。
「アホかお前。そないな事わかっとったらこのクラスおらんやろ。考えて物を言いや。」
「ふんすっ!しかとっ!公平にっ!決めたっ!ならっ!気にする事っ!ないっ!ふんすっ!……っぷあー!!!よっし!!腕立て500回終了っ!!!次っ!」
「ちょっと!いい加減教室内で筋トレするのおよしになってくださります!?部屋中汗臭くて鼻がもげ落ちそうになってしまいますわ!!」
言い合いなのか話し合いなのかよく分からないやりとりをしている4人。
「あららぁ?御園生家のご令嬢とあろう御方が、まぁなんと我慢のない事で。」
「玉手さん、今その話が関係ありまして!?臭いものは臭いのですわ!しょうがないでしょう!?」
「どうしたっ!?ふんすっ!二人共っ!イライラはっ!良くないぞっ!」
「貴方のせいですわ!」「あんたのせいや。」
「……はぁ。金剛?お前もそのくらいにしとけ。二人共女の子なんだ。上半身裸の男が汗水垂らしてスクワットしてたらそりゃ嫌がるだろう?」
「ふんすっ……うーむ。柏原まで言うのであるなら仕方ない。今日はこのくらいでやめておこう。さぁプロテインプロテイン……。」
「全く!デリカシーというものがないのかしら!先生!どう思いますか!?」
「あははは……。とりあえず皆、体調の方は万全みたいだね。」
ひょろりとマッチ棒と呼ぶに相応しい眼鏡をかけた男は、苦笑いしつつ答えた。
「えぇっ!この通りっ!筋肉が喜びに打ち震えておりますっ!」
金剛と名乗る生徒は、プロテインシェーカーの中身をがぶ飲みしつつボディビルダーさながらに大胸筋を強調しながらポージングをとった。
「いや、それは今筋トレしとったからやろ。喜んどんのは自分だけや。」
「……お前等。緊張感というか、もっと少しは真面目になってくれよ。お互いに目的があるんだから。勝つ気あるのか?」
「当然でございますわ!!御園生家の人間として、何が何でもSクラスに編入しないと気が済まないですわ!!」
「あははは……。気合もしっかりあるようで、担任としては喜ばしい限りだよ……。はあ。」
生徒の息巻く姿に今にも吹き飛ばされそうな男は、深い溜息を吐きつつポケットからハンカチを取り額を拭い、話を続けた。
「正直な話、私は君達の実力をAクラス以上の実力の持ち主だと思っている。身内贔屓に感じるかもしれないが、この少しの間過ごしてみても、そう思うよ。」
「……でも、選ばれなかった。なんでですかね?」
「それは多分だが……筋肉が足りなかったからではないか?」
「んな訳あるかいボケ。あんたがやるべきなんは筋トレやなく脳トレや。」
「玉手さんの言う通りですわ。……それにしても、本当に何故わたくし達は選ばれなかったのでしょうか。」
「……実際に戦ってみないと分からない事もあります。なにより、やってみたくはありませんか?下剋上ってやつを。……くひひっ。」
口角を吊り上げながら不気味な笑いをする男、Aクラス担任の反町は答えた。
「まぁ……学園としてそういう制度があるって事は、実際に能力を見極める際に不備があった可能性も無きにしも非ずって事なんだろう。実際に裏口入学があったという噂すらある。……特にアイツとかさ。」
柏原という生徒のアイツというワードに、全員がぴくっと反応する。
「……やっぱりそうなのか?」
「はぁーっ……あの話ホンマやったんか?ええ度胸しとるやないか。あの男。」
「やはりあの男だけは何としてもわたくしの手でぶちのめして差し上げないと気が済みませんわ……!わたくしの憧れを一瞬にして奪い去った……あの下衆だけには!」
「では……皆さん?事は予定通りに運びましょう。我々の最終目的の為に。」
Aクラスの4人が一同に頷く。
「くひひっ!!!校内ランキング戦が楽しみですね……。」
「……本当に無理に戦わなくてもいいんだよね?ね?」
「っだー!!もう!何度同じ説明をすればいいのでござるか!?先週からずぅーっとその話ばっかりでござるよ!金刃氏!」
「あーね。流石に雷坂に同情するわ。オサムッチ、いい加減にクドクド。」
「……う、ん。」
「金刃。先生から説明があった通りだ。お前は無理に戦う必要は無い。どこかに隠れていればいい。」
「う、うん。……いや……しかし酷いよ。この制度は……。」
あれから今日を迎えるまで、自分なりに校内ランキング戦の内容を確認してみた。
「……まさか今回に限り学年別になっていないなんて…………ありえねぇ……。」
そうなんです。先生に言われて調べてみたんですが、この校内ランキング戦って学年別になっていないんです。つまり2年生と3年生も参加出来るようなんです。
そう。繰り返しますが、出来るってだけの話なんです。この入学式早々の校内ランキング戦に関しては。
「……学園内での交流、見聞を深める為という理由だけで。でもしっかりと戦闘になれば話は別。……能力差や経験の差がある為、2年生は試験開始の一時間後に参加。3年生は残り時間30分になったら参加出来る。」
僕がぶつぶつと話して校内ランキング戦のシステムを振り返っているのを見かねたのか、三好君が補足説明のように喋り始めた。
「ちなみに上級生が下級生を倒したとしてもバッジは取ってはいけない。逆に上級生を下級生が倒した場合はバッジを獲得する事が出来る。」
「この制度のおかげというか、この制度のせいもあって、あまり参加する人はいないでござるよ。」
「ソーソー!万が一、というかケイが一!?先輩ボッコしたらメンツぺしゃんこっしょ!?ってかケイっていくつよ!?」
「……あ、くま……で、わたし、た……ちの……ための……。」
「うん。というか、今回のクラス分けに不満を持っている人達の為の試験。まぁ単純にもう一度試験を執り行うってだけの話だよね。……何度考えてもSクラスの全員は誰も得しない気がするのは気のせいだろうか。」
「……まぁいい機会だ。実際俺達は俺達のクラス同士の能力の事しか知らない。Aクラスの連中の能力を知るという点でも、これはいい経験になると思う。」
「うん……。……ん?」
僕は今の三好君の言葉に疑問符が付いた。
「ん?どうした、金刃。」
「……ない。」
「ぬぇ?何がないのでござる?」
「もしかして財布?やば!」
「しょ、職員室!」
「いや違う違う!思ってみたらさ?僕は三好君と雷坂君のガイスト見た事ないなぁって。」
「「「「……あ。」」」」
僕を除く4人が声を合わす。やっぱり。4人は仲が良くて羨ましいよ。
「……どうせ僕なんてぼっちなんだ……。」
意地悪くちょっと拗ねてみる。
「ぶっ飛ばされたいでござるか、金刃死?リア充が使ってはいけない言葉ワーストですぞ?」
言葉遣いが、いや言葉が違っている気がするよ?雷坂君?せっかくの王子様フェイスが台無しですよ?うっわ。すっげぇ顔……もう何人か殺めてるよその顔は……。
「あぁ……その、なんだ。確かに金刃には一度も見せた事はなかったな。それに関してはすまないと思っている。……だが、実際そういう場面にならなかったからのも原因があると思うんだ。お前は現状のガイストを制御するのに必死そうだったからな。」
「ソーユーコト!別に皆してオサムッチハブってた訳じゃねーし!まぁ確かにメンゴリズムな事はありあり!」
まぁ確かにそれもそうだ。僕は僕個人で今のガイストをキッチリ制御出来るようになるのが先決だった為、あの最初の模擬戦闘の時以外このクラスの人達と一緒に過ごす時間すらなかった。
クソ程ちょっかい出してくるバカ姉が一人で練習している時に度々来ては邪魔をしてくる為、考えていた以上に練習に時間を割けなかったのも、今となってはいい思い出なんかにはなっていない。
「そういう金刃氏の状況も踏まえて、我々で一ついい案を出した!それがSクラスの今回の目標でござる!!」
「あぁ。金刃を試験の間無理に戦闘に参加させずに守り抜く。こちらからは攻めずにな。必要に応じて、金刃はガイストを使って身を隠すように。お前のスピードならなんとかなるだろう。」
「う、うん……!だ、だ、だ……だい……じょぶ。うま、く……いく……かな?」
そんな今更疑問持たれても遅いですよぉ、薬師丸様ぁ。
「まぁぶっちゃけウチらがバトってもいい事ってナシみ沢だし。ヒキニートって感じでおけ丸?」
「石黒の言う通りだ。この校内ランキング戦はほぼほぼ出来レースのようなものもある。早い話、AとSクラス同士の戦闘だ。他のクラスが入る余地はほぼ無いと言っていい。もしかしたらBクラスの連中も奮闘してAクラスを倒してくるやもしれない可能性もあるがな。」
「それって僕等の立場からも十分言える事だよね?特に僕の場合は。」
「当然でござろう?いくらとんでもない身体能力の強化があるとはいえ、5分間しか持たない能力でどうやって2時間をやり過ごすつもりでござるか?クールタイム中に狙われたら一巻の終わりでござるよ。」
まぁ……厳密に言えば使えない事はないんだけど。制限時間過ぎて使った事がないだけであって。使うつもりもないからいいけど。
「それに実際にガイストを使用しての対人戦もあまりにも浅過ぎる。正直あのポルターガイストの件は、奇跡だと言ってもいいくらい運が良かっただけだ。」
「だーから!今回オサムッチは何もせずに時間まで出来るだけ逃げる事を考えていればいい感じじゃん!?Aクラスはうちらがバチボコにするし!」
……頼もしい限りに加えて、自分の非力さを嘆いてしまいそうだ。
「多分Aクラスの生徒達が、とりあえずBクラス以下の連中を相手取って、着実にバッジを稼いでいくはずだ。その間に俺達は金刃を保護しつつ、場所を移動しながら各場面で対処していく。いいな?」
「……じ、時間!」
薬師丸さんのあまり聞かない大きめな声で、僕等は一斉に時間を確認する。
「……では、皆。金刃を守りつつ、全員でSクラスとして恥ずかしくない結果を出すぞ。」
小さきリーダーの声に、僕も含め全員が頷き、校内ランキング戦の告げる鐘の音が鳴り響く。
そして、同時に。
「お邪魔するよ。」
と、がらりと人が入ってきた。
「「「「「!!!???」」」」」
「あららぁ。そないに目ん玉大きくして驚かんでもええやろ?同じ学園の生徒なんやで?」
「……なんだお前達!?全然筋肉ついていないじゃないか!?」
「基準はそこではありません事よ!この筋肉ダルマ!!」
鐘の音色と同時に、早くも計画が破綻したのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる