子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 25

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「んじゃま…やりますか」

「「おう」」

「分かった」

「やるか」


俺が砦の壁を見上げながら合図を出すと知り合いのハンター達が了承し…


一人は俺の前で馬になるように四つん這いになり、一人はその先でそのまま立つ。


そして二人は壁に背を付けて立ち、その肩に最後の一人が乗って手を組んだ。


「じゃあ…行くよ」


俺はもう一度合図して四つん這いになってるハンターの背に乗ってジャンプすると普通に立ってるハンターの肩を踏み台に更にジャンプして…


「そらっ!」


二人のハンターの肩に立っているハンターの組んでいる手に片足を乗せるとハンターが俺を上に放り投げる。


「なっ…!」

「敵が侵入して来たぞ!!」


…まさか6m以上もある壁を飛び越えて来るなんて予想もつかなかったのか…


俺が砦の中に侵入すると壁の上の弓兵達が慌てたように鐘を鳴らす。


「ははは、少し遅かったね」

「がっ…!」

「ぐっ…!」


俺は笑いながら門の所へと走って門の裏側にいた数人の兵士を鉄の棒で叩いて気絶させ、丸太のような二本のかんぬきを外して扉を開けた。


「まずい!門が!」

「敵が雪崩れ込んで来るぞ!急いで閉めろ!」

「残念でした」


上にいた弓兵達がカンカン!と鐘を鳴らしまくり、門の所に兵士達が集まって来るが…


俺を倒さないと門が閉められないので結局門は開きっぱなしのまま傭兵部隊が中に入って来る。


「…くっ!降伏する!降伏だ!助けてくれ!」

「おっ、ラッキー」


傭兵部隊が砦の中に入って10分もしない内に敵兵達のほとんどが武器を捨てて投降し始めた。


「投降した兵は殺すなよ!手足を拘束して端っこにでも転がせ!」


俺は大声で傭兵達に指示を出しながら両手を上げて地面に正座している兵を紐で拘束していく。




「…早いな。もう制圧したのか」


…そんなこんな俺らが投降した兵士達を拘束していると、知り合いのハンターが正規兵達を引き連れて砦内に入って来て周りを見て驚きながら言う。


「相手が早めに降伏してくれてね。予想よりかなり早く制圧出来た」

「…そうか。砦の防衛部隊は巡回にあたれ!内部の把握と、敵兵がまだ隠れていないかの捜索だ!」

「「「は!」」」


俺の返答に知り合いのハンターはすぐさま正規兵達に指示を出して行動に移させる。


「…全員の拘束が終わったぞ」

「そう?じゃあこっから直線上にある三番めの砦を攻めに行こうか」

「ああ。集合!」

「集まれ!これより次の作戦に移る!」


他のハンターが作業の完了を報告して来るので俺が指示を出すと知り合いのハンター達は傭兵達を集めた。


「今から攻める場所は多分コッチよりも数が多いと思う」

「予想では3000人だったか」

「この砦は予想の1000名よりも少し多かったように思うな。だから次の砦はおそらく3500から4000の兵がいる、と考えていた方がよさそうだ」


一応俺が事前に注意するように説明すると知り合いのハンター達は情報を補足するように話し合う。


「だから正規兵を2000名、俺らの後ろから連れて来てもらえる?」

「分かった。アッチの砦の門が開き次第傭兵達と共に突撃しよう」

「じゃあ行くぞ!出撃する!」

「「「おおー!!」」」


俺は正規兵の指揮を任せてあるハンターに確認を取った後に号令をかけ、入って来た場所とは反対の門から三番目の砦へと向かう事に。



…敵の伏兵に警戒しながら山岳地帯を移動する事、約三時間後。



「…うーん…敵もなかなかやりおる」

「これ以上近づくと敵の矢の射程圏内に入るんじゃないか?」


高台の崖に築かれた砦を見上げながら俺が呟くと知り合いのハンターが矢の飛距離を予想するように告げてくる。


「道が二つしかない上にコッチ側からは狭くて曲がりくねってるから砦に着くまでの間、恰好の的になるのが辛い…あと一つの道は砦の反対側だし」

「…どうする?」

「どうもこうもここまで来たんだから行くしかないでしょ」

「…確かに」

「それもそうだ」


敵の地形を生かした築城に俺が作戦を考えながら言うと知り合いのハンターが確認するので、俺は面倒くせー…と思いながらため息を吐いて返すと他のハンター達が同意した。


「とりあえず俺はあの崖の上から敵の拠点内に侵入して門を開けて来るけど…何人かはなんとか門に近づいて外側の兵を片付けて来てくれない?」

「分かった。盾を持てばなんとかなるだろう」

「俺も行こう」

「では私も」

「…傭兵達や正規兵を指揮する人を最低二人はココに残して置いてね?」


俺が自分の行動を伝えてお願いすると知り合いのハンター達はみんな志願してくるので軽く釘を刺すように指示してその場を離れる。


「…さて、ロッククライミングの時間だ」


俺は敵の拠点の後ろを取れそうな崖へと移動して変化魔法で手をゴブリンの爪に変え…


壁に指を突き刺すようにしながら急いで壁を登った。


そして敵の拠点の後ろまで移動して変化魔法で分身する。


「「んじゃ、行きますか」」


俺と分身の俺は同時に呟き、スライム化してから直ぐに十数メートル下の敵の拠点に向かって飛び降りた。


「な…!?敵襲ー!!」

「敵が侵入したぞ!鐘を鳴らせ!」

「「ははは、少し遅かったね」」


砦の中に着地してスライム化を解くと近くにいた巡回中であろう敵兵が叫び、他の兵も二人の俺に気づいて叫ぶが笑いながら素手で殴って気絶させる。


「俺は門」

「俺は上の弓兵の撹乱」


俺が分身の俺に鉄の棒を渡してあと一つの鉄の棒を取り出しながら自分の役目を選ぶと、分身の俺が残りの役目を引き受けるので俺らはその場で別れて行動を開始した。 


「門が開けられた!!早く閉めさせろ!!」

「敵が登って来ている!注意しろ!」

「門に戦力を集めろ!」

「上の敵に戦力を集めろ!」


…流石に俺が二人になって暴れてるので敵兵達は右往左往で混乱状態に陥っていて…


「突撃ぃ!」

「門が開いてるぞー!」


その隙に傭兵部隊や正規兵の部隊が砦内へと流れ込んでくる。
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