174 / 556
174
しおりを挟む
…翌日。
朝食後に野郎三人でゲームをしてるとまたしても深山から電話があって教会へと呼び出されてしまう。
「うーい」
「あ、来た」
「んで?何の用だ?」
俺は『教会に来て欲しい』としか言われてないので予想はつきつつも深山に呼び出された用件を尋ねる。
「農家の人達…畑を手伝ってくれるんなら寄付でも慈善事業でもなんでもしてくれるんだって!」
「…ホントかぁ?」
「本当だ。神に誓っても良い」
深山の言葉に俺が疑うように農家のおっさん達を見ながら聞くと代表者っぽい奴が宣誓するような感じで返し、他のおっさん達もウンウン頷く。
「神ねぇ…悪ぃが俺には神なんてどーでも良くてな。その代わり…聖女である深山や斉藤、住吉とかに誓えるか?神父やシスター達の見てる前で」
俺は抽象的な象徴への誓いなんて信じてないので…
今現在村の人達が物凄くお世話になっている恩人とも言える深山達を引き合いに出して確認した。
「え?私?」
「神なんて曖昧なモンよりはよっぽど裏切りづらいだろ?なんせ本人の前で誓うんだからな」
「そんな簡単な事で良いのか?」
「その程度の事で済むんならありがたい」
困惑したように自分を指差した深山に俺が理由を話すと農家の人達はキョトンとした様子で返して笑い出す。
「俺は聖女達に誓って約束を違えたりしない」
「俺も聖女達に誓って嘘はつかん!」
「俺も聖女達に誓う!騙すなんて卑怯な事はしない!」
代表者っぽい奴が真っ先に祈りのポーズを取りながら深山達に誓いを立てると『俺も俺も』と農家のおっさん達が次々と誓いを立て始める。
「…ちゃんと見たな?」
「はい。この目でしっかり確認し、この耳でしっかりと聴き取りました」
「私もです」
「んじゃ手伝ってやるよ。とりあえずみんなの畑に案内してくれ」
「じゃあ俺の畑から!」
「いや、俺の畑からだ!」
「俺の畑の方が近いぞ!」
神父とシスターに確認すると頷くので、しょうがなく手伝う事にすると農家のおっさん共は順番で揉め出した。
「どうせ全部回るんだからどこからでもいいよ」
「「「それもそうか」」」
「じゃあ俺が行こう」
とりあえず俺は代表者のおっさんに案内されて一番近い畑から現状を視察して回る。
ーーーーーー
「ココが最後だ」
「…見て回るだけでもえらい大変だな…まあとりあえず状況は分かったから、明日から収穫出来るよう準備しといて」
もはや一人あたり何ヘクタールか分からないぐらいの広さの畑を見て回り、現状を把握出来たので俺はおっさんにそう指示した。
「収穫…?種まきじゃなくてか?」
「種まきからやりたいんなら別にそれでも良いけど?」
「…そうだな。収穫の準備と言っても時間がかかる…分かった。みんなには収穫の準備をするよう伝えてこよう」
おっさんの確認に俺が確認し返すと少し考えてさっきの意見に賛同して馬に乗ってどこかへ去って行く。
朝食後に野郎三人でゲームをしてるとまたしても深山から電話があって教会へと呼び出されてしまう。
「うーい」
「あ、来た」
「んで?何の用だ?」
俺は『教会に来て欲しい』としか言われてないので予想はつきつつも深山に呼び出された用件を尋ねる。
「農家の人達…畑を手伝ってくれるんなら寄付でも慈善事業でもなんでもしてくれるんだって!」
「…ホントかぁ?」
「本当だ。神に誓っても良い」
深山の言葉に俺が疑うように農家のおっさん達を見ながら聞くと代表者っぽい奴が宣誓するような感じで返し、他のおっさん達もウンウン頷く。
「神ねぇ…悪ぃが俺には神なんてどーでも良くてな。その代わり…聖女である深山や斉藤、住吉とかに誓えるか?神父やシスター達の見てる前で」
俺は抽象的な象徴への誓いなんて信じてないので…
今現在村の人達が物凄くお世話になっている恩人とも言える深山達を引き合いに出して確認した。
「え?私?」
「神なんて曖昧なモンよりはよっぽど裏切りづらいだろ?なんせ本人の前で誓うんだからな」
「そんな簡単な事で良いのか?」
「その程度の事で済むんならありがたい」
困惑したように自分を指差した深山に俺が理由を話すと農家の人達はキョトンとした様子で返して笑い出す。
「俺は聖女達に誓って約束を違えたりしない」
「俺も聖女達に誓って嘘はつかん!」
「俺も聖女達に誓う!騙すなんて卑怯な事はしない!」
代表者っぽい奴が真っ先に祈りのポーズを取りながら深山達に誓いを立てると『俺も俺も』と農家のおっさん達が次々と誓いを立て始める。
「…ちゃんと見たな?」
「はい。この目でしっかり確認し、この耳でしっかりと聴き取りました」
「私もです」
「んじゃ手伝ってやるよ。とりあえずみんなの畑に案内してくれ」
「じゃあ俺の畑から!」
「いや、俺の畑からだ!」
「俺の畑の方が近いぞ!」
神父とシスターに確認すると頷くので、しょうがなく手伝う事にすると農家のおっさん共は順番で揉め出した。
「どうせ全部回るんだからどこからでもいいよ」
「「「それもそうか」」」
「じゃあ俺が行こう」
とりあえず俺は代表者のおっさんに案内されて一番近い畑から現状を視察して回る。
ーーーーーー
「ココが最後だ」
「…見て回るだけでもえらい大変だな…まあとりあえず状況は分かったから、明日から収穫出来るよう準備しといて」
もはや一人あたり何ヘクタールか分からないぐらいの広さの畑を見て回り、現状を把握出来たので俺はおっさんにそう指示した。
「収穫…?種まきじゃなくてか?」
「種まきからやりたいんなら別にそれでも良いけど?」
「…そうだな。収穫の準備と言っても時間がかかる…分かった。みんなには収穫の準備をするよう伝えてこよう」
おっさんの確認に俺が確認し返すと少し考えてさっきの意見に賛同して馬に乗ってどこかへ去って行く。
10
あなたにおすすめの小説
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる