クラスまるごと異世界転移

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「ちょっくら報酬の残りを受け取りにな」

「そうか。それはそうとあの娘っ子と喧嘩したんだって？」

「…娘っ子って佐藤のことか？いや、喧嘩した覚えはねぇけど？あっちが一方的に怒ってきただけだし」

「ははぁ…それでか…」


俺が用件を言うと料理長が良く分からない事を聞いてくるので否定すると何故か納得したように呟く。


「いや、なに。喧嘩した相手と仲直りしたいとかで色々聞かれてな…あと兄ちゃんの好きな物とか今欲しい物とかも」

「へー。俺としては別に謝って『深く』反省してくれればソレでいいんだけどな」

「ははは！兄ちゃんは『女』ってモノを分かっちゃいねぇな。親しい相手だと時に引き下がる事が出来ずに意固地になるもんよ」

「…そんなモンかね」

「そうさ。感情的になりゃ男だって同じ過ちを繰り返す。ソレばっかりはどうしようもねぇんだ」


流石は年の功とも言うべきなのか…料理長は大人の意見のような話を聞かせてくれた。


「ま、そういうめんどくさい相手とは距離を取るに限る…って事か」

「ソレも正解だが、人は成長する。もしかしたらあの娘っ子も怒る前に一旦距離を置くよう成長してるかもしれんぞ？」

「料理長のアドバイスでか？」

「ははっ！そいつはなんとも言えねぇな」

「…そうなってる事を祈るよ…じゃ、5体で良い？」

「おお。いつもありがとな！」


俺は兵を5体召喚して料理長に預け、とりあえず第一王子の部屋へと向かう。


「あ…海原」

「よー佐藤。土地の準備ができたんだって？」

「あ、うん…」


廊下でばったりと佐藤と会うもなんかソワソワしてて落ち着きがないような感じの反応をする。


「今第一王子の部屋に向かってたんだけど、どこに行きゃあ良いんだ？」

「あ…こっち」


俺の問いに佐藤はソワソワした様子のまま案内してくれた。


「ねぇ海原…怒ってないの？」

「怒る？なんで？」

「だって…あんな事言っちゃったし…」

「あんな事…？あの程度で怒る奴って灰村とかのヤンキーかやべー奴ぐらいじゃねーの？」


佐藤がチラチラ見ながら気まずそうに聞いてくるのを俺は不思議に思いながら返す。


「でも…！…だったらなんで電話とか無視したの？謝罪だって拒否されたし…」

「だっておめー反省しねぇから直ぐ怒るじゃねーか。対応がめんどくせーんだよ」

「ぅ…反省は、してるけど…」


佐藤の勘違いを解くように俺が本音の愚痴を言うと図星を言われたかのような反応をしてボソッと言い訳を呟く。


「んじゃソレを態度で表せよ。言うだけならガキでも出来んだからよ」

「…本当は怒ってない？」

「怒ってて欲しいのか？」

「…ごめん」


俺が面倒くせーな…と思いながら説教すると佐藤はまた確認してくるので流石にイラッと来て返すと謝られた。


それからお互い無言のまま応接室っぽい部屋に通される。


「良く来てくれた、ウミハラ殿。とりあえず先に用意出来た現金から…残りの4900万枚だ」

「うわーお。超多いわ」

「凄い量の金貨…初めて見た」

「持ち運びの都合上1袋に100万枚の金貨が入っている」



王子は俺が部屋に入るや否や挨拶をすると直ぐに周りに居た兵に大量の袋を用意させて説明する。