クラスまるごと異世界転移

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…昼食後。


「ふへー…食った食った…美味かったな」

「コッチはガッツリ肉系の料理が多いんだな」

「野菜は蒸されたモノが多かったね」

「うん。どちらかと言えば添え物って感じ」


藤原の感想に柴田がそう返すと斉藤と住吉が料理の内容を分析し始める。


「野菜スティックを蒸したらなんかオシャレじゃない？」

「確かに！ウインナーとかじゃがいもを一口サイズに切って蒸したりするのもいいかも！」

「今度やってみよ！」

「「うん！」」

「…なんかヘルシーな料理が出てきそうだぜ」

「まあたまにはそーゆーのも良いんでねーの？」

「足りなきゃ焼けば良いだけだしな」


女子達の会話を聞いた柴田が微妙な顔で言うと藤原は女子をフォローしたように返すので俺もフォローした。



そして午後も王都を回って観光しての夜。



なんでも城で晩餐会が開かれるとの事で俺らはイスマール第四王子から招待された。


「うーわ、めっちゃ畏まった場じゃん」

「俺この国のマナーとか知らねーぜ？ってかあの国のマナーも知らねーけど」

「こんな堅苦しい場所じゃ味とか感じなくね？」


食堂の方に着くと長いテーブルの上にロウソクが三本刺さった貴族お馴染みのインテリアが置いてあり…


上座に王様とかが先に座っていて何やら雰囲気も重々しく感じる。


「王子、悪ぃけど俺パス。マナーとかねぇから迷惑かけたくねーし」

「あ、じゃあ俺も」

「んじゃ俺も」

「えー…男子達居なくなるんなら私も…」

「じゃあ、私も」

「私も」

「えー！みんな居なくなるの！？…じゃあギルには悪いけど、私も…」


なので俺がイスマール王子に断りを入れると他のみんなも賛同して晩餐会への出席をドタキャンした。


「ははは。大丈夫、大衆の最低限のマナーさえ守ってくれればこちらから口を出す事は無い」

「食事中に喋っても良いのか？」

「無論だ。しかし、咀嚼中ならば口は手で覆い隠すことを忘れずに」

「それは人として当たり前のマナーだな」

「クチャラーとか最悪だしな」


イスマール王子の言葉を聞いて俺が確認すると一応注意事項みたいに言われたが柴田と藤原は納得したように頷く。


「だったら参加しても良いかも…海原君どうするの？」

「なんか言われたらそん時に出て行きゃーいいし、とりあえず食うだけ食ってみよーぜ」

「海原がそう言うんなら…」

「うん」

「ま、ちゃんとテーブルマナーを修めてる私は追い出されないけどね」


斉藤の確認にそう返すと女子達も参加しても良いそうなので俺らは案内された席へと座る。


「わー、美味しそう」

「でもなんか全体的に肉多くね？」

「つーかコッチの晩餐会はフルコースじゃなくて最初からいっぱい出るんだな」

「そりゃ国によって様式は違うでしょ」

「うわー…美味そー…何から食べよう？」

「んで？もう食って良いの？」


みんなで席に着いて目の前に置かれた料理を見ながら話し、イスマール王子に俺が確認を取る。


「父上」

「ああ、始めよう。みな、グラスを手に……乾杯」

「「「乾杯」」」


イスマール王子が促すと王様が頷いて立ち上がり音頭を取るので一応俺たちもグラスを持って黙って軽く上に上げた。