クラスまるごと異世界転移

八神

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「ん?海なに作ってんの?」

「車だと」

「車ぁ?車って俺らの世界にあるアレのことか?」

「らしい」

「んなモノまで作れんのかよ…」


準備を終えて戻って来た藤原が聞くと柴田が答え、藤原はさっきの柴田と同じ反応をする。


「でーきた。んじゃ行くか」

「早くね?車ってそう簡単に作れるモンなのか?」

「まあ歯車とモーターだけの簡単な仕組みだからな。ミニ四駆とかチョロQみたいなモンよ」

「「…あー」」


ハイエースのような箱型の車が完成したので出発の合図をすると藤原が疑問を聞いてくるも俺の返答を聞いて二人とも納得したように呟く。


「…って、結局馬に引かせるんかい!」


車の中に乗って長ベンチのような椅子に座った柴田が発進時の状況を見てツッコんできた。


「速度の調整が難しいから街中では動かせねぇんだよ」

「…確かに。ミニ四駆とかチョロQに変速機能とかは付いてねーしな」

「ある程度の調整なら出来っけど、馬車ほど直ぐには止められねぇし」

「…ソレもそうか」


俺が理由を話すと藤原は納得したように言い、補足をすると柴田も納得したように呟く。




「あっ、ごめん。待った?」

「いや、5分くらいよ」


ギルドの建物の前で車から降りて待っていると飯島がやって来て申し訳なさそうな顔をするので藤原がフォローするように返す。


「お待たせしてすみません!では行きましょうか!」


…飯島のパーティメンバーである剣士は一言謝ると何故か仕切り始めた。


「委員長達はなにで行くの?馬?馬車?」

「馬で行こうと思ってるけど…海原くん達は?」

「俺らは海が用意したこの車よ」

「車って言うか…二頭立の馬車じゃないの?」


俺が移動手段を聞くと当たり前の馬を選択して聞き返してくるので藤原が答えると不思議そうに確認する。


「見た目は、な。乗せても良いけど…どうする?」

「あ、ありがとう!じゃあお願いね」

「ありがとうございます」

「…お願いします」


俺の提案に飯島がお礼を言って中に乗ると他のメンバーも会釈するように頭を下げて車の中に乗る。


「じゃあ出発」


みんなが座ったのを確認して俺は兵にモーターを少し動かさせて街から出るまで馬に引っ張らせた。


「…おいおい、なんか速くなってねーか?」


街から出て少し経った頃に柴田が景色を見て聞いてくる。
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