クラスまるごと異世界転移

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「でもソレほとんど海原のおかげでしょ？」

「…うっ！」

「どういう事だ？」

「灯は『荒れた不毛の地』を僅かな時間で『穀倉地帯』に変えた功績で伯爵の爵位を授与されたんだって」

「でもでも海原を上手く使ったのは私だし、収穫した野菜とかの流通を管理してるのも私だし！」

「というか執事のおじさんも言ってたじゃん。『ワインの件もあるから実力だと自惚れるな』って」

「ううっ…！」


清水の指摘に佐藤が言い訳するように返すも更なる追撃に佐藤は強引に黙らされる。


「そ、そんな事はどうでもいいの！！今ソレ関係無いし！」

「ええー…」

「凄い力業で強引に誤魔化した…」


俺が口を開いて何か言おうとすると佐藤は逆ギレするようにバン！とテーブルを強く叩いて立ち上がり、無理やり話を終わらせるので俺と清水は呆れながら呟いた。


「過程がどうあれ結果が全てなんだから！なんか文句ある！？」

「俺は何も言ってねーのになんでキレてんだよお前。ホントめんどくせーな」

「うーわー…」


何故かキレる佐藤に俺がため息を吐いて呆れながら流すように返すと、その様子を見ていた清水がヒいたように呟く。


「え、灯がここまでキレるのってかなり珍しいのに海原なにその慣れたような対応？」

「ホントか？俺意味不明にキレられんのコレで4度目だぜ？んで後から謝ってまたキレんのよ」

「あ、アレは…！その…！」

「…えー…ごめん、灯。それは私もヒくわ…」

「ち、違うって！あの時は海原が…！」


清水の問いに俺が体験談を話して確認すると佐藤が言い訳のような事を言うも清水はヒいたように言い、佐藤は更に言い訳を重ねようとする。


「じゃなくて！そんな事はどうでもいいの！！」


佐藤は本日二度目の無理やりで強引な話の仕切り直しをした。


「まあ確かにどーでもいーわな」

「…海原…凄い…」


俺が佐藤に同意して流そうとすると清水はめっちゃ何か言いた気な顔をするも全部飲み込んだように俺を褒める。


「で！でで！調査隊の話に戻すけど！」

「んな興奮したら喉痛めんぞ。のど飴でも食っとけ、ほらよ」

「あ、ありがと…」


声を荒げる佐藤に俺が忠告して飴を投げて渡すと冷静になったようにソファに座った。


「あ、美味しい…で、海原どうする？」

「どうもこうもそんな危ねートコ行きたくねーな」

「だよねー。海原ならそう言うと思った」

「その新大陸にナニカがあるとしても？」


佐藤の問いに俺が拒否すると理解したように返し、清水が含みを持たせた言い方をして聞いてくる。


「何かってなんだ？」

「私達が元の世界に戻れる鍵がその新大陸にある、って占いには出てる」

「ほー…まあ確かにそろそろ帰りてーとは思うけどよ…」

「でしょ？私達も同じ考えだし、どう？」

「でも俺一人苦労するのもなぁ…柴とか藤も一緒なら考えてもいいかな」


俺は清水の曖昧な話を聞いた結果、条件を付けて返した。