475 / 556
475
しおりを挟む
「…聖女様。中で陛下がお待ちです」
「あ、はい。ありがとうございます」
「開門!」
俺らが城門に近づくと5分もしない内に許可が下りたのか兵が報告して深山がお礼を言うと門を開ける。
「…マジでこんなすんなり行くんだな」
「それだけ深山の影響力がすげーって事よ」
「…そうかなー?」
「そうだって」
城の中に入って藤原が意外そうに言うので俺が深山を褒めるも本人は納得いってないように不思議そうに返すので柴田が教えるように言う。
「ま、なんにせよこっから先は俺らの仕事だな」
「永江、俺らに何があろうと深山を最優先に守って逃げろよ」
「少しでもヤバイと思ったら手段を選ぶなよ。手遅れになってからじゃおせーからな」
『あい分かった。どんな手段を使ってでも傷一つ負わせぬ』
柴田は指の骨を鳴らしながらやる気を出して言うので藤原が指示を出し、俺が注意するように言うと永江はニヤリと悪い笑い方をして了承した。
「そういやどこ行けばいいんだ?」
「多分謁見の間だから…こっち」
今回は案内役の人が居ないので少し歩いたとこで柴田が止まると深山が案内するように先導する。
「これは聖女様!お久しぶりでございます!」
「あ、はい」
「聖女様!お元気そうでなによりです!」
「そちらこそ…」
すれ違う兵達の中には怪訝そうに俺らを見る者の他に深山を見る度に直立姿勢を取って敬礼しながら話しかけてくる者もいて、深山は若干困惑したように返していく。
「…深山ってめっちゃ人気者だな」
「多分アイツら奇跡の力で治してもらった奴らじゃねーかな?」
「あー…じゃあ信者ってわけか」
柴田が小声で話しかけてくるので俺は普通の音量で返すと藤原が納得したように振り向いてすれ違った兵を見た。
「聖女様、中で陛下がお待ちです」
「どうぞ」
…『謁見の間』とかいう部屋に着くとドアの前にいた兵が深山を見るや否やすぐさまドアを開ける。
「おお!聖女ミヤマよ、良くぞ戻った!」
「あ、えっと…」
「深山、下がってろ」
「後は海がやるから」
「…まあいいけど」
玉座に座った王様が機嫌良さげに言うと深山は困惑したように呟き、柴田がフォローすると藤原は俺に投げた。
「ん?その者達は…!」
「どーも。その節は世話になったね。まさか魔獣が化けてたなんてな…どこぞの皇帝と違って上手かったから気が付かなかったわ」
「魔獣だと?この私が?何を世迷言を」
王様は俺らに気づいたのか驚いたような反応をするので俺が皮肉を言うとやっぱりシラを切る。
「…はぁ~…その下りは皇帝の時にやったからさ、茶番は止めない?面倒だし見てるコッチが恥ずかしい」
「…貴様は何を言っている?」
「アンタのお仲間は人間に化けるのが下手でね、直ぐにバレたんだよ」
俺の煽りに王様が困惑したように返すので皇帝に化けてた災魔の事を話す。
「…くくく…そうか、それで逃げて来たというわけか…はーはっはっは!!我なら倒せそうだと思ったか!?片腹痛いわ!」
「永江」
『うむ』
「気をつけてね」
「おう」
王様に化けた魔獣は下を向いて笑ったかと思えば急に天を仰いで高笑いし始めるので柴田が永江に合図を出して先に深山を避難させた。
「あ、はい。ありがとうございます」
「開門!」
俺らが城門に近づくと5分もしない内に許可が下りたのか兵が報告して深山がお礼を言うと門を開ける。
「…マジでこんなすんなり行くんだな」
「それだけ深山の影響力がすげーって事よ」
「…そうかなー?」
「そうだって」
城の中に入って藤原が意外そうに言うので俺が深山を褒めるも本人は納得いってないように不思議そうに返すので柴田が教えるように言う。
「ま、なんにせよこっから先は俺らの仕事だな」
「永江、俺らに何があろうと深山を最優先に守って逃げろよ」
「少しでもヤバイと思ったら手段を選ぶなよ。手遅れになってからじゃおせーからな」
『あい分かった。どんな手段を使ってでも傷一つ負わせぬ』
柴田は指の骨を鳴らしながらやる気を出して言うので藤原が指示を出し、俺が注意するように言うと永江はニヤリと悪い笑い方をして了承した。
「そういやどこ行けばいいんだ?」
「多分謁見の間だから…こっち」
今回は案内役の人が居ないので少し歩いたとこで柴田が止まると深山が案内するように先導する。
「これは聖女様!お久しぶりでございます!」
「あ、はい」
「聖女様!お元気そうでなによりです!」
「そちらこそ…」
すれ違う兵達の中には怪訝そうに俺らを見る者の他に深山を見る度に直立姿勢を取って敬礼しながら話しかけてくる者もいて、深山は若干困惑したように返していく。
「…深山ってめっちゃ人気者だな」
「多分アイツら奇跡の力で治してもらった奴らじゃねーかな?」
「あー…じゃあ信者ってわけか」
柴田が小声で話しかけてくるので俺は普通の音量で返すと藤原が納得したように振り向いてすれ違った兵を見た。
「聖女様、中で陛下がお待ちです」
「どうぞ」
…『謁見の間』とかいう部屋に着くとドアの前にいた兵が深山を見るや否やすぐさまドアを開ける。
「おお!聖女ミヤマよ、良くぞ戻った!」
「あ、えっと…」
「深山、下がってろ」
「後は海がやるから」
「…まあいいけど」
玉座に座った王様が機嫌良さげに言うと深山は困惑したように呟き、柴田がフォローすると藤原は俺に投げた。
「ん?その者達は…!」
「どーも。その節は世話になったね。まさか魔獣が化けてたなんてな…どこぞの皇帝と違って上手かったから気が付かなかったわ」
「魔獣だと?この私が?何を世迷言を」
王様は俺らに気づいたのか驚いたような反応をするので俺が皮肉を言うとやっぱりシラを切る。
「…はぁ~…その下りは皇帝の時にやったからさ、茶番は止めない?面倒だし見てるコッチが恥ずかしい」
「…貴様は何を言っている?」
「アンタのお仲間は人間に化けるのが下手でね、直ぐにバレたんだよ」
俺の煽りに王様が困惑したように返すので皇帝に化けてた災魔の事を話す。
「…くくく…そうか、それで逃げて来たというわけか…はーはっはっは!!我なら倒せそうだと思ったか!?片腹痛いわ!」
「永江」
『うむ』
「気をつけてね」
「おう」
王様に化けた魔獣は下を向いて笑ったかと思えば急に天を仰いで高笑いし始めるので柴田が永江に合図を出して先に深山を避難させた。
20
あなたにおすすめの小説
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる