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第三章
20XX年9月X日
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新学期から二週間経たないうちに、同じクラスだけでなく、他のクラスの生徒たちからも無視されるようになった。
野村たちも、自分たちの気分や都合次第で、僕を無視する時もあれば、至近距離で悪口を言って真正面から指を差して馬鹿笑いしてきたり、わざとぶつかりバイ菌扱いして騒いだ。
物もなくなるようになった。シャーペン、シャーペンの替芯がケース丸ごと、カラーペン、下敷き。そして今日の昼休み明けには、次の授業の国語の教科書。ほんの少し席を離れていた隙に盗られたようだった。
「昼休みの間に教科書がなくなりました」
授業中に指された僕がそう言うと、国語の蜷川先生は、誰か間違えて持っていないかと呼び掛けた。勿論誰も答えるはずがなかった。先生はもう一度探してみるようにと僕に言うと、代わりに他の生徒を指した。視界に入らなくても、野村や山井がニヤニヤ笑いながらこちらを見ているのが感じ取れた。
今日もお父さんには打ち開けられなかった。〇時近くに疲れた顔をして帰って来た姿を見たら、何も言えなくなってしまった。
また吐き気がしてきた。最近、夜になるとどこかしら具合が悪くなる。次の日が学校だと尚更だ。
学校になんて行きたくない。
野村たちも、自分たちの気分や都合次第で、僕を無視する時もあれば、至近距離で悪口を言って真正面から指を差して馬鹿笑いしてきたり、わざとぶつかりバイ菌扱いして騒いだ。
物もなくなるようになった。シャーペン、シャーペンの替芯がケース丸ごと、カラーペン、下敷き。そして今日の昼休み明けには、次の授業の国語の教科書。ほんの少し席を離れていた隙に盗られたようだった。
「昼休みの間に教科書がなくなりました」
授業中に指された僕がそう言うと、国語の蜷川先生は、誰か間違えて持っていないかと呼び掛けた。勿論誰も答えるはずがなかった。先生はもう一度探してみるようにと僕に言うと、代わりに他の生徒を指した。視界に入らなくても、野村や山井がニヤニヤ笑いながらこちらを見ているのが感じ取れた。
今日もお父さんには打ち開けられなかった。〇時近くに疲れた顔をして帰って来た姿を見たら、何も言えなくなってしまった。
また吐き気がしてきた。最近、夜になるとどこかしら具合が悪くなる。次の日が学校だと尚更だ。
学校になんて行きたくない。
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