キャバクラに体験入店してきたフワモコ猫が突然Ｎｏ．2になったのに性格良すぎてまあまあツライ

欅坂のベリカと長沢くんをイメージしてもらえれば幸いです

「えーー！！ほんとにー！！うれしー！！ワタシもバニラちゃんとずっと話したいと思ってて、ボーイさんとかに『どうやったら一緒に写メ撮ってもらえますかね？』って相談してたのーー。うれしーー。仲良くしよーー。ありごとーー」


クリームちゃんの言葉は嘘ではない。
嘘ではないが、かなりのウソだ。

つまり、バニラちゃんに声をかけてもらうまでは、
バニラちゃんのことなど
1ミリも頭の中に存在してなかったはず。


ただ、声をかけてもらったその刹那、
クリームちゃんは
一瞬でバニラちゃんを味方と捉え、
仲間と認識し、
行く行くは金に成る「歩」のような駒と
判断したのかもしれない。


あくまでいい意味で。
クリームちゃんは穢れた意図を
持ち合わせていないから、あくまでいい意味で。



「えーーそうなんですかーー！そんなふうに思っててくれたなんてうれしーーいでーーーす。あたし、このお店で全然友達いないんで、よかったら仲良くしてくだサーーいい」

「えーーーー！うれしーー！ワタシも仲良くしターーイ！よろしくねーー！」



終始、会話がフワフワしている。
行列のできるパンケーキの店の人気商品のような柔らかさと食べた後に残る後悔に満ちたクドさに溢れている。


周りの空気はひんやりしていた。
止まらない天然と天然の会話に。


スマホの明かりで浮かび上がるショコラさんの表情はスマホの明かりのせいか青白く曇っていた。