英雄に食べられました

まちゃまま

文字の大きさ
上 下
21 / 27

番外 王妃side *王女としての前

しおりを挟む
わたくしはナディアの母であり、王妃です。
夫の妻はわたくし以外にも2人います。

ナディアは不思議な子どもでした。わずか3才の時に、大人顔負けの知識を披露したのです。夫はその知識を元に辺境を開発したようです。
それからしばらくして、異世界の、男性医師としての記憶がある、と打ち明けられたとき、納得してしまいました。
どおりで、男性の機微に理解があるはずです。
ナディアの助言で、側妃2人とも腹を割って話し合いができました。いがみ合うより協力をすることで夫婦仲が改善され、たくさんの子宝にも恵まれました。今では側妃たちとも仲良くなり、戦友であり大切な家族だと胸を張って言えます。

ですから、ナディアが女性としての義務を果たせない、というならば。周りの木っ端貴族になど文句をつけられないよう、取り計らって見せましょう。

幸い、名ばかりの夫としてこれ以上ないくらいの方を確保でしました。領地もありませんし、公に姿を見せることも稀な方です。妻としての仕事など無いに等しい。ナディアは知らないことですが、婚姻届はすでに提出済みです。万一ナディアが男性との結婚を望んでも、あの方には了承していただけますから、問題ありません。

年端もいかぬうちから女性の身で何年も国に貢献してきたのですもの。これからは、好きに生きて欲しい。
もちろん、国内で、という制限は設けますけどね。

悪ガキ3人組…失礼、この国を担う最重要人物たちが何やら悪巧みをしているようです。
あの娘の幸せを邪魔させてたまるものですか。

さあ、側妃たちとともにまいりましょう。
キリキリ吐かせなくては。


しおりを挟む

処理中です...