アクアマリン の瞳は 夏に溶けて

ひじり つかさ

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心の、ままに!

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私は27歳OL

10年付き合った彼と別れた!

ここ3、4年は、
もうそんな気は無いのかなって!

それでも、ズルズルと......
イタズラに時間だけが......

突然の彼からの別れ話も、
自分でもビックリするくらい
感情が動かなかった。


そんなこんなで、
溜まっていた仕事を片付け
まとまった休暇を取った!

傷心旅行のつもりは無いのだけれど、
この旅に名前を付けるとしたら......

やっぱり...... ......

「まぁ..... そうなるわね!」

目的地は南の島!

別に...... 新しい出逢いを...... って
訳じゃ無いけど......




名もないビーチ......


大胆な水着を隠す様に?
涼しげな白いワンピースに身を包み

ビーチサンダル片手に
浜辺を歩けば

パラソル付きのテーブルに白いチェア
テーブルを挟んだ反対側には、
白いデッキチェアが......

これが、私だけの程よいスペース!


気の利いたボーイさんが、
レモネードとアイスボールに入った
チョコをテーブルに......

ひんやり!冷たい!レモネード!

氷ごと喉に流せば......  
砕ける氷が波のサウンドと相まって......
心に溶ける......

座ったままテーブルに片腕を伸ばし
首を傾け頬をつける

遠く目線の先には、白い船が行き交う
片手で、読むつもりも無い本をパラパラと

波の音が更に...... 心地良く......

何時しか...... 微睡みの中に......



気配を感じ...... そっと目を開けると


そこには、ちっちゃな Boy......

年の頃なら、5、6歳くらい?


じっと! 私を見てる?

その吸い込まれそうな瞳は、

緑とも...... 青とも...... いえない......

そう!  

言葉にするなら......

「アクアマリン!」


その美しい瞳と

もじもじしながら、小さな手をコネコネと

その愛くるしさから見惚れてしまいそう!


「お母さんと、はぐれちゃったの?」

何故か?猫なで声の私!

ちぃちゃな Boy は......

何も喋らず、ただ...... もじもじと


あっ...... そうだ!

テーブルの上の
アイスボールに確か!

チョコが入っていたのを
思い出した 私!

まだ...... ひんやりしたチョコ!



ちぃちゃな Boy に、

「チョコ! 食べる?」

指先で小さく揺らすと

その、ちぃちゃな お口に......

そっと...... はこんで あげる!

つられて私も...... あ--んの お口に!

お口いっぱいに、含んだチョコを

満足そうに...... 天使の笑顔で......


突然! 

何かに 振り向くと...... 何処かへ......

駆けて...... 行った!


「行っちゃった!」


私の友達も二十歳そこそこで、
結婚した子もいたなぁ......

もし、彼と早くゴール出来てたら
私にも...... あのくらいの子供が......
いたのかなぁ......


...... ...... ......

こんな事を、考えるなんて......

らしくない! 

らしくない!


残りのレモネードを飲みほすと


ちぃちゃな Boy が、また!駆けて来た!

私は、砂浜にペタンと座ると
丁度 同じ目線に!

ほんと、綺麗な瞳!

ちぃちゃな Boy の、ちぃちゃな手には
ハイビスカスの花......
そっと...... 私の髪にさしてくれた!

なんて ちぃちゃな ジェントルマン!

私は、嬉しくて!
マシュマロ みたいな頬に
チュッと...... お礼のキッスを!

はにかんで、もじもじするところが
なんて! キュート!

すると、ちぃちゃな両手で私の手を握り
何か握らされた、感触が、ありながらも

片膝をつき......

私の手の甲に、お返しのキス!


すると、また何処かに駆けて行った!


私の手の平には白い貝殻が......

耳にそっと あてると......

心に潮騒のメロディが、奏でられる!


気がつくと私は、
デッキチェアで...... 眠ってた?

辺りはいつの間にかサンセットビーチに

私は...... 夢を見ていたの?


でも、髪にはハイビスカスの花
手には、白い貝殻が!

辺りのボーイさんに、聞いてみるも......
みんな首を、横に......


綺麗な夕日なのに......

アクアマリンの瞳が......

忘れられない!


私は夕日を背に
ホテルの部屋に戻ると
泳がなかった水着にバイバイ!

シャワーを浴びてローブに身を包み
オーシャンビューの、ルーフバルコニーで、

今度は満天の星空が......

ゆっくりと...... お出迎え!

波の音を聞きながら

テーブルに置いた貝殻を再び耳に......

ひと時の、夏の思い出が

心に何かを 問いかける。


貝殻の入り口に目が止まり

覗き込んでみると

小さな文字で......

I Love you 


私の頬も緩む!
ちぃちゃな...... オマセさん......



再会の頼りは......

私と...... ちぃちゃな Boy の......

記憶だけ...... ...... ......




都会の カフェテラス

ひんやりしたレモネードを見ると

あの夏を想い出し

アクアマリンの瞳を

探してしまう

わ た し


「こりゃ重症かな?早く彼氏 探さないと!」


あぁ--ぁ!

微笑ましくも 悩ましい?

アクアマリンの夏が......

また......

やって来る!


さぁ!

恋に、リスタート!



-おわり-













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