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始まりの町
19.大量のダンボール箱の再来
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腰の牽引と筋肉注射をして貰い帰宅する頃には、私の眠気が最高潮だった。
原付バイクをタラタラ走らせ、自宅の近くのガソリンスタンドで満タンに入れて帰路に着く。
裏口から入って声を掛けると、
「ただいまー」
「お帰り。昼食出来てるよ」
と台所から容子が顔を出した。
テーブルの上には、豆腐サラダと親子丼、ワカメの味噌汁が並べてある。
欠伸を噛みしめながら席に着き、
「頂きます」
と言って、昼食にありついた。
「病院の先生は何て?」
「次回は、採血とレントゲンしましょうだって。診療代も馬鹿にならないしなぁ」
通院しなければ、腰痛が悪化する。
貯蓄も心もとないし、何とかしてお金を稼がねばなるまい。
「容子は、サイエスから売れそうなものを仕入れてきて。私は、フリマサイトやネットオークションで売り捌いてみる。それが軌道に乗れば、会社を興して仕事にしてしまえば良いし。蛇達の世話は、私がするから安心して稼いできてね!」
容子は、私が地球で社会復帰は出来ないと思っているようだ。
もう、サイエスで生きるしかないのか……。
鬱だ。
「ごめん、もう眠気がMAXなの。寝かせて。残りは、後で食べる」
頭をフラフラさせながら、自室のベッドにダイブ。
そのまま、夢の国へと旅立ったのだった。
惰眠を貪り、起きたら空が赤く染まっていた。
時刻を見ると壁時計の短針が4を指している。
時刻は、16時と少し回っていた。
ザックリ計算して4時間ほど寝ていたらしい。
「あぁ~、良く寝た。やっぱり自室で寝るのが一番だわ」
軽く背伸びをして、ベッドから降りる。
クローゼットの中をごそごそ物色し、寝間着から白シャツに黒のスウェットパンツに着替える。
枕元でプープー寝息を立てているサクラを起こし、肩に乗せて洗面場へ向かった。
水玉のヘアバンを頭に装着して、洗顔しようとした手が止まる。
こっちの世界でも魔法は、使えるのだろうか?
「氷の飛礫」
魔力を押さえて、洗面器に向かって魔法を放つ。
一口大の氷が、洗面器の中には山盛りになった氷の粒が出来上がった。
私は、それに水を足して氷水で顔を洗う。
一時的でも眠気を吹き飛ばすには、冷水で顔を洗うのが一番だ。
洗顔を終えて清掃を施し、オールインワンジェルを顔に塗ってからリビングに向かう。
サクラをテーブルの上に置いて、鏡の前で髪の毛をセットし、サイエスへ行く支度をしていたらメモ用紙が目に入った。
開けてみると、隣にある部屋のダンボール箱を全てアイテムボックスに収納する事と、目が覚めたら容子を起こす事と書かれている。
嫌な予感がして、指定された部屋を開けると、所狭しとダンボール箱が山積みになっている。
一体何を買ったんだ?
いや、それよりも箱の多さから見て幾ら使ったんだ?
弾が減ったから、その分の補充か?
などと疑問が、どんどん膨らんでくる。
色々と言いたいことが喉元まで込み上げてきたが、クールダウンだと自分に言い聞かせる。
アイテムボックスに収納すれば、自動で整理されるので後で目録を見れて確認すれば良いか。
片っ端からアイテムボックスに収納し、10分ほどで収納し終えたが疲れた。
二度寝したくなったが、ここで寝たら容子の怒りを買ってしまう。
私は、濃いめのコーヒーを入れて一息つくことにした。
コーヒーの臭いに目が覚めたのか、サクラがニュッと身体を伸ばしてカップに触ろうとしている。
「コーヒー、苦いからサクラの口には合わないと思うよ。ココア入れてあげるから、それで我慢しな」
席を立ちサクラ用にココアを入れていると、ガシャンと大きな音が聞こえてきた。
ココアが入ったカップを持ってリビングに戻ると、テーブルの上をゴロゴロと転がり悶絶しているサクラがいた。
私が席を立った隙に、ブラックコーヒーを飲んだようだ。
「言わんこっちゃない。匂いに釣られて、飲んでみたら苦かったんでしょう。好奇心旺盛なのは良い事だけど、人の忠告は聞かないと痛い目を見るからね」
私はサクラを摘まみ上げて、ソファーの上に置く。
割れた食器を片付け、床に零れたコーヒーを雑巾で拭いて新しいコーヒーを入れ直した。
テーブルの上も片付けて、サクラの前にココアが入ったカップを置く。
サクラは、恐々とした様子でココアに近付き臭いを嗅いだりして過ごしていたが、匂いに釣られて飲み始めるとパッと明るい表情をして嬉々としてココアを飲み干した。
カップを持ってお代わりを要求してくるので、ココアはお気に召したのだろう。
カフェインが効いてくるまで、短時間仮眠を取ってから容子を起こしに彼女の部屋に向かった。
原付バイクをタラタラ走らせ、自宅の近くのガソリンスタンドで満タンに入れて帰路に着く。
裏口から入って声を掛けると、
「ただいまー」
「お帰り。昼食出来てるよ」
と台所から容子が顔を出した。
テーブルの上には、豆腐サラダと親子丼、ワカメの味噌汁が並べてある。
欠伸を噛みしめながら席に着き、
「頂きます」
と言って、昼食にありついた。
「病院の先生は何て?」
「次回は、採血とレントゲンしましょうだって。診療代も馬鹿にならないしなぁ」
通院しなければ、腰痛が悪化する。
貯蓄も心もとないし、何とかしてお金を稼がねばなるまい。
「容子は、サイエスから売れそうなものを仕入れてきて。私は、フリマサイトやネットオークションで売り捌いてみる。それが軌道に乗れば、会社を興して仕事にしてしまえば良いし。蛇達の世話は、私がするから安心して稼いできてね!」
容子は、私が地球で社会復帰は出来ないと思っているようだ。
もう、サイエスで生きるしかないのか……。
鬱だ。
「ごめん、もう眠気がMAXなの。寝かせて。残りは、後で食べる」
頭をフラフラさせながら、自室のベッドにダイブ。
そのまま、夢の国へと旅立ったのだった。
惰眠を貪り、起きたら空が赤く染まっていた。
時刻を見ると壁時計の短針が4を指している。
時刻は、16時と少し回っていた。
ザックリ計算して4時間ほど寝ていたらしい。
「あぁ~、良く寝た。やっぱり自室で寝るのが一番だわ」
軽く背伸びをして、ベッドから降りる。
クローゼットの中をごそごそ物色し、寝間着から白シャツに黒のスウェットパンツに着替える。
枕元でプープー寝息を立てているサクラを起こし、肩に乗せて洗面場へ向かった。
水玉のヘアバンを頭に装着して、洗顔しようとした手が止まる。
こっちの世界でも魔法は、使えるのだろうか?
「氷の飛礫」
魔力を押さえて、洗面器に向かって魔法を放つ。
一口大の氷が、洗面器の中には山盛りになった氷の粒が出来上がった。
私は、それに水を足して氷水で顔を洗う。
一時的でも眠気を吹き飛ばすには、冷水で顔を洗うのが一番だ。
洗顔を終えて清掃を施し、オールインワンジェルを顔に塗ってからリビングに向かう。
サクラをテーブルの上に置いて、鏡の前で髪の毛をセットし、サイエスへ行く支度をしていたらメモ用紙が目に入った。
開けてみると、隣にある部屋のダンボール箱を全てアイテムボックスに収納する事と、目が覚めたら容子を起こす事と書かれている。
嫌な予感がして、指定された部屋を開けると、所狭しとダンボール箱が山積みになっている。
一体何を買ったんだ?
いや、それよりも箱の多さから見て幾ら使ったんだ?
弾が減ったから、その分の補充か?
などと疑問が、どんどん膨らんでくる。
色々と言いたいことが喉元まで込み上げてきたが、クールダウンだと自分に言い聞かせる。
アイテムボックスに収納すれば、自動で整理されるので後で目録を見れて確認すれば良いか。
片っ端からアイテムボックスに収納し、10分ほどで収納し終えたが疲れた。
二度寝したくなったが、ここで寝たら容子の怒りを買ってしまう。
私は、濃いめのコーヒーを入れて一息つくことにした。
コーヒーの臭いに目が覚めたのか、サクラがニュッと身体を伸ばしてカップに触ろうとしている。
「コーヒー、苦いからサクラの口には合わないと思うよ。ココア入れてあげるから、それで我慢しな」
席を立ちサクラ用にココアを入れていると、ガシャンと大きな音が聞こえてきた。
ココアが入ったカップを持ってリビングに戻ると、テーブルの上をゴロゴロと転がり悶絶しているサクラがいた。
私が席を立った隙に、ブラックコーヒーを飲んだようだ。
「言わんこっちゃない。匂いに釣られて、飲んでみたら苦かったんでしょう。好奇心旺盛なのは良い事だけど、人の忠告は聞かないと痛い目を見るからね」
私はサクラを摘まみ上げて、ソファーの上に置く。
割れた食器を片付け、床に零れたコーヒーを雑巾で拭いて新しいコーヒーを入れ直した。
テーブルの上も片付けて、サクラの前にココアが入ったカップを置く。
サクラは、恐々とした様子でココアに近付き臭いを嗅いだりして過ごしていたが、匂いに釣られて飲み始めるとパッと明るい表情をして嬉々としてココアを飲み干した。
カップを持ってお代わりを要求してくるので、ココアはお気に召したのだろう。
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