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ミズガルズ ー貿易都市ミストハレー
第18話 孤児院へ業務委託とRavim進出
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ユグドラシルにて約束の一週間!孤児院に行けば立派なお風呂場が建築されていた。
「ここが七五三姉ちゃんが言ってた孤児院かぁ…それにしても大きなお風呂場だね!」
興奮気味の一二三を放置して私はお風呂場に行く。空間魔法からお風呂を取り出し、後は商会の人に排水や注水の調整をして貰った。15人が一気に入れるぐらいのお風呂なので多めにリンス㏌シャンプーと牛乳石鹸を備え付ける。刻印魔法が施された蛇口に水と火の魔石を取り付けた。蛇口を捻ると適温のお湯が出たので、これでお風呂は設置完了となった。
「これでお風呂は完成だね。ロレンツォさん、商会の皆さんありがとうございました。これお礼です。」
空間魔法から業務用スーパーで購入したお酒20本セットをロレンツォと商会の人に手渡す。
「我が国特産の良いお酒ですから皆で飲んで下さい。ロレンツォさん、金額の支払いと新しく建築して貰う相談があるので明日お伺いしますね。」
「おう!店で待ってるからな。美味い酒をありがとよ。」
「ナゴミ様、私共に高級なお酒をありがとうございます。皆で味わいますね。」
ほくほくした表情でお酒を持って帰る彼等を見送って私は院長先生と話しをするべく応接室に向かった。
応接室では院長先生が満面の笑みで私達を迎えてくれた。
「院長先生、私の隣にいるのが妹の一二三です。一二三、こちらがハトホル孤児院の院長マリアヴェーチェさんよ。挨拶しなさい。」
「マリアヴェーチェさん、初めまして七五三の妹、一二三と申します。宜しくお願いします。」
「ご丁寧にありがとうございます。ハトホル孤児院の院長をしているマリアヴェーチェと申します。この度、私共に仕事を与えて下さる上、寄付をして頂き感謝にたえません。孤児院を代表してお二方にお礼申し上げます。」
院長先生のお辞儀に一二三もお辞儀を返した。
「先ずは子供達にお風呂に入って貰おうと思います。服や下着は沢山用意しましたので、お風呂で体を綺麗にした後、服を着替えて下さい。お風呂には今後店で出す洗髪剤と石鹸を無償で提供しますのでそれで綺麗にして下さい。」
「分かりました。あの、洗髪剤とは何でしょう?」
「髪を清潔に保ち、美髪効果のある魔法薬のことです。」
嘘ぴょーん、と心の中で笑いつつ真面目な表情をする。
「そのような高い物を良いのでしょうか?」
「衛生管理を徹底するためなので必要経費と割り切ってます。心配しないで下さい。でも決して洗髪剤や石鹸のことは他言無用でお願いします。職員の方も一緒にお風呂に入って下さい。一二三もシャンプーなどの使い方を教えるために一緒にお風呂に入ってね。」
お風呂の作法を教えるのを一二三に丸投げした。
「良いよー」
「分かりました。職員も一緒に入らせます。それでは皆を集めますね。」
私達は部屋が一番広い食堂に行き、院長先生より今から順番にお風呂に入るように案内して貰った。
バスタオルとボディタオルは人数分を空間魔法から取り出した。
予備は後で倉庫にでも置いておこう。
服も空間魔法から取り出し、好きな服を選んで貰う。ただ時間が掛かるので1組(6名)5分以内に選ばなければ、強制的に職員が選んだ服になると伝えるとサクっと自分の好みの服を選んでくれた。
因みに子供の人数は乳幼児合わせて合計で209名、大人の職員は22名である。
「大人の皆様にも新しい服は少ないですが用意してますので、サイズが合うのを選んで下さい。」
ユグドラシルでは日本人では大きいサイズが丁度良いサイズになるのでXXL以上を選んで持ってきている。
ハトホル孤児院には男性職員が居ないので大人の服は全部女性用だ。
職員達もこちらでは珍しいデザインの服を持って嬉しそうな表情をしている。
「お風呂は大人2人と子供13人で入って下さい。一二三、お風呂のことは任せた。私は家具を配置してくる。」
一二三にお風呂講座をして貰っている間に私は職員を一人捕まえて、家具を配置することにした。
以前ベットを撤去した場所には新しい二段ベット、三段ベットを置いて行く。勿論、布団も忘れずにセットする。古い布団や毛布は回収した。毛布については後日支給しよう。今は季節じゃないから大丈夫だろう。
「クローゼットはこの辺で良いですか?」
職員に置き場所を確認しつつ家具を配置していく。
「はい、お願いします。ナゴミ様、本当にありがとうございます。」
深々と頭を下げる職員さんに
「これからお世話になるのですからこれくらいは当然ですよ。」
先行投資というのは隠して笑顔で答える。
応接室のソファーや食堂で使っているテーブル、椅子に至っては全てパイプ椅子に変えた。
パイプ椅子を見て
「このような素晴らしい椅子を頂いて良いのかしら?」
恐れ多いとばかりの態度をする職員さんに
「お金は請求しませんので受け取って下さい。」
元手無料同然だからね。
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
お礼を紡ぐ職員さんを宥め昼食の用意をしようと誘った。
勿論、食材は空間魔法で眠っていたモンスターの肉とミストハレの朝市で購入した野菜達である。
業務用スーパーで購入した調味料と100均のパン酵母をフル活用し、オーク肉の肉団子スープにふわふわパン、アスパラマヨドレッシングが掛かったサラダだ。
お風呂から上がった子供達はご飯の匂いに釣られて調理室を覗きに来ていた。
全員がお風呂から上がる頃には昼食は出来上がり、年長組に配膳をして貰った。
「それでは両手を合わせて頂きます!」
私の合図に最初は?マークを浮かべていた彼等も私の真似をして
「「「頂きます!!」」」
大合唱する。
ご飯の最中どうして頂きますなの?という質問があったので語源を説明すると皆納得してくれたようだ。御馳走様の意味も教えておくと院長先生が感動してこれから挨拶を取り入れて行くとまでおっしゃっていた。
ご飯が終わると一人ひとりに制服とゴム手袋を渡し、契約を行っていく。
1つ、Ravimに関する情報を秘匿すること
2つ、横領をしないこと
3つ、転売しないこと
4つ、給与の半分は孤児院へ、もう半分は私有財産とすること
主にこの四つをメインに細々と契約を盛り込んで魔法契約書を作成した。
手書きだと時間が掛かるので自宅から取り寄せたノートパソコンと小型プリンターで本文を作成し、一二三お手製の誓約の刻印魔法を施したスタンプを利用して魔法契約書を作成したのだ。
ノートパソコンと小型プリンターに関しては魔道具として胡麻化したのは言うまでもない。
こうしてRavimユグドラシル孤児院工場が設立されたのだった。
「ここが七五三姉ちゃんが言ってた孤児院かぁ…それにしても大きなお風呂場だね!」
興奮気味の一二三を放置して私はお風呂場に行く。空間魔法からお風呂を取り出し、後は商会の人に排水や注水の調整をして貰った。15人が一気に入れるぐらいのお風呂なので多めにリンス㏌シャンプーと牛乳石鹸を備え付ける。刻印魔法が施された蛇口に水と火の魔石を取り付けた。蛇口を捻ると適温のお湯が出たので、これでお風呂は設置完了となった。
「これでお風呂は完成だね。ロレンツォさん、商会の皆さんありがとうございました。これお礼です。」
空間魔法から業務用スーパーで購入したお酒20本セットをロレンツォと商会の人に手渡す。
「我が国特産の良いお酒ですから皆で飲んで下さい。ロレンツォさん、金額の支払いと新しく建築して貰う相談があるので明日お伺いしますね。」
「おう!店で待ってるからな。美味い酒をありがとよ。」
「ナゴミ様、私共に高級なお酒をありがとうございます。皆で味わいますね。」
ほくほくした表情でお酒を持って帰る彼等を見送って私は院長先生と話しをするべく応接室に向かった。
応接室では院長先生が満面の笑みで私達を迎えてくれた。
「院長先生、私の隣にいるのが妹の一二三です。一二三、こちらがハトホル孤児院の院長マリアヴェーチェさんよ。挨拶しなさい。」
「マリアヴェーチェさん、初めまして七五三の妹、一二三と申します。宜しくお願いします。」
「ご丁寧にありがとうございます。ハトホル孤児院の院長をしているマリアヴェーチェと申します。この度、私共に仕事を与えて下さる上、寄付をして頂き感謝にたえません。孤児院を代表してお二方にお礼申し上げます。」
院長先生のお辞儀に一二三もお辞儀を返した。
「先ずは子供達にお風呂に入って貰おうと思います。服や下着は沢山用意しましたので、お風呂で体を綺麗にした後、服を着替えて下さい。お風呂には今後店で出す洗髪剤と石鹸を無償で提供しますのでそれで綺麗にして下さい。」
「分かりました。あの、洗髪剤とは何でしょう?」
「髪を清潔に保ち、美髪効果のある魔法薬のことです。」
嘘ぴょーん、と心の中で笑いつつ真面目な表情をする。
「そのような高い物を良いのでしょうか?」
「衛生管理を徹底するためなので必要経費と割り切ってます。心配しないで下さい。でも決して洗髪剤や石鹸のことは他言無用でお願いします。職員の方も一緒にお風呂に入って下さい。一二三もシャンプーなどの使い方を教えるために一緒にお風呂に入ってね。」
お風呂の作法を教えるのを一二三に丸投げした。
「良いよー」
「分かりました。職員も一緒に入らせます。それでは皆を集めますね。」
私達は部屋が一番広い食堂に行き、院長先生より今から順番にお風呂に入るように案内して貰った。
バスタオルとボディタオルは人数分を空間魔法から取り出した。
予備は後で倉庫にでも置いておこう。
服も空間魔法から取り出し、好きな服を選んで貰う。ただ時間が掛かるので1組(6名)5分以内に選ばなければ、強制的に職員が選んだ服になると伝えるとサクっと自分の好みの服を選んでくれた。
因みに子供の人数は乳幼児合わせて合計で209名、大人の職員は22名である。
「大人の皆様にも新しい服は少ないですが用意してますので、サイズが合うのを選んで下さい。」
ユグドラシルでは日本人では大きいサイズが丁度良いサイズになるのでXXL以上を選んで持ってきている。
ハトホル孤児院には男性職員が居ないので大人の服は全部女性用だ。
職員達もこちらでは珍しいデザインの服を持って嬉しそうな表情をしている。
「お風呂は大人2人と子供13人で入って下さい。一二三、お風呂のことは任せた。私は家具を配置してくる。」
一二三にお風呂講座をして貰っている間に私は職員を一人捕まえて、家具を配置することにした。
以前ベットを撤去した場所には新しい二段ベット、三段ベットを置いて行く。勿論、布団も忘れずにセットする。古い布団や毛布は回収した。毛布については後日支給しよう。今は季節じゃないから大丈夫だろう。
「クローゼットはこの辺で良いですか?」
職員に置き場所を確認しつつ家具を配置していく。
「はい、お願いします。ナゴミ様、本当にありがとうございます。」
深々と頭を下げる職員さんに
「これからお世話になるのですからこれくらいは当然ですよ。」
先行投資というのは隠して笑顔で答える。
応接室のソファーや食堂で使っているテーブル、椅子に至っては全てパイプ椅子に変えた。
パイプ椅子を見て
「このような素晴らしい椅子を頂いて良いのかしら?」
恐れ多いとばかりの態度をする職員さんに
「お金は請求しませんので受け取って下さい。」
元手無料同然だからね。
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
お礼を紡ぐ職員さんを宥め昼食の用意をしようと誘った。
勿論、食材は空間魔法で眠っていたモンスターの肉とミストハレの朝市で購入した野菜達である。
業務用スーパーで購入した調味料と100均のパン酵母をフル活用し、オーク肉の肉団子スープにふわふわパン、アスパラマヨドレッシングが掛かったサラダだ。
お風呂から上がった子供達はご飯の匂いに釣られて調理室を覗きに来ていた。
全員がお風呂から上がる頃には昼食は出来上がり、年長組に配膳をして貰った。
「それでは両手を合わせて頂きます!」
私の合図に最初は?マークを浮かべていた彼等も私の真似をして
「「「頂きます!!」」」
大合唱する。
ご飯の最中どうして頂きますなの?という質問があったので語源を説明すると皆納得してくれたようだ。御馳走様の意味も教えておくと院長先生が感動してこれから挨拶を取り入れて行くとまでおっしゃっていた。
ご飯が終わると一人ひとりに制服とゴム手袋を渡し、契約を行っていく。
1つ、Ravimに関する情報を秘匿すること
2つ、横領をしないこと
3つ、転売しないこと
4つ、給与の半分は孤児院へ、もう半分は私有財産とすること
主にこの四つをメインに細々と契約を盛り込んで魔法契約書を作成した。
手書きだと時間が掛かるので自宅から取り寄せたノートパソコンと小型プリンターで本文を作成し、一二三お手製の誓約の刻印魔法を施したスタンプを利用して魔法契約書を作成したのだ。
ノートパソコンと小型プリンターに関しては魔道具として胡麻化したのは言うまでもない。
こうしてRavimユグドラシル孤児院工場が設立されたのだった。
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