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序章:シエラ覚醒編
【第2話】 喧嘩祭り
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灼熱の太陽が背中を刺すように照りつける。
だが、街を出たシエラの足取りは、不思議と軽やかだった。怒りと悲しみを胸にしまい、過去を引きずるような旅から、少しずつ「自分の意志」で進む旅へと変わりつつあった。
そんな彼が選んだのは、小高い丘の上だった。
見晴らしの良いその場所からは、先ほど立ち寄った街が遠くに見える。風が吹き、草がそよぐ。深く息を吐き、空を仰ぐと、まるで星の加護を感じるようだった。
「……だいぶ歩いたな」
そう呟いた瞬間だった。
突然、頭の奥に直接響く声が流れ込んでくる。
――聞こえているかしら、シエラ?
「……うげっ。またかよ、リオン」
――ふふ、そんな反応をされるとは思ってたけど、やっぱりあなたは変わらないわね。
シエラは眉をひそめながら空を見上げる。だが、その目はどこか柔らかかった。彼にとってリオンは、導き手であり、数少ない「信じられる大人」だったからだ。
「で?今回はまた“秩序が乱れてる”って話か?それともさっさと来いって話か?」
――今回は少し違うの。すぐ近くの街に、“星の定め”を受け継ぐ者がいるらしいのだけれど……なぜだか私の念波が届かないのよ。
「また妙なこと言い出しやがって。普通、天星士に選ばれてんなら念波くらい感じ取れるだろ?」
――そう思うでしょ?でも本当に、まったく反応がないの。どうやらその人物、力は目覚めているのに“星”と繋がっていないみたいなのよ。
「……つまり、星の力に目覚めてはいるが、自覚もなく、しかもお前の言葉が届かねぇってことか。けっこう厄介じゃねぇか、それ」
――だからお願い。一度その街に行って、その人物を見つけてきて。何か理由があるはずなの。
「はぁ……また面倒事かよ。ったく、使徒ってのは便利屋か?」
小さく舌打ちをしながらも、シエラは立ち上がる。
旅の始まりは、いつだって予想外の場所から始まるものだ――そう心のどこかで分かっていたからだ。
目指す都市の名は【デイグルス】。
周辺の町を束ねる中心地として栄え、文化、交易、そして武によって支えられてきた都市国家だ。
小言をぼやきながら足を進めるシエラだったが、丘からも見えていたほどの大都市だったため、割と早く到着した。
「ここがあのデイグルス……噂には聞いてたがめちゃくちゃでけぇなこりゃ」
シエラが街の門をくぐると、まず感じたのは、「熱気」だった。町全体が浮足立っている。人の数も多いが、それ以上に空気が騒がしい。
道行く人々の口から出るのは、ほぼ一様に「祭り」「勝負」「コロッセウム」といった言葉。
「いらっしゃい!デイグルス限定の喧嘩焼きだよ!」
「腕自慢はいねぇーかー?」
石畳の広場に所狭しと並ぶ露店、客引きの声、そして喧嘩祭りの話題で持ちきりの住民たち――。
(なるほどな……今は喧嘩祭りの時期か)
小さい頃に一度聞いたことがある。デイグルスでは年に一度、武人たちが己の力を競い合う「喧嘩祭り」と言う催し物が開かれるそうだ。
ルールは至ってシンプル。素手で殴り合い、最後まで立っていた者が勝ちという単純明快なもの。
「今日のメインカードは“獅子王”だってさ。負けるわけないって、そりゃもう賭けになんねぇよ!」
「お前、去年もそう言って散々だったろ!俺はあの“幸運の男”に賭けるぜ。なんでも対峙した相手が謎の体調不良で倒れるんだってよ」
「それ毒でも盛ってんじゃね?」
人々の会話に耳を傾けながら、シエラは雑踏をかき分けるように進んだ。
「……ま、こういう喧噪も嫌いじゃねぇけどな」
道端では即席の格闘披露が行われており、子供たちが真似してシャドーボクシングをしていた。
その一人に軽くぶつかられ、「す、すみません!」と謝られると、シエラは肩をすくめて笑った。
「はは、気にすんな。元気があっていいじゃねぇか」
少年の親が走り寄ってきて、「すいません旅のお方、いま街はお祭り一色でしてね」と苦笑いした。
「いや、こっちこそ騒がしくて助かる。……喧嘩祭りってのは、そんなに盛り上がるもんなのか?」
「ええ、年に一度の大イベントですよ。今年はとりわけ熱くて……なんと、あの“獅子王”が連覇をかけて出場するんです」
「……“獅子王”ね」
シエラは心のどこかにひっかかるような感覚を抱きながら、礼を言ってその場を離れた。
「……星の使徒ってのは、そんなとこで殴り合ってたりするもんなのかねぇ……」
皮肉っぽく言いながらも、シエラは街の中心部巨大な円形闘技場【デイグルス・コロッセウム】へと足を向けた。
コロッセウムに近づくにつれ、熱気はさらに増す。
やがて、石造りの巨大建造物の威容が視界に飛び込んできた。
場外はすでに熱気に包まれ、入場ゲート前では太鼓とホラ貝のような鳴り物が鳴り響いている。
入口には長蛇の列、場内からは地響きのような歓声が響いていた。無骨な男たちが次々と会場へ入っていく中、シエラの目を引く一人の男がいた。
周囲の視線を一身に集めるその男――まるで生ける猛獣のような雰囲気を纏っていた。
鋼のように鍛えられた体。
風にたなびく長い赤髪。
その瞳は、まさしく獅子の如き王者の眼差し。
「おお……あれが“獅子王”か?」
そんなことを考えていると人の流れに飲まれ、あれよあれよと言う間にコロッセウムの中へと吸い込まれていった。
会場に入るとけたたましいほどの歓声と熱い場内アナウンスが響いていた。
「お待たせしました!年に一度の熱き死闘、デイグルス・喧嘩祭り!」
「さあ皆さん、本日も拳で語る男たちの物語が始まります! まずはこの男、連撃のラウル!」
「続いて!爆腕のクレン!」
「そして今年も参戦した幸運の男!ダークホース、ギル!」
ひときわ大きな扉が開き、筋骨隆々の格闘家が雄叫びを上げながら次々に入場する。観客席がどよめき、熱狂が渦巻く。
続々と選手が入場して来る中、最後のアナウンスが場内に響き渡った。
「そして最後にして最強――! 無敗の男、今宵も王座を守るか!? “獅子王”ラキエ・ププア!」
その瞬間、場内が爆発した。
観客が総立ちになり、扉が開かれた瞬間、まるで戦場の風が吹き抜けたかのような錯覚すら起こる。
現れたのは、真紅の髪をなびかせる屈強な男――全身から滲み出る覇王の風格が、空気を震わせる。
「今年も優勝して連覇なるか!?」
「何度見ても、あの圧倒的な覇気はヤバすぎるって!」
観客の歓声に応えることもなく、ラキエはゆっくりと闘技場へと歩いていった。
(……あいつだな)
その瞬間、シエラの直感が告げた。
星の力。定め。天命。
言葉にするまでもなく、何かが“繋がっている”のを感じた。
「……なるほど、名前負けはしてねぇな」
シエラはその姿に目を細めた。星の加護すら感じさせる男。
が、初対面のはずなのにそこにはどことなく既視感があった。
(……この感じどこかで)
何かが始まる――そんな確信が、胸を刺した。
(お前が、“星の定め”を継ぐ者か?)
風が、砂を巻き上げる。
熱き戦いの火蓋が今切られようとしていた。
だが、街を出たシエラの足取りは、不思議と軽やかだった。怒りと悲しみを胸にしまい、過去を引きずるような旅から、少しずつ「自分の意志」で進む旅へと変わりつつあった。
そんな彼が選んだのは、小高い丘の上だった。
見晴らしの良いその場所からは、先ほど立ち寄った街が遠くに見える。風が吹き、草がそよぐ。深く息を吐き、空を仰ぐと、まるで星の加護を感じるようだった。
「……だいぶ歩いたな」
そう呟いた瞬間だった。
突然、頭の奥に直接響く声が流れ込んでくる。
――聞こえているかしら、シエラ?
「……うげっ。またかよ、リオン」
――ふふ、そんな反応をされるとは思ってたけど、やっぱりあなたは変わらないわね。
シエラは眉をひそめながら空を見上げる。だが、その目はどこか柔らかかった。彼にとってリオンは、導き手であり、数少ない「信じられる大人」だったからだ。
「で?今回はまた“秩序が乱れてる”って話か?それともさっさと来いって話か?」
――今回は少し違うの。すぐ近くの街に、“星の定め”を受け継ぐ者がいるらしいのだけれど……なぜだか私の念波が届かないのよ。
「また妙なこと言い出しやがって。普通、天星士に選ばれてんなら念波くらい感じ取れるだろ?」
――そう思うでしょ?でも本当に、まったく反応がないの。どうやらその人物、力は目覚めているのに“星”と繋がっていないみたいなのよ。
「……つまり、星の力に目覚めてはいるが、自覚もなく、しかもお前の言葉が届かねぇってことか。けっこう厄介じゃねぇか、それ」
――だからお願い。一度その街に行って、その人物を見つけてきて。何か理由があるはずなの。
「はぁ……また面倒事かよ。ったく、使徒ってのは便利屋か?」
小さく舌打ちをしながらも、シエラは立ち上がる。
旅の始まりは、いつだって予想外の場所から始まるものだ――そう心のどこかで分かっていたからだ。
目指す都市の名は【デイグルス】。
周辺の町を束ねる中心地として栄え、文化、交易、そして武によって支えられてきた都市国家だ。
小言をぼやきながら足を進めるシエラだったが、丘からも見えていたほどの大都市だったため、割と早く到着した。
「ここがあのデイグルス……噂には聞いてたがめちゃくちゃでけぇなこりゃ」
シエラが街の門をくぐると、まず感じたのは、「熱気」だった。町全体が浮足立っている。人の数も多いが、それ以上に空気が騒がしい。
道行く人々の口から出るのは、ほぼ一様に「祭り」「勝負」「コロッセウム」といった言葉。
「いらっしゃい!デイグルス限定の喧嘩焼きだよ!」
「腕自慢はいねぇーかー?」
石畳の広場に所狭しと並ぶ露店、客引きの声、そして喧嘩祭りの話題で持ちきりの住民たち――。
(なるほどな……今は喧嘩祭りの時期か)
小さい頃に一度聞いたことがある。デイグルスでは年に一度、武人たちが己の力を競い合う「喧嘩祭り」と言う催し物が開かれるそうだ。
ルールは至ってシンプル。素手で殴り合い、最後まで立っていた者が勝ちという単純明快なもの。
「今日のメインカードは“獅子王”だってさ。負けるわけないって、そりゃもう賭けになんねぇよ!」
「お前、去年もそう言って散々だったろ!俺はあの“幸運の男”に賭けるぜ。なんでも対峙した相手が謎の体調不良で倒れるんだってよ」
「それ毒でも盛ってんじゃね?」
人々の会話に耳を傾けながら、シエラは雑踏をかき分けるように進んだ。
「……ま、こういう喧噪も嫌いじゃねぇけどな」
道端では即席の格闘披露が行われており、子供たちが真似してシャドーボクシングをしていた。
その一人に軽くぶつかられ、「す、すみません!」と謝られると、シエラは肩をすくめて笑った。
「はは、気にすんな。元気があっていいじゃねぇか」
少年の親が走り寄ってきて、「すいません旅のお方、いま街はお祭り一色でしてね」と苦笑いした。
「いや、こっちこそ騒がしくて助かる。……喧嘩祭りってのは、そんなに盛り上がるもんなのか?」
「ええ、年に一度の大イベントですよ。今年はとりわけ熱くて……なんと、あの“獅子王”が連覇をかけて出場するんです」
「……“獅子王”ね」
シエラは心のどこかにひっかかるような感覚を抱きながら、礼を言ってその場を離れた。
「……星の使徒ってのは、そんなとこで殴り合ってたりするもんなのかねぇ……」
皮肉っぽく言いながらも、シエラは街の中心部巨大な円形闘技場【デイグルス・コロッセウム】へと足を向けた。
コロッセウムに近づくにつれ、熱気はさらに増す。
やがて、石造りの巨大建造物の威容が視界に飛び込んできた。
場外はすでに熱気に包まれ、入場ゲート前では太鼓とホラ貝のような鳴り物が鳴り響いている。
入口には長蛇の列、場内からは地響きのような歓声が響いていた。無骨な男たちが次々と会場へ入っていく中、シエラの目を引く一人の男がいた。
周囲の視線を一身に集めるその男――まるで生ける猛獣のような雰囲気を纏っていた。
鋼のように鍛えられた体。
風にたなびく長い赤髪。
その瞳は、まさしく獅子の如き王者の眼差し。
「おお……あれが“獅子王”か?」
そんなことを考えていると人の流れに飲まれ、あれよあれよと言う間にコロッセウムの中へと吸い込まれていった。
会場に入るとけたたましいほどの歓声と熱い場内アナウンスが響いていた。
「お待たせしました!年に一度の熱き死闘、デイグルス・喧嘩祭り!」
「さあ皆さん、本日も拳で語る男たちの物語が始まります! まずはこの男、連撃のラウル!」
「続いて!爆腕のクレン!」
「そして今年も参戦した幸運の男!ダークホース、ギル!」
ひときわ大きな扉が開き、筋骨隆々の格闘家が雄叫びを上げながら次々に入場する。観客席がどよめき、熱狂が渦巻く。
続々と選手が入場して来る中、最後のアナウンスが場内に響き渡った。
「そして最後にして最強――! 無敗の男、今宵も王座を守るか!? “獅子王”ラキエ・ププア!」
その瞬間、場内が爆発した。
観客が総立ちになり、扉が開かれた瞬間、まるで戦場の風が吹き抜けたかのような錯覚すら起こる。
現れたのは、真紅の髪をなびかせる屈強な男――全身から滲み出る覇王の風格が、空気を震わせる。
「今年も優勝して連覇なるか!?」
「何度見ても、あの圧倒的な覇気はヤバすぎるって!」
観客の歓声に応えることもなく、ラキエはゆっくりと闘技場へと歩いていった。
(……あいつだな)
その瞬間、シエラの直感が告げた。
星の力。定め。天命。
言葉にするまでもなく、何かが“繋がっている”のを感じた。
「……なるほど、名前負けはしてねぇな」
シエラはその姿に目を細めた。星の加護すら感じさせる男。
が、初対面のはずなのにそこにはどことなく既視感があった。
(……この感じどこかで)
何かが始まる――そんな確信が、胸を刺した。
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熱き戦いの火蓋が今切られようとしていた。
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