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第3章
66 戦士(1)
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私に帰る場所はない。
実家に戻れば、今、少しずつ生活に慣れているサーシャの教育によくない。
王宮に戻っても、私を心配している人もいなくなった。
レインは、私をもう愛していないように思える。
以前に比べて、レインの温もりを感じられない。
以前なら、私がどこにいても探し出してくれたのに、今は赤い糸がどこかで、切れてしまったのね。
私は自分の手を見る。
指先には瞳と同じ色の宝石がある。
糸はどの指に繋がっていたのだろう。
一般的に物語に出てくる赤い糸のお話は、左の小指に結ばれているという。
約束するときに、小指を絡める。
小指を絡めたときに、糸が紡がれる。
縦に横に編まれていて、そうして、愛の結晶の赤ちゃんを受け止める布になるのだ。
私の赤い糸はささくれて、今にも切れそうだ。
しかも、もう片方の糸はもっとささくれている。
脆くささくれた糸で紡がれた布で、赤ちゃんを包む布は、編み上がらない。
私は髪を隠していたストールを外した。
髪留めに、引っかかったストールから糸が出てしまった。
まるで、私の指の糸が出てきてしまったようだ。
公園のベンチに座り、ストールを畳んで、鞄に片付ける。
空を見上げれば、思ったほど星が出ていなかった。辺境区の夜空は綺麗だったと、今更思った。
長い私の髪が、夜空の中で光を放つ。
とても綺麗な色ね。
私は髪を隠すのを止めた。
鞄の中にナイフが一つ入っている。
自衛と看護師の緊急時に使う物だ。
私は、このナイフで人を斬った事がある。
背中に刀傷を受けたときに、盗賊と戦った。
リリーも戦ったのね。
赤ちゃんは誰との子だったのだろう。
きちんと愛し合ったのだろうか?
それとも、襲われたのだろうか?
リリーには秘密が多いのだ。
私は自分の下腹部に触れる。ここにいるのかしら?
身体の異変は感じている。
ごめんねと下腹部を撫でる。
私は盗賊を許せない。
大切なリリーは、昏睡状態で目を覚まさないかもしれないと言われた。
リリーは私の王子様だった。
人付き合いの苦手な、わたしの元にレインを連れてきてくれた。
お兄様も、ブルーリングス王国の再建の為に、私とレインが結ばれるのが一番だと言われた。
でも、レインとは、何日、会っていないだろう。
お話もずっとしていない。
ヴィオレ王女は、そんなに魅力的だったのね。
私を想ってくれない人は、もういらない。
貴方にあげるわ。
残暑が残る夏の終わりに、涼しい風が吹いた。
私を誘拐しなさい。
殺してもいいわ。でも、私が死ぬときは、貴方も連れて行くわ。
リリーの敵よ。
容赦はしない。
私はベンチから立ち上がった。
長い髪が、風に揺れる。
私は姫ではなく、今から戦士になる。
早くかかってきなさい。
私は白銀の髪をたなびかせ、公園の広場を歩く。
実家に戻れば、今、少しずつ生活に慣れているサーシャの教育によくない。
王宮に戻っても、私を心配している人もいなくなった。
レインは、私をもう愛していないように思える。
以前に比べて、レインの温もりを感じられない。
以前なら、私がどこにいても探し出してくれたのに、今は赤い糸がどこかで、切れてしまったのね。
私は自分の手を見る。
指先には瞳と同じ色の宝石がある。
糸はどの指に繋がっていたのだろう。
一般的に物語に出てくる赤い糸のお話は、左の小指に結ばれているという。
約束するときに、小指を絡める。
小指を絡めたときに、糸が紡がれる。
縦に横に編まれていて、そうして、愛の結晶の赤ちゃんを受け止める布になるのだ。
私の赤い糸はささくれて、今にも切れそうだ。
しかも、もう片方の糸はもっとささくれている。
脆くささくれた糸で紡がれた布で、赤ちゃんを包む布は、編み上がらない。
私は髪を隠していたストールを外した。
髪留めに、引っかかったストールから糸が出てしまった。
まるで、私の指の糸が出てきてしまったようだ。
公園のベンチに座り、ストールを畳んで、鞄に片付ける。
空を見上げれば、思ったほど星が出ていなかった。辺境区の夜空は綺麗だったと、今更思った。
長い私の髪が、夜空の中で光を放つ。
とても綺麗な色ね。
私は髪を隠すのを止めた。
鞄の中にナイフが一つ入っている。
自衛と看護師の緊急時に使う物だ。
私は、このナイフで人を斬った事がある。
背中に刀傷を受けたときに、盗賊と戦った。
リリーも戦ったのね。
赤ちゃんは誰との子だったのだろう。
きちんと愛し合ったのだろうか?
それとも、襲われたのだろうか?
リリーには秘密が多いのだ。
私は自分の下腹部に触れる。ここにいるのかしら?
身体の異変は感じている。
ごめんねと下腹部を撫でる。
私は盗賊を許せない。
大切なリリーは、昏睡状態で目を覚まさないかもしれないと言われた。
リリーは私の王子様だった。
人付き合いの苦手な、わたしの元にレインを連れてきてくれた。
お兄様も、ブルーリングス王国の再建の為に、私とレインが結ばれるのが一番だと言われた。
でも、レインとは、何日、会っていないだろう。
お話もずっとしていない。
ヴィオレ王女は、そんなに魅力的だったのね。
私を想ってくれない人は、もういらない。
貴方にあげるわ。
残暑が残る夏の終わりに、涼しい風が吹いた。
私を誘拐しなさい。
殺してもいいわ。でも、私が死ぬときは、貴方も連れて行くわ。
リリーの敵よ。
容赦はしない。
私はベンチから立ち上がった。
長い髪が、風に揺れる。
私は姫ではなく、今から戦士になる。
早くかかってきなさい。
私は白銀の髪をたなびかせ、公園の広場を歩く。
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