転生したら聖女でした。聖女として生きてきます

綾月百花   

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1   聖女の証

6   妹の裏切り(6)

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 プリュームは王宮に居座っているが、イグレシア王子と上手くいかない。
 イグレシア王子の初めてを、無理矢理奪ったことがショックだったのか、あれ以来、プリュームを寄せ付けない。初めてを捧げたのはプリュームも同じだが、イグレシア王子は犯されたようなものだ。実際、犯すつもりで迫ったのだから間違いではない。
 イグレシア王子は、まだアリエーテの事を想い、裏切ってしまったことを悔やんでいる。悔やんでいるが、処女を犯した自分の罪も持っていて、プリュームをベッドで事に及んで、ベッドシーツを赤く染めた事は否定できず、結婚話だけが進んでいく。

 プリュームは部屋を与えられ、侍女も付けられたが、イグレシア王子とは会えていない。
 結ばれれば上手くいくと思っていたプリュームは、計算違いをしたのかと思い始めた。
 イグレシア王子に、まず心を開いてもらわなくては、このまま結婚しても家庭内別居だ。話もしてもらえず、抱き合うこともできない。
 何のためにアリエーテから奪ったのかも分からない。
 静かに部屋から出て、イグレシア王子の部屋に向かうと、ノックをしたが何の反応もない。扉を回して引いてみるが、鍵がかけられているようだ。

「イグレシア王子様、いらっしゃいますか?」

 声をかけてみるが、返事はない。
 昼に訪ねても、夜に訪ねても、扉は開かず返事もない。

「はぁ」

 ……これは失敗したかもしれない。
 イグレシア王子に避けられている。
 朝食の時間にダイニングに訪ねても、国王様と王妃様はいるが、イグレシア王子とは出会わない。
 結婚の話は決まったが、まだ日にちは決められていない。
 国王陛下は、「まずは婚約式からだ」とおっしゃった。
 国王陛下と王妃様は二人が結ばれた事は知っているが、それ以上の事は何も言わない。

「退屈だわ」

 王宮に居座っているのは、自分の意思だ。国王陛下と王妃様は許しているが、「ここにいなさい」と言われていない。イグレシア王子とはあれ以来、会ってもいないし、言葉を交わしていない。
 もっと簡単に奪えると思っていたのに、人の心は難しい。
 この王宮から立ち去ったら、負けのような気がして、プリュームは居座り続けている。



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