3 / 20
腹ペコアーケード
しおりを挟む
夏休高校のアポイントメントまでの時間はまだ有る為
何処かで食事でもしようと思った穴口。
「飲食店がねぇ・・・気の利いた喫茶店やらラーメン屋は無いのか?」
探していてもアーケードには飲食店は無い。
じゃあ肉屋でコロッケやメンチカツでも、 と思ったが
「ねぇの? コロッケ?」
「無いねーごめんねー」
恰幅の良い中年女性がにこやかに答える。
「じゃあ何か飯食えるところ無いですか?」
「アーケード戻ってちょっと歩くとコンビニが有るよ」
「コンビニぃ? 折角ここまで来たのに・・・」
「仕事で来たのかい?」
「まぁね・・・」
穴口が商品を見る。
ここも他の店と同じく割引している。
「割引の店を見たけど、 祭りか何か?」
「いやいや、 ちょっと良い事が有ったから商店街の皆でお祝いしてるのさ」
「良い事?」
「厄介事が片付いたんだよ」
「?」
少し首を傾げる穴口。
「うん? 店にフライヤーが有るじゃないか」
穴口が指摘する。
「今はやって無いのよぉ、 まぁ今度からまた始めるかもしれないけど・・・
おにぎりだったらあるけど食べる?」
「そこまでは良い、 会ったら直ぐに飯食いに行くわ」
「会う? デートかい?」
「仕事だよ、 ちょっと会わないといけないんだ」
「そう、 お気をつけてね」
「あぁ」
穴口は去っていった。
「この商店街、 飲食店は無いけど八百屋とか魚屋とかあるんだよなぁ」
歩きながら見渡す穴口。
良くある歩道に商品が出るなんて事は無い様で歩き易い。
飲食店は無いが塗装屋や電器屋、 楽器屋、 個人運営の病院も幾つかあった。
「せめて喫茶店でも作っておけよ・・・」
そんな事を言いながら歩いているとアーケードを出た。
そこから5,6分の距離に夏休高校は有った。
立派な校舎である。
大きいスーパーマーケット位は有るだろうか?
校門で警備員に事情を話して校舎に入れて貰った。
校舎内は廊下にまでクーラーが効いておりとても静かだった。
「夏期講習とか無いんですか?」
「え?」
警備員に尋ねる穴口。
「とても静かなので」
「あぁ、 校舎内は殆ど防音何ですよ
外の五月蠅さから守る為に」
「そうですか・・・」
よく見ると窓は内側から開かない様になっている。
穴口は唯の高校では無いなと感じ始めた。
この様は寧ろ監獄か? 思えば外で鳴いていたセミの声も聞こえない。
恐らくこの校舎全体が防音なのか?
背筋の冷たさはクーラーの冷たさでは無いだろう。
そして穴口は校長室に通されたのだった。
「どうも校長の宗川です」
禿げ頭の校長は穴口に頭を下げた。
何処かで食事でもしようと思った穴口。
「飲食店がねぇ・・・気の利いた喫茶店やらラーメン屋は無いのか?」
探していてもアーケードには飲食店は無い。
じゃあ肉屋でコロッケやメンチカツでも、 と思ったが
「ねぇの? コロッケ?」
「無いねーごめんねー」
恰幅の良い中年女性がにこやかに答える。
「じゃあ何か飯食えるところ無いですか?」
「アーケード戻ってちょっと歩くとコンビニが有るよ」
「コンビニぃ? 折角ここまで来たのに・・・」
「仕事で来たのかい?」
「まぁね・・・」
穴口が商品を見る。
ここも他の店と同じく割引している。
「割引の店を見たけど、 祭りか何か?」
「いやいや、 ちょっと良い事が有ったから商店街の皆でお祝いしてるのさ」
「良い事?」
「厄介事が片付いたんだよ」
「?」
少し首を傾げる穴口。
「うん? 店にフライヤーが有るじゃないか」
穴口が指摘する。
「今はやって無いのよぉ、 まぁ今度からまた始めるかもしれないけど・・・
おにぎりだったらあるけど食べる?」
「そこまでは良い、 会ったら直ぐに飯食いに行くわ」
「会う? デートかい?」
「仕事だよ、 ちょっと会わないといけないんだ」
「そう、 お気をつけてね」
「あぁ」
穴口は去っていった。
「この商店街、 飲食店は無いけど八百屋とか魚屋とかあるんだよなぁ」
歩きながら見渡す穴口。
良くある歩道に商品が出るなんて事は無い様で歩き易い。
飲食店は無いが塗装屋や電器屋、 楽器屋、 個人運営の病院も幾つかあった。
「せめて喫茶店でも作っておけよ・・・」
そんな事を言いながら歩いているとアーケードを出た。
そこから5,6分の距離に夏休高校は有った。
立派な校舎である。
大きいスーパーマーケット位は有るだろうか?
校門で警備員に事情を話して校舎に入れて貰った。
校舎内は廊下にまでクーラーが効いておりとても静かだった。
「夏期講習とか無いんですか?」
「え?」
警備員に尋ねる穴口。
「とても静かなので」
「あぁ、 校舎内は殆ど防音何ですよ
外の五月蠅さから守る為に」
「そうですか・・・」
よく見ると窓は内側から開かない様になっている。
穴口は唯の高校では無いなと感じ始めた。
この様は寧ろ監獄か? 思えば外で鳴いていたセミの声も聞こえない。
恐らくこの校舎全体が防音なのか?
背筋の冷たさはクーラーの冷たさでは無いだろう。
そして穴口は校長室に通されたのだった。
「どうも校長の宗川です」
禿げ頭の校長は穴口に頭を下げた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
M性に目覚めた若かりしころの思い出
kazu106
青春
わたし自身が生涯の性癖として持ち合わせるM性について、それをはじめて自覚した中学時代の体験になります。歳を重ねた者の、人生の回顧録のひとつとして、読んでいただけましたら幸いです。
一部、フィクションも交えながら、述べさせていただいてます。フィクション/ノンフィクションの境界は、読んでくださった方の想像におまかせいたします。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
