【短期連載】穴口探偵の事件簿:消えた不良のボンボン

Mr.後困る

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パフェの前と後ろで

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穴口は探偵と言う稼業をしている。
その為、 あまり顔を割れない様に目立たないように暮らしている。
馴染みの店を作らない様に店に行くとしても2,3回程度
買い物に行く店もあまり固定していない。

「ぜっー・・・・・ぜっー・・・・・」

それ故にスーパーのタイムセールなんて久々だった。

「アンタ、 まだ若いのにだらしないわねぇ」

おばさんがにこにこと笑う。
穴口はおばさんのタイムセールに協力して大量の買い物に協力し
今は喫茶店で休憩中である。
おばさんの方が年上だろうに彼女はまるでフードファイターの如く
パフェやらなにやらを次々と注文していった。



「・・・・・フードファイターでもそんなに喰わねぇだろ」
「ふっ、 若い時には体型に気を使って食べられなかったからね」
「若くても喰えるかそんな量」
「ここのパフェ結構おいしいわよ? これ位はペロリよ」
「常軌を逸している・・・」
「主婦の生活にはこれ位のカロリーが必要なのよ」
「マジか、 主婦スゲーな」

談笑している二人。

「所で」
「はいはい情報ね、 情報通のおばさんの情報網を舐めるんじゃないわよ」

色々無駄話が途中で挟まるので要点を解説すると以下の通りである。

・ボンボンこと小学は如何やら死んだらしい、 少なくとも原木はそう思っていた。
・原木への嫌がらせが4,5日前から始まった。
・原木は最近目に見えて憔悴していて、 3日前から一切部屋から出て来なかった。
・原木の家族は父親のみ、 多分会社員で家に帰って来ない日も多い。

「3日前から出ていないというのは?」
「新聞よ、 新聞配達やっている知り合いから3日前から
新聞受けの新聞が取られて無いって」
「つまり3日前に死んだ?」
「うーん、 如何だろう、 そこまでは分からない・・・」
「3日前を調べる必要が有るかもしれませんね、 ご協力ありがとうございました」
「ございました、 じゃないわよ」
「はい?」

首を傾げる穴口。

「荷物、 家まで持って帰ってくれないと」
「勘弁してくれぇ、 ここ支払いするから許してぇ」
「あら支払いしてくれるの? じゃあここまでで良いわ」

画してパフェやらなにやらで1万円を使うのだった。

「マジかよぉ・・・畜生めぇ・・・」

とぼとぼと歩いていた穴口。

「すみません、 穴口さんですよね?」
「うん?」

穴口が振り返ると警官が立っていた。

「アンタは・・・確か駐在の・・・」
「えぇ、 そうですね、 少々御話が有るので御同行お願いしますか?」
「御話?」
「自転車の件について・・・」
「自転車、 あぁ自転車、 無くなって困ってた所だ、 是非とも連れて行ってください」
「はい」

パトカーで警察署に向かう穴口だった。
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