護星装甲スターブレイバーVS銀河超人コスモマン

マット岸田

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第一章 双星(小型浸透怪獣ギラル 突撃衝角怪獣ザンダ 近接火砲怪獣ガンガル 登場)

融合~あるいは子どもっぽいとは思いつつ結局男は自分の中の9歳児をいつまで経っても殺せない物だ~

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 自分は死んだはずだった。
 もう光を感じる眼も音を聞く耳もそれらの情報を受け止める脳も原型を留めていないだろう。
 そのはずなのに、和樹の目の前に眩しい光が広がった。
 自然と眼を開ける動作をする。いや、自分の体の感覚は曖昧で、本当に眼を開いたかどうかは定かではない。
 そこには奇妙な空間が広がっていた。
 宇宙空間のような暗闇。しかし無数の星のような物が常に高速で同じ方向に流れ続けて尾を引いている。
 上下左右の間隔は無く、距離感すら分からない。
 そしてその空間の中に、霞がかった人間のような、曖昧な光のかたまりのような何かがいた。

『私の声が聞こえているか、天藤翔』

 直接頭の中に呼び掛けるような声がする。少し聞き取りにくい、響くような声だ。

(あなたは誰だ?)

 言葉になっているのかどうかは分からないが、和樹はそう答えようとした。

『私は他の銀河からやって来た宇宙連邦政府所属のエージェント、コスモマン』

(は?)

 思わず相手に聞こえているかどうかも考えず素で返答してしまった。

(他の銀河からやって来た宇宙連邦政府所属のエージェント……?)

 そんなベタベタの特撮ヒーローじみた存在はゲームには出て来なかったはずだ。

『そうだ。私は君達の言葉で言えば宇宙人と言う事になる』

(いや待てちょっと待て)

 ここまでも散々に和樹が知っているゲーム展開とは違う展開になって来たが、いくら何でもこれはぶっ飛び過ぎだ。
 最早出るゲームを間違えているとしか思えない。あるいはこの世界は護星装甲スターブレイバーの世界ではなく、別のクロスオーバー作品の世界だったのか。
 しかしコスモマンなどと言うヒーローは和樹が元いた世界でも名前すら聞いた事が無い。

『この星は凶悪な異星人に狙われている。あの怪獣達はその手先だ。そして私は彼らからこの星を守るためにやって来た』

 コスモマンを名乗った相手は和樹の混乱など一切気に留めない様子で勝手に話を進めていく。

『だが、私は母星から遠く離れたこの星では一度にわずかな時間しか活動する事が出来ない。そこで先程あの怪獣を相手に素晴らしい勇気を見せた君に協力して欲しいんだ』

(協力、と言われても俺はもう死んでるみたいなんだけど……)

『ああ。だからこの星を侵略者達から守るために私に君の体を貸して欲しい。その代わりに君に私の命を上げよう。そして私と共に戦ってくれ』

(……)

 土曜の夕方かよ。
 何と言うかあまりにテンプレと言うか予想通りの誘いだった。
 テンプレ過ぎて和樹に理性に反して思わず口がにやけてしまいそうだった。今の自分に口が残っているのかどうか分からないが。
 突っ込みたい事は山ほどあるが、実際に死んでしまっている以上他に選択肢がある訳ではない。
 ここで断ればそのまま死ぬだけだろう。

(……分かった。僕もこのまま死ぬ訳には行かない。もしあなたがあの怪獣達を倒せると言うのなら出来る限りの事はしよう)

 思考を天藤翔に切り替えると和樹はそう答えた。

『さすがは私が見込んだ地球人だ。そう答えてくれると思っていた』

(だけど、一つだけいいかな)

『何だろう?』

(本当の俺は、そんなアンタが思ってるほど立派な人間じゃないかもしれないぜ)

 そう言ったのは、何かの反発心か、そうでなければひがみのような物だったのかも知れない。
 ここまでで西尾和樹と言う人間が置かれた状況がどこか滑稽で浮ついた物のように思えてしまい、ついそれを口に出さざるを得なかった。
 だがその和樹の言葉に、目の前のコスモマンは奇妙な笑い声を上げた。

『いや……君は私と融合するに相応しい人間だよ、天藤翔。そして西尾和樹』

(え……?)

 俺がこことは違う世界から来た事を知っているのか。
 和樹がそう問い返そうとした時、和樹の中に何かが流れ込んで来た。
 それは凄まじいエネルギーであり、生命力であり、和樹とは別の存在の意思だった。
 焼けるような熱さでありながら、どこか心が和むような、ほっとするようなその感覚を覚えながら、同時に和樹は自分が再び意識を現実へと引き戻すのを感じていた。
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