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処刑台でわめきちらすエラハエベケ

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 剣と魔法の国。
 アルファポリス王国。
 首都のオメガ市。

 首都の中央にある罪人の処刑台で男がわめいている。
 男の名前はエラハエベケ。
 三十五才。
 独身。

「おい、みんな聞け、この国はおかしいぞ。なんで、この国に入国して、わずか三十分後に死刑になるんだよ。女の尻を見たくらいだぞ。そんだけだぞ。そしたら、手紙を渡されたんだ、お前は死刑だってな。理由がわからないんだ、わけのわからないことが書いてあるだけでさ。実は隣のニラエ国で痴漢したんだ。しかし、校正、じゃなくて更生期間があって、それをクリアしたら釈放されたんだ。けど、何だよ、この国は! 即行で死刑なんてありうるのかよ、ふざけんな!」

 処刑台の上で暴れるエラハエベケ。
 しかし、死刑執行人に取り押さえられる。

 首に縄をかけられるエラハエベケ。

「おい、みんな注意しろ! いつ、お前らが処刑されるか、わからないぞ。死刑の理由がよくわからないんだから、狂ってるぞ、この国は!」

 その言葉を最後にエラハエベケは処刑台で吊るされた。

〔END〕
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