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人妻の名和志穂は手枷を付けられる

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 昼。

 リビングルームのソファで名和志穂は一人で座っている。
 両手首には黒い手枷。
 左右の手首を繋げてある。

 通販で手枷を買った。
 おもちゃだけど。

 力の弱い志穂でも簡単に引きちぎれる。

 志穂の格好はノースリーブの白いシルクのミニワンピース。
 薄くて下着が見えそうだけど、清楚な感じもする。
 これなら外出も可能ね。

 けど、その清楚な格好に手枷を付けて、鏡で自分の姿を見る。
 清楚な女性が、男たちにさらわれて地下室に監禁されたって妄想をする志穂。

 気持ちがいいわ。
 妄想だけなら、何をされても、どんなことをされてもかまわない。

 女って被虐的なとこがあるからね。
 鏡に映る自分の姿を見て、しばし、陶酔した表情の志穂。

 志穂の妄想はとどまるところを知らない。
 男たちにありとあらゆることをされるの。
 それが気持ちいいの。

 実際にされるのは嫌だけどね。
 妄想なら、どんなことをされても気持ちがいいだけよ。

 清楚な女性が男たちのされるがままになる。
 ああ、気持ちがいいわ。

 ふう、やっと妄想が終わった。
 満足。

 けど、また違う妄想が始まる。
 この格好で愛する夫の一郎さんにされるがままになる。

 一郎さんに征服された私はどんな命令でも聞く奴隷になるの。
 拘束されて、ありとあらゆることをされるの。

 ますます気持ちが良くなっていく志穂。
 ああ、一郎さんに虐められて、辱められて、愛されるの。

 ふう、やっと妄想が終わった。
 また満足。

 とりあえず、左右の手枷をつなげていた留め金を外した。

 すると、インターフォンが鳴った。
 宅配業者が来たようね。

 玄関を開けると、投げるように段ボール箱を志穂に渡した。
 
 そこで、志穂は気づいた。
 手枷をしたまま。

 恥ずかしい!

 けど、業者さん、多分、気づいてないわね。
 こっちをほとんど見なかった。

 忙しいもんね。
 ああ、よかった。
 
〔END〕
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