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OLの坂井佐智子がセクシーなスカートを履く
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今は夏。
私は出勤前に服装をチェックする。
上はシンプルな半袖の白いシャツ。
下は膝上丈の黒いミニタイトスカート。
靴は黒いハイヒール。
なんで短いスカートを履くかというと、男どもに見せたいわけじゃない。
カッコいいからよ。
そんだけよ。
ジロジロ見ないでよ。
と言いたいんだけど。
私こと坂井佐智子は、今、二十五才。スタイル抜群の美人よ。しかし、恋人はいない。以前いたことがあるんだけど、うまくいかず何となく自然消滅してしまった。そのため、ちょっと恋愛に対して臆病になってんのよ。
私は職場では、いつも少しセクシーな格好をしている。
実は、私はいつも職場で妄想しているの。
妄想の対象は私の席の正面に座っている上代哲夫さん。
私より二才年上。
背が高く二枚目で身体つきも男らしい。
この男性に恋してしまった。
このセクシーなスリットが深いタイトスカート姿も上代さんに見てもらいたいからよ。
黒っぽいエナメルのミニのタイトスカートを履いていたこともある。ちょっとかわいいフレアミニスカートやノースリーブのシャツとか着たこともある。
全部、上代さんに見てもらいためよ。
そう、女は好きな男性からは見られたいの。
セクシーな格好をしているのを見られたいの。
美しい裸を見られたいの。
全てを見られたいの。
けど、肝心の上代さんは全然、私の身体を見ない。
他の男どもはやたらチラ見してくるのに。
見ないでよ、いやらしい。
見ていいのは上代さんだけよ。
上代さんは仕事で会話する時は、さわやかな笑顔で私の顔を見るんだけどなあ。
そんな時は、私はつい目をそらしてしまいドキドキして話の内容がうまく頭に入らない。
本当はこちらからデートにでも誘いたいのだが、恋愛に臆病になっているので、まだ決心がつかない。
上代さんに抱いてもらいたい。
頭の中はそんな妄想でいっぱい。
そんな妄想ばかりしているから、仕事でもついミスしたり。
隣に座っている新人の男性社員と肘がぶつかって、うっかりペットボトルをこぼしてしまいタイトスカートの股の部分をびしょ濡れにしてしまった。
中身はミネラルウォーターだったので乾けばどうってことないけどね。
どうも落ち着かない。
こんな悶々としていてもダメよね。
よし、今日の昼休みに告白しようっと。
ただ、妄想のし過ぎでちょっと我慢できなくなった。
告白前にスッキリしておこう。
気合入れるわよ!
私はトイレに行くことにした。
さて、昼休み。
私は会議室に上代さんを呼び出した。
「何でしょう、坂井さん」
上代さんがにこやかに笑いながら聞いてきた。
私はドキドキしながら言った。
「で、出来れば、あの、私と、そのお付き合いをしていただけないでしょうか」
すると、上代さんがちょっと困った顔をした。
「申し訳ありません。僕には恋人がすでにいまして」
ガーン!
私の頭が真っ白。
がっかり。
やっぱり恋人がいたのか。
もっと情報収集すればよかったかなあ。
ショックで立ち直れない。
午後は仕事にならない。
上代さんは素知らぬふりをしているが、私は振られた男が目の前にいるので胸が苦しい。
泣きたくなる。
仕事が手に付かない。
もう、定時で帰った。
一人で酒場に行く。
やけ酒をあおる。
上代さんの彼女ってどんな人なんだろうと考える。
すごい美人さんなんだろうなあ。
ああ、羨ましい。
けど、あきらめきれない。
気が付くと午後十一時を過ぎていた。
すっかり酔っぱらってフラフラと歩いていると、いつの間にか道を間違えてラブホテル街に入り込んでしまった。
あれ、知っている人がラブホテルから出てきた。
上代さんじゃない。
おまけに一緒に出てきたのは、私の隣に座っている新人の男性。
ばったり会ってしまい、上代さんとその新人さんはうろたえている。
上代さんが気まずそうな顔で言った。
「見られちゃったんで、もうはっきり言いますが、彼が僕の恋人です」
そうか、上代さんは男性が好きだったのか。
最初から全然見込みがなかったんだ。
「このことは職場では内緒にしてもらいたいんですが」
「はあ、わかりました」
次の日から、私はズボンを履いて出勤した。
すっかりしらけている。
けど、また素敵な男性が異動でもして来ないかしら。
そしたら、またセクシーなタイトスカートを履くわ。
けど、他の男には見られたくないわ。
ジロジロ見られるのがいやなのよ。
勝手に見ないでくれるかしら。
お前、我がままじゃないかって。
女ってそんなもんよ。
〔END〕
私は出勤前に服装をチェックする。
上はシンプルな半袖の白いシャツ。
下は膝上丈の黒いミニタイトスカート。
靴は黒いハイヒール。
なんで短いスカートを履くかというと、男どもに見せたいわけじゃない。
カッコいいからよ。
そんだけよ。
ジロジロ見ないでよ。
と言いたいんだけど。
私こと坂井佐智子は、今、二十五才。スタイル抜群の美人よ。しかし、恋人はいない。以前いたことがあるんだけど、うまくいかず何となく自然消滅してしまった。そのため、ちょっと恋愛に対して臆病になってんのよ。
私は職場では、いつも少しセクシーな格好をしている。
実は、私はいつも職場で妄想しているの。
妄想の対象は私の席の正面に座っている上代哲夫さん。
私より二才年上。
背が高く二枚目で身体つきも男らしい。
この男性に恋してしまった。
このセクシーなスリットが深いタイトスカート姿も上代さんに見てもらいたいからよ。
黒っぽいエナメルのミニのタイトスカートを履いていたこともある。ちょっとかわいいフレアミニスカートやノースリーブのシャツとか着たこともある。
全部、上代さんに見てもらいためよ。
そう、女は好きな男性からは見られたいの。
セクシーな格好をしているのを見られたいの。
美しい裸を見られたいの。
全てを見られたいの。
けど、肝心の上代さんは全然、私の身体を見ない。
他の男どもはやたらチラ見してくるのに。
見ないでよ、いやらしい。
見ていいのは上代さんだけよ。
上代さんは仕事で会話する時は、さわやかな笑顔で私の顔を見るんだけどなあ。
そんな時は、私はつい目をそらしてしまいドキドキして話の内容がうまく頭に入らない。
本当はこちらからデートにでも誘いたいのだが、恋愛に臆病になっているので、まだ決心がつかない。
上代さんに抱いてもらいたい。
頭の中はそんな妄想でいっぱい。
そんな妄想ばかりしているから、仕事でもついミスしたり。
隣に座っている新人の男性社員と肘がぶつかって、うっかりペットボトルをこぼしてしまいタイトスカートの股の部分をびしょ濡れにしてしまった。
中身はミネラルウォーターだったので乾けばどうってことないけどね。
どうも落ち着かない。
こんな悶々としていてもダメよね。
よし、今日の昼休みに告白しようっと。
ただ、妄想のし過ぎでちょっと我慢できなくなった。
告白前にスッキリしておこう。
気合入れるわよ!
私はトイレに行くことにした。
さて、昼休み。
私は会議室に上代さんを呼び出した。
「何でしょう、坂井さん」
上代さんがにこやかに笑いながら聞いてきた。
私はドキドキしながら言った。
「で、出来れば、あの、私と、そのお付き合いをしていただけないでしょうか」
すると、上代さんがちょっと困った顔をした。
「申し訳ありません。僕には恋人がすでにいまして」
ガーン!
私の頭が真っ白。
がっかり。
やっぱり恋人がいたのか。
もっと情報収集すればよかったかなあ。
ショックで立ち直れない。
午後は仕事にならない。
上代さんは素知らぬふりをしているが、私は振られた男が目の前にいるので胸が苦しい。
泣きたくなる。
仕事が手に付かない。
もう、定時で帰った。
一人で酒場に行く。
やけ酒をあおる。
上代さんの彼女ってどんな人なんだろうと考える。
すごい美人さんなんだろうなあ。
ああ、羨ましい。
けど、あきらめきれない。
気が付くと午後十一時を過ぎていた。
すっかり酔っぱらってフラフラと歩いていると、いつの間にか道を間違えてラブホテル街に入り込んでしまった。
あれ、知っている人がラブホテルから出てきた。
上代さんじゃない。
おまけに一緒に出てきたのは、私の隣に座っている新人の男性。
ばったり会ってしまい、上代さんとその新人さんはうろたえている。
上代さんが気まずそうな顔で言った。
「見られちゃったんで、もうはっきり言いますが、彼が僕の恋人です」
そうか、上代さんは男性が好きだったのか。
最初から全然見込みがなかったんだ。
「このことは職場では内緒にしてもらいたいんですが」
「はあ、わかりました」
次の日から、私はズボンを履いて出勤した。
すっかりしらけている。
けど、また素敵な男性が異動でもして来ないかしら。
そしたら、またセクシーなタイトスカートを履くわ。
けど、他の男には見られたくないわ。
ジロジロ見られるのがいやなのよ。
勝手に見ないでくれるかしら。
お前、我がままじゃないかって。
女ってそんなもんよ。
〔END〕
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