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人妻の名和志穂は夫にメチャクチャにされたい

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 夜。

 名和志穂と夫の佐藤一郎がベッドの上でパジャマ姿で抱き合っている。
 二人ともリラックスして、ほとんどじっとしている。

 小柄な志穂は身体の大きい一郎の上に乗り胸に顔を擦りつける。
 ものすごく幸せな気分。

 そんな志穂の背中を、時折、やさしく撫でる一郎。
 志穂は気持ちがいい。

 愛する一郎さんに身体を少し撫でなれるだけですごく幸せだわ。

 しかし、志穂は物足りないとも感じている。
 もっといろいろと責めてほしいなあ。

 どんな命令でも私は一切逆らわない。
 どんなことでもするのになあ。

 一郎さんはやさしすぎるのよねえ。
 
 女って、好きな男性にならどんな辱めを受けてもかまわないんだけど。
 もうメチャクチャにしてほしいなあ。

 私の身体をメチャクチャにしてほしい。
 そして、私を悦ばせてほしいなあ。

 けど、時々激しいときもある。
 あの時の快感が忘れられない。

 私は快感の虜になってしまった。
 一郎さんの奴隷になりたいなあ。

 身体を拘束されて、ありとあらゆることをされるの。
 そして、すごい快感を与えてもらうの。
 それが女の幸せね。

 志穂の頭の中では妄想が渦巻く。
 一郎の手が志穂の身体の全てを撫で回す。
 全ての穴をいじりまわす。

 志穂は気持ちよくて仕方がない。
 もう、何をされてもいい。
 
 私の身体をもてあそんでほしい。
 女はそれを待っているんだから。
 
 気持ちいいだろうなあ。
 頼んでみようかしら。

「あの、一郎さん」
「……なんだい、志穂」

(私の身体をメチャクチャにしてください、ああ、だめ、恥ずかしいわ、やっぱり言えない、別のことを言おうっと)

「あの、上に私が乗っていて、重たくないですか」
「いや、全然大丈夫だよ」
「ありがとうございます……」

 その言葉に安心して再び志穂は一郎の胸に顔をうずめた。

 ああ、けど、やっぱり言っちゃおうかなあ。
 ロープで身体を縛ってくださいって。
 
〔END〕
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