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暗闇はオレンジ色
しおりを挟むあの後逃げるように土砂降りの中車のドアを開けた気がする。いや、それか丁寧に断ったんだっけ。ああもう気が動転してそれどころじゃなかったんだっけか。
背負わなかった、手に感じる重みが滑ってしまい床にどさりと落ちた。
「バッグ……持ってて良かったー……」
心臓がバクバクとあらぬ音を立てている。ズルズルと玄関のドアにもたれかかりながら座り込む。見慣れた部屋と、キイン、と鳴り響く沈黙と、さっき目に焼きついたウォリアーの瞳。膝を抱えてうずくまっても、それらが俺から離れてくれない。
『帰したく、ないな』
それってどういう意味。友達同士でそんな台詞使うの。なんで俺に。
たくさんの疑問と、もしかして。の繰り返し。
「あ……ありがとって言わなかったな」
またこんなところまで送ってもらったのにお礼もしなかった。借りを作られたみたいになるのが嫌で、いつも忘れずに言っていたのに。
「明日からどんな顔したらいいんだよ……」
何度も漏れるため息は、最後まで俺に答えを教えてくれることはなかった。
いつもと変わらない朝。澄んだ空気。途中まで乗客は俺だけのバス。
「……」
ぽつぽつと街は動き出している。ガソリンスタンドにはあくびをしているスタッフが立っているし、銀行の前ではバカでかいガラスを掃除している人もいる。なにも、なにも変わらない朝。
唯一違うことをあげるとすれば時折バスの窓に一際浮かない顔をした自分が映るだけ。目的地に着くと、予想通り俺は二番目。もう電気がついている。結局なにを言うべきか決められないまま……。キィ、とドアを開けると、後ろで雑に括った金髪がこの部屋にいることをその色で知らせた。
「……はよ」
一応、挨拶はできた。心臓も跳ねていない。隣にある椅子に座ったら、にこ、と微笑まれた。
「おはよ。奏」
ほら、いつもと変わらない。大丈夫。心なしか相手が落ち着いているように見えるだけだ。俺がそう感じているだけ。
「そうそう。さっき教授が来てさ」
「う、うん」
ばか。こんなふうに目を逸らすな。意識してると思われるじゃないか。
「……。ウォリアーとカミジョウ、近いうちにこの研究室を移動させるかも。だって」
「えっ?」
急な、突拍子もない話。なんで? と俺が聞く前に、その理由を聞かされた。
「あ、悪い意味でじゃないよ。ごめんごめん。成績がいいからだってさ。ほら、こないだの」
この研究室を出るなら、飛び級の可能性だってある。その類の話だ。
「……そう、なんだ……」
「あれ? あんまり嬉しくない?」
「いや……嬉しい、よ」
「そう? それ嬉しい顔? まあ、俺たちがここ出てったらまた妬まれるんだろうけどね。教授はそんなことお構いなしだから」
「そうだね……」
今日すべきことはなんだったっけ。ああ、もう一通りこなしてしまったのか。だから教授から声をかけられたんだな。近いうちに別の研究室に移動になるなら、この先も二人で活動していくんだろう。それなら、そうなる前に。
「あの……昨日の、こと、なんだけど」
声が上擦ってないだろうか。難しい言葉じゃないのにスラスラと出てこない。勇気を出すってこんなにしんどかったっけ。
「……うん」
俺だけを、見ている。そのことにどっと緊張が増す。
「えっと、俺、あ……えっ、と……」
「……そんなに身構えないで。ごめんね。奏はそんなつもりなかったよね」
忘れて。
続けてそう口にされた後、俺に向けられる目がスパッと途切れて永遠に離れていく気がした。瞬間の、焦り。
「奏を困らせたかったんじゃないんだ。……ごめん」
「ちっ、違う!」
勢い余って椅子から立ち上がってしまった。すぐにシン、と静まり返ってしまう。この部屋は俺たちからの物音がないと。
「あの……あ……その」
顔に熱が帯びたのがわかる。俺をびっくりして見上げてる。あの目が。
「昨日……。昨日も、送ってくれて、ありがとう。……アレン」
「……奏」
名前を口にした途端、薄いブルーの瞳が揺れ、ガタッともう一つの椅子が動いた。俺は目の前に立ちはだかるような影に、それにぎゅっと包まれた。
「奏……嬉しいよ、俺……」
なにが起きたんだろう。ああ、俺は今抱きしめられているのか。まさか俺がなんの抵抗もせずにこうしているなんて。同じ男なのに体格がこんなに違うとまるで自分が子どもになったみたいだな……。
「奏……」
少し身を離し、アレンはとっておきのはにかんだ笑顔を俺に向けた。たぶん俺も同じに返したと思う。しばらくの間、ふわりと香るバニラの香水と、慣れないタバコのかすかな残り香が俺の肺を満たしていた。
唇は、合わせなかった。もしかしたら抱きしめられた流れでそうなるかもと思って覚悟していたけど。
「ここが君たちの研究室だ。自由に使ってくれていい。足りないものは遠慮なく申し出てくれ」
疎む他の研究生を横目に、あの研究室を二人で出た。教授は俺たち二人を随分買ってくれているらしい。アレンは、それだけこの学校の威信がかかってるんだよ、きっと。なんて言っていたけど。
「二人にはDNAやタンパク質の研究をしてもらう。ここと提携している病院からの依頼でね。もちろん上手くいったら待遇は良くさせてもらうよ。ぜひ頑張ってくれ」
厳重な減圧室。俺たち専用の部屋のように二人きりだ。そして、ここではラフな格好は禁止。オペ着のようなガウンを着用し、髪が落ちないよう帽子をかぶりもちろんマスクも必要だった。目元しか見えないからそこしか見ようがないのだけど、アレンの薄いブルーの眼差しが俺の目を奪っていくのにさして時間はかからなかった。
「はぁーっ。窮屈だね、さすがに」
更衣室でアレンがぼやく。
「すぐに慣れるよ」
確かに今までのスクラブとは違って身動きが取りづらく、その分のストレスが溜まるのは俺も同じだった。
「ご飯でも行く? 奢るよ」
うん。と返す。駐車場までの道のりで、浮かれ足のアレンの背中を見つめた。なんとなく俺に対する接し方が以前よりもっと柔らかくなった気がする。その背中を見ていたのはほんの少しだったけど、俺には不思議に感じる時間だった。
「アレンってタバコ吸うんだね」
「あっ、ごめん、臭かった⁉︎」
「ううん。全然。俺吸わないからなんか新鮮で」
兄ちゃんも、吸ってなかったし。
「最近は控えてたんだけどね。ほら……奏に……俺、フラれたと思ってて」
「あ、そ、そうなんだ」
二人して照れる。慣れてない中学生の恋愛みたいだ。アレンはどうだか知らないけど、俺の方は確実にそうだった。そんな経験なんてないに等しいのだから。
パスタで腹を満たして、まだ時間あるんだったら、と、帰りにコーヒー屋に寄る。週末の店内は混んでいて、それは外の席も同じだった。仕方なく柵の方へ行き、俺たちは冷たい風を浴びながら一つ二つ他愛もない話をした。俺の隣にいるアレンは、にこにこと言うか、微笑むと言うか、そんな感じで俺のことを見ていた。
「それ、なに頼んだの?」
「アップルティー。俺コーヒー苦手で」
「お子様だね。奏は」
そう言われ、俺がわざとフイとそっぽを向いて柵に片肘をつくと、後ろから包むように体を覆われた。
「怒った? 怒った顔もかわいい」
「そうやって口説いてんだ。アレンって」
恋愛に慣れてる感じがする。こうやって、すぐに近づかれるのも。
「……違うよ。本当のことだから言っただけ」
少し体が冷えてきた。ぬるくなったアップルティーをぐいと飲み干して、すぐ後ろのアレンに言った。
「……大人の恋愛ぐらい、できるよ。俺」
アレンは黙ったまま、俺の頬に軽く音をさせて口づけた。俺の家、ここから三十分ぐらいだから。と言って。
「おじゃま、します」
相当広い家。マンションの七階のこの場所。裕福な家庭の子なんだろう。中に案内され、適当に座っておいて。と言ってアレンはリビングから消えた。俺はその場に立ち尽くして部屋を見回した。植物好きと言っていたけど部屋の隅にポツンと背の高い観葉植物が一つあるだけだった。もしかしたらベランダにわんさか置いてあるのかもしれない。戻ってこないアレンを待ったけど、たぶんこういう時はソファに座るのが正解だろうと思い、何人か座れる大きさの革製のソファに腰掛けた。ソファの前には一枚板のローテーブル。その下には白いラグが敷いてあった。良く手入れをしてあるというか、まめに掃除をしているのだろう、毛の長い真っ白なラグだった。
「おまたせ」
どこからか現れたアレンが着替えを手にしている。乾燥までしとくよ。と言われ、それに素直に甘えた。俺はぶかぶかのアレンの服に着られている。袖は長ったるいし、足を動かす度裾は床を引きずっている。その姿を見て、アレンはくすくすと笑った。不恰好の俺を見ながら、ちょっと待ってて、と言い残しまたどこかへ消えてしまった。
「今日は飲んじゃおうよ。記念に」
ゴトゴトと、両手にいっぱいの酒を抱えている。並べる姿を見ながら、記念? と聞いた。
「うん、記念。俺たちの」
俺たちの、記念……。
「……誰が飲むの。こんなに」
「えっ、もしかして酒も飲めない⁉︎」
俺の隣にどすんと座り、慣れた手つきで瓶ビールを開ける。まだ俺が返事をしていないのに、抜かれた栓がコン、コンと二つ転げた。
「少しなら……」
「よかった。乾杯」
差し出された瓶を受け取り、底をこつんと合わせる。隣で、ぐい、と豪快に呷ったと思ったら俺を見てにこりと微笑む。……いや、頬が緩む、の方が合っているか。グラスを出されなかったから、仕方なく俺も同じに飲んだ。
「うーん、労働の後の一杯ってホント最高!」
「労働……だね。一応」
家で飲むことなんてほとんどないし、こんな量一気に飲んだら悪酔いするかもしれない。そんなことを考えながらペースを落とす俺とは違い、アレンはまるで水でも飲むかのように次々と瓶を開けていった。
「……そんなに飲んで大丈夫?」
「うん。へーきへーき」
「そう……」
「ワインとかウィスキーもあるよ!」
「……まだいいかな」
俺はたいして人と喋る方じゃないし、他人の機嫌なんか取るのも趣味じゃない。早く帰りたいわけでもないけど、こんな俺と一緒に飲むなんて楽しく感じられるのだろうか。酒を飲むって、ワイワイしながらのイメージだったんだけど。
「奏と組めてよかったな、俺」
「え? ああ……うん。俺も」
アレンは訝しげに、本当に? と語尾を伸ばして言った。俺はこくりと頷く。その気持ちは嘘ではなかった。
「へへっ。クラス最下位でもいいことあるもんだね」
「……授業出てなかったからでしょ、それは」
「それもあるけどさぁーっ」
温くならないうちに! と急かされ、アレンを追って俺も一本目をやっと空にした。アレンは酒に強い方なのか、テーブルに並べてあったのがあれよあれよと言う間に中身のない瓶に変わってしまっている。
「奏は、いくつ? 何年か留年してたんだよね。ふーん、じゃあ俺のが年上だね。高校はどこ? 高校もバスだったんだ。趣味は? えー、趣味ないの? 好きな食べ物は?」
アレンの怒涛の質問攻めにあう。最後の問いには、チョコの食べ物かな。と答えた。ビールにチョコは合わないね、と口を瓶につけて言われ、飲みが足りないよ! と叱られる。程よく酔っているのか、妙なテンションになりつつあるアレンを、俺はどこか俯瞰して見ていた。
「ホントに、奏と組めて良かった」
「……さっきも聞いたよ」
「あれっ、そうだっけ」
ああ、アレンの機嫌のいいのが手に取るようにわかる。
白い肌をほんのり上気させて、柔らかい眼差しで俺を見ている。それに気づいてはいるけど、どうしたらいいのかわからない。くぴ。と口にビールを含ませると、はい次の。と言われ新しい瓶を手渡してきた。アレンほどではないけど俺もだいぶ飲んでいる。テーブルには空の瓶の方が多くなってしまった。
「……こんなに酔わせてどうするつもり」
すでに栓を抜かれているから仕方なく口をつける。でも最初のような浴びるほどの勢いはない。それはアレンも同じようだった。俺の中にあった、下心、の感情を口にしてみる。
「……どうしようかな」
アレンがそう言って、左手をソファについた。ぎゅむ、と皮が鳴ってその姿が俺に近づく。ふわりとアレンの使っている香水と、ビールの苦い匂い。こんな近距離でそれを嗅いでいる。
「奏……」
あざといよなぁ、俺。こんなの答えられなくてもだれでもわかることなのに。でもいいか。こうなったのは全部兄ちゃんのせいなんだし。俺が寂しがりなの知っててなにも言わず置いてったんだから。俺だって人肌が恋しくなる時もあるんだから。だから、いいんだ。
「……、……。気持ち、悪い」
「えっ?」
唇が触れようとした瞬間、アレンが自分の口元をぐっと押さえた。さっきまでピンクの色だった頬が、今度はさぁっと青ざめている。トイレどこ? と慌てて聞く俺を他所に、アレンは背中を丸め何度も嘔吐いていた。
「うう……はぁ……」
「……大丈夫? はい、水。勝手に注いだけど」
「あり、がと……」
便器を抱え何度かそこに吐いたアレンは、まだ蒼白な顔をしている。水を一口飲みいつでも吐けるように肩をすくめたと思ったらややあって、ごめんね。と俺に言った。
「……気にしてないよ」
こんな時どうすればいいんだろう。背中をさすってあげるのがいいのかな。それとも、リビングに戻っていた方がいいのかな。
俺は思考を巡らせたけど、トイレに続く廊下に腰かけた。アレンが吐きすぎてそのまま気でも失ったらどうしよう、と思って。
「はぁ……だいぶ楽になった、かな」
開けっぱなしのドアから見えるアレンの背中を、しばらく見ていた気がする。立ち上がれないのか、ゾンビのように床を這って俺の隣まできた。
「まだ起き上がらない方がいいよ」
「うん……」
ずりずりとその場で体勢を変え、俺と同じように壁に背中をつけた。天井を仰ぐようにしたのが悪かったのか、またウッと込み上げてきたようだった。
「あぁーもう……カッコ悪……」
アレンは長い足を投げ出して、ふう、とため息をついた。だいぶ顔色いいよ。と俺が言うと、やさしいね、奏は。と言われた。
「……立てるようになるまで、ね」
「うん……」
とす、と俺の低い肩に頭をもたれさせた。二人でゆっくり息をする。シンとなった廊下と、冷えた床。何度か様子を伺っているとアレンはまどろみの中にいるようだった。
「……もう」
兄ちゃんだったら、絶対こんな飲み方しないだろうな。寧ろ酒なんか飲むんじゃないと怒ったかもしれない。
「直接瓶で飲んだりはしなさそうだな……」
さっき、キスしようとしたんだろう。なぜ俺は拒まなかったのだろうか。最初こそアレンのことを勘違いしていたけど、本当はいいやつそうだからかな。ていうか、付き合ってるんだっけ、俺たち。
「だから、いいんだって……」
淡いオレンジ色した高い天井にある電灯の下で、俺は程よい眠気に襲われて、アレンの何分の一かの体重を感じながら目を閉じてしまっていた。
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