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(これが、学園っ……)
目の前の立派な建物に息を呑む。
季節は春。花が咲き誇る今日この頃。今日から学園に通うことになる。
この学園は中等部と高等部があり、それぞれ3年ずつ。中等部は12歳から3年間、高等部は15歳から3年間だ。
もしかして、僕は12歳になっても通えないかも、なんて思ったこともあったが、きちんと通えることになった。これで、もっと勉強ができる。ほかの国のことについても知れるかもしれない、と心を弾ませていた。
心配がないわけではない。僕が通う学園はほかの貴族も通う。僕は、お茶会にあの日から参加はできていない。きっと参加していてもよい関係は築けていなかったと思うが、僕の中でのほかの貴族との交流の思い出はあの日で止まっている。これからこの学園できちんとやっていけるのか。緊張ですごくて心臓が痛い。深呼吸をして敷地内に足を踏み入れた。
玄関で自分のクラスを確認する。クラスは全部でA~Fまでの6クラス。僕はFクラスだった。
教室はどこにあるんだろうか。どう行ったらいいか迷っていると玄関のすぐ近くで先生らしき人がプリントを配っているのが見えた。それは、この学園の地図のようだった。それを受け取り、教室へ向かおうとした時だった。周りの人の話す声がやけにはっきり聞こえて足を止める。
「……おい、あいつ」
「あぁ、テオ・アナベルだ」
「お茶会に出てこなくなって安心していたが、学園には通うんだな」
「な。でも、あいつのクラスどこか見たか?」
「あぁ。……はは、まさかあいつがFとはな」
「やはり、教養はあまりないようだな」
「はは、笑いものだ」
僕のことを話していた。周りに気づかれないようにため息をつく。初日早々こんなことを耳にしてしまうとは。少し気が沈むが気持ちを切り替える。僕は知りたいことがあるんだ。だから、こんなことで落ち込んでいる暇はない。それに、将来のために勉強もきちんとしておきたいんだ。
目標があると気持ちも上向きになる。目標ってすごい存在なんだ。きっと、彼に会う前の僕なら、この言葉に傷ついて勉強のやる気もなくして、ちゃんとしてなかったかもしれない。
しかし、クラスを笑われるのは、どうしてなのか。クラス分けに、僕の知らないなにか意味があるのかもしれない。でも、そんなことは関係ない。僕は勉強を頑張るだけだ。
無意識に、ポケットに隠しているハンカチを握りしめる。
(僕、頑張るからね)
そう、心の中でつぶやいて、今度こそ教室へ向かうため歩き出した。
目の前の立派な建物に息を呑む。
季節は春。花が咲き誇る今日この頃。今日から学園に通うことになる。
この学園は中等部と高等部があり、それぞれ3年ずつ。中等部は12歳から3年間、高等部は15歳から3年間だ。
もしかして、僕は12歳になっても通えないかも、なんて思ったこともあったが、きちんと通えることになった。これで、もっと勉強ができる。ほかの国のことについても知れるかもしれない、と心を弾ませていた。
心配がないわけではない。僕が通う学園はほかの貴族も通う。僕は、お茶会にあの日から参加はできていない。きっと参加していてもよい関係は築けていなかったと思うが、僕の中でのほかの貴族との交流の思い出はあの日で止まっている。これからこの学園できちんとやっていけるのか。緊張ですごくて心臓が痛い。深呼吸をして敷地内に足を踏み入れた。
玄関で自分のクラスを確認する。クラスは全部でA~Fまでの6クラス。僕はFクラスだった。
教室はどこにあるんだろうか。どう行ったらいいか迷っていると玄関のすぐ近くで先生らしき人がプリントを配っているのが見えた。それは、この学園の地図のようだった。それを受け取り、教室へ向かおうとした時だった。周りの人の話す声がやけにはっきり聞こえて足を止める。
「……おい、あいつ」
「あぁ、テオ・アナベルだ」
「お茶会に出てこなくなって安心していたが、学園には通うんだな」
「な。でも、あいつのクラスどこか見たか?」
「あぁ。……はは、まさかあいつがFとはな」
「やはり、教養はあまりないようだな」
「はは、笑いものだ」
僕のことを話していた。周りに気づかれないようにため息をつく。初日早々こんなことを耳にしてしまうとは。少し気が沈むが気持ちを切り替える。僕は知りたいことがあるんだ。だから、こんなことで落ち込んでいる暇はない。それに、将来のために勉強もきちんとしておきたいんだ。
目標があると気持ちも上向きになる。目標ってすごい存在なんだ。きっと、彼に会う前の僕なら、この言葉に傷ついて勉強のやる気もなくして、ちゃんとしてなかったかもしれない。
しかし、クラスを笑われるのは、どうしてなのか。クラス分けに、僕の知らないなにか意味があるのかもしれない。でも、そんなことは関係ない。僕は勉強を頑張るだけだ。
無意識に、ポケットに隠しているハンカチを握りしめる。
(僕、頑張るからね)
そう、心の中でつぶやいて、今度こそ教室へ向かうため歩き出した。
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初めての投稿です。
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※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
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