愛されることを知らない僕が隣国の第2王子に愛される

間章9

　それからもたくさん報告を受けたが、悲しいこと、腹立たしいことばかりで目を通すのも嫌なくらいだった。でも、テオはこれを耐えている。それを知らずにいるのは嫌だから、すべてに目を通した。

　そんな中、気になる報告があった。

「伯爵家の娘とテオのクラスメイトが何か企んでいるかもしれないということか？」
「はい。最近頻繁に二人が一緒にいる所を目にしまして」
「何もないといいが、そんなわけにはいかないか…」
「おそらく。俺も注意しておきます」

　アナベル伯爵家の娘がテオと同じ学園に入学してから、よく学園内で騒ぎを起こしているようだ。何かあればリアムが間に入って止めてくれたり、騒ぎを抑えてくれたりしているようだ。リアムをテオの学園に赴任させたのは正解だった。
　このまま、大きなことが起きないといいが。僕がテオの側にいけるまで何も起こらないでくれ。なんて、そんな願いが叶うわけがなかった。