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プロローグ
第2話 「トルコの決意」
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「父上……!!父上っ……!!!」
海から引き上げられた亡き父・オスマン帝国を見て、泣きじゃくる一人の子供がいた。
「どうして……、母上!!何故ですか!
父上はすぐに帰ってくると!そう言っていたじゃないですか!!!」
子供は、自分の実母であり、オスマン帝国の妻であるトラキアに言い放った。
「ごめんね、帰ってくるはずだったのよ。でも、お父さんは……もう、帰ってこない。
――どうして……、本当に、身勝手な人だわ、この人は。
あの時、ずっと、ずっと、側に居るって……、貴方は言ってくれたじゃない……ばか……!!!」
泣き喚く我が子を抱きしめ、そしてもう息をしていない愛する夫を膝に寝かせて、
掠れた声で叫んだ。
瞳には、涙が浮かんでいた。
「でも、本当にどうして……?
まさか父上が自ら死ぬなんてこと、有り得るのかな……?」
父親と違って思慮深い子供である。
葬儀を終えたモスクの前で、彼は幼いながらにそんな事を考えていた。
オスマン帝国には、野望があった。
もっと大きい国になる。
邪魔する国、反発する国は誰だろうと潰す。
その地で君臨し続けるには必要なことではあるが。
そう、彼は身勝手だったのだ。
だが、そんな父が道半ばで海に身を投げるなんてことするだろうか。
そんな身勝手は冒すだろうか。
彼が最期に出かけるときも、とっても嬉しそうな顔をして家を出ていった。
あれで自殺を考えていたのなら、相当嘘が上手いものである。
「他殺だ……。」
証拠はない。でもそれ以外有り得ない。
「一体誰が……?」
分からない。知る由もない。だけど。
「許さない……、絶対に……!!」
最愛の父を亡くしたその子供は、怒りと復讐心に燃えていた。
「いつか僕も、父上のように”王権”になって……、父上を殺した犯人をやっつけてやる……!!!」
オスマン帝国の一人息子・トルコ。
まだ幼い彼の心に、決意が固まった瞬間だった。
海から引き上げられた亡き父・オスマン帝国を見て、泣きじゃくる一人の子供がいた。
「どうして……、母上!!何故ですか!
父上はすぐに帰ってくると!そう言っていたじゃないですか!!!」
子供は、自分の実母であり、オスマン帝国の妻であるトラキアに言い放った。
「ごめんね、帰ってくるはずだったのよ。でも、お父さんは……もう、帰ってこない。
――どうして……、本当に、身勝手な人だわ、この人は。
あの時、ずっと、ずっと、側に居るって……、貴方は言ってくれたじゃない……ばか……!!!」
泣き喚く我が子を抱きしめ、そしてもう息をしていない愛する夫を膝に寝かせて、
掠れた声で叫んだ。
瞳には、涙が浮かんでいた。
「でも、本当にどうして……?
まさか父上が自ら死ぬなんてこと、有り得るのかな……?」
父親と違って思慮深い子供である。
葬儀を終えたモスクの前で、彼は幼いながらにそんな事を考えていた。
オスマン帝国には、野望があった。
もっと大きい国になる。
邪魔する国、反発する国は誰だろうと潰す。
その地で君臨し続けるには必要なことではあるが。
そう、彼は身勝手だったのだ。
だが、そんな父が道半ばで海に身を投げるなんてことするだろうか。
そんな身勝手は冒すだろうか。
彼が最期に出かけるときも、とっても嬉しそうな顔をして家を出ていった。
あれで自殺を考えていたのなら、相当嘘が上手いものである。
「他殺だ……。」
証拠はない。でもそれ以外有り得ない。
「一体誰が……?」
分からない。知る由もない。だけど。
「許さない……、絶対に……!!」
最愛の父を亡くしたその子供は、怒りと復讐心に燃えていた。
「いつか僕も、父上のように”王権”になって……、父上を殺した犯人をやっつけてやる……!!!」
オスマン帝国の一人息子・トルコ。
まだ幼い彼の心に、決意が固まった瞬間だった。
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