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アフリカ編
第7話「荒らされるマグリブ」
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「くっ……、もーぅ怒った!!ボクだってイギリスくんなんかには負けないんだからねぇ!?!運転変わりなさいッ!!!」
そう言ってフランスはイギリスから無理やりトロッコのハンドルを奪った。
「あ、うぉッ、危ねぇぞ!!!」
「ふんッ!」
ブァァワゥワゥワァァァ
(このトロッコってそんなキメェ音すんだな……。)
運転手によって排気音の音も変わるなんて、この世には気味の悪いこともまだまだあるものである。
ベルギー・ポルトガルが、トロッコ運転の主導権を握ったフランスに気付き、口々に言い放つ。
「ちょっ、フランスさん!なぁに運転してんすか!!」
「何さ!悪い!?」
「成金は成金でも、野性的なんだな……。」
「今、聞き捨てならない言葉が聞こえた気がするなぁ!?ポルトガルくん!!?!」
「にしても下手な運転だなァ、お前はよォ。潰すぞ?」
「ずっと物騒だな、キミは……。」
「いざとなったら、このヌーヴォー・リッチ 一緒に潰そうなぁ、ドイツ???」
「え……、」
「あぁ?」
「う……、あぁ、うん……。」
「はぁ!?かかってきなさいよぉ!!!英独まとめてサバット勝負してやるわ!!!」
「は?サ、サバ……?」
無理して張り合うお坊ちゃまの荒い運転の行く先とは一体……。
-----------------------------
「オスマン様が死んじゃうとはなぁ……、どうしたもんかなぁ。」
悩む彼の名は、アルジェリア。
“王権” - オスマン帝国の眷属として仕えていたマグリブ達の内の一人である。
「新しい仕事を探すにしても、どこに行けば良いんだろう……。こんな僕を見込んで、雇ってくれるとこなんて………。」
バサァッ
「あっ!うわぁ……、砂糖こぼしちゃった……。もう………、、、」
砂糖は、入るはずだったコーヒーの、カップのすぐの横に積もっている。
「はぁ、僕なんか全然ダメダメだなぁ。……その点、チュニジアくんやリビアくんは凄いよなぁ。皆と仲いいし、役職もどんどん偉くなっちゃってさ。やっぱり家系が王族由来だからかなぁ……、僕は普通の家系だし。だからモロッコくんとも仲良くなれないのかなぁ……、はぁ……。」
砂糖を掃除するごとに、心の埃は増していく。
自分は人並みに人の役に立てているのか。自分のすることは人のために成っているのか。
そんなこと、出来ていない気がする。
そう思ってしまい出すと、もう止まらない。
いや、これは良くない連鎖だ。
まだ時間も早い。
もう一度横になって、一旦この負のスパイラルをリセットしよう。
そう考えて、階下に降りた。
1階は静かだ。
心が休まる。
――家の周りには砂漠がどこまでも広がっていて、その砂漠は今もなお広がっている。
微かに聞こえる弦楽器のような音は、ラバーブだろうか。
……違う。
この揺れるように響く音は、弦楽器ではない。
エンジン音だ。
僕の家に向かってくる。
轟音はどんどん近くなってきている。
凄いスピードを出しているようだ。
少し見に行ってみようかな。
ん?
何か声が聞こえるぞ?
「~~~じゃないって!?!」
「~れ殺すぞ。」
「~~ぁぁぁ五月蝿いッ!!どいつもこいつも物騒だし失礼ッ!!!あぁーーもーどーなったっていーやぁ!!この家貫いてやる!!!頭低くしろよ!!!」
「貴方も盗賊のやり口ですかぁ、!?」
「五月蝿いって言う方が五月蝿い。」
「だから!それが!うぅぅぅるぅさぁぁぁぁあああいッッ!!!!」
ドカァァァン
壁がぶち抜かれた。
僕の、目の前で。
僕の、家が。
壁の破片が砕け散る。
入ってきたのは、客車みたいな、トロッコみたいな車だった。
……なんだ、あの見るからに成金お坊ちゃんの運転手。
なんだ、その後ろの小綺麗な典型的ヤンキー。
バコォォォン
もう片方の壁がぶち抜かれ、僕の今いるこの部屋は完全に貫通した。
たった数秒の出来事だった。
そのまま、その車みたいな乗り物は砂の大地の向こうへと走り去っていった。
「………僕の、………家、が………?」
朝の砂粒に照らされた強い日差しが、家中に差し込んでいた。
「クソ、野郎だ……。」
朝から色々ありすぎて感情が混濁してはいるが、僕の中には明確に「怒り」があった。
僕がやっつけてやる。
あんな奴ら、野放しにしておいたら今後何をしでかすか分からない。
皆に被害を受けてもらいたくない。
「僕が、やっつけてやるんだ……!絶対に……!!」
彼奴らをやっつければ、この後ろめたさも、この心のモヤモヤも、全部一緒に吹き飛ぶと思った。
そんな、複雑な朝だった。
--------------------------------
その後もイギリス・フランス御一行は、色んな建物をぶち抜き、壊し、宝物を盗んでいった。
途中、砂丘の向こうに、馬に乗った2つの人影が見えた。
片方は橙色と緑色の服で、もう片方は深い藍色の服を纏っているように見えた。
本当は 拍車 も欲しかったが、流石に遠すぎたので諦めたのだった。
【獲得物】
・女王ディドの剣
(チュニジアにて)
・バルバロッサの剣
(トリポリ・リビアにて発見)
・ロゴーヌ河畔産 象牙の杯
(チャドにて)
【獲得断念】
・カネム=ボルヌ帝国軍隊の拍車 ×2
そう言ってフランスはイギリスから無理やりトロッコのハンドルを奪った。
「あ、うぉッ、危ねぇぞ!!!」
「ふんッ!」
ブァァワゥワゥワァァァ
(このトロッコってそんなキメェ音すんだな……。)
運転手によって排気音の音も変わるなんて、この世には気味の悪いこともまだまだあるものである。
ベルギー・ポルトガルが、トロッコ運転の主導権を握ったフランスに気付き、口々に言い放つ。
「ちょっ、フランスさん!なぁに運転してんすか!!」
「何さ!悪い!?」
「成金は成金でも、野性的なんだな……。」
「今、聞き捨てならない言葉が聞こえた気がするなぁ!?ポルトガルくん!!?!」
「にしても下手な運転だなァ、お前はよォ。潰すぞ?」
「ずっと物騒だな、キミは……。」
「いざとなったら、このヌーヴォー・リッチ 一緒に潰そうなぁ、ドイツ???」
「え……、」
「あぁ?」
「う……、あぁ、うん……。」
「はぁ!?かかってきなさいよぉ!!!英独まとめてサバット勝負してやるわ!!!」
「は?サ、サバ……?」
無理して張り合うお坊ちゃまの荒い運転の行く先とは一体……。
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「オスマン様が死んじゃうとはなぁ……、どうしたもんかなぁ。」
悩む彼の名は、アルジェリア。
“王権” - オスマン帝国の眷属として仕えていたマグリブ達の内の一人である。
「新しい仕事を探すにしても、どこに行けば良いんだろう……。こんな僕を見込んで、雇ってくれるとこなんて………。」
バサァッ
「あっ!うわぁ……、砂糖こぼしちゃった……。もう………、、、」
砂糖は、入るはずだったコーヒーの、カップのすぐの横に積もっている。
「はぁ、僕なんか全然ダメダメだなぁ。……その点、チュニジアくんやリビアくんは凄いよなぁ。皆と仲いいし、役職もどんどん偉くなっちゃってさ。やっぱり家系が王族由来だからかなぁ……、僕は普通の家系だし。だからモロッコくんとも仲良くなれないのかなぁ……、はぁ……。」
砂糖を掃除するごとに、心の埃は増していく。
自分は人並みに人の役に立てているのか。自分のすることは人のために成っているのか。
そんなこと、出来ていない気がする。
そう思ってしまい出すと、もう止まらない。
いや、これは良くない連鎖だ。
まだ時間も早い。
もう一度横になって、一旦この負のスパイラルをリセットしよう。
そう考えて、階下に降りた。
1階は静かだ。
心が休まる。
――家の周りには砂漠がどこまでも広がっていて、その砂漠は今もなお広がっている。
微かに聞こえる弦楽器のような音は、ラバーブだろうか。
……違う。
この揺れるように響く音は、弦楽器ではない。
エンジン音だ。
僕の家に向かってくる。
轟音はどんどん近くなってきている。
凄いスピードを出しているようだ。
少し見に行ってみようかな。
ん?
何か声が聞こえるぞ?
「~~~じゃないって!?!」
「~れ殺すぞ。」
「~~ぁぁぁ五月蝿いッ!!どいつもこいつも物騒だし失礼ッ!!!あぁーーもーどーなったっていーやぁ!!この家貫いてやる!!!頭低くしろよ!!!」
「貴方も盗賊のやり口ですかぁ、!?」
「五月蝿いって言う方が五月蝿い。」
「だから!それが!うぅぅぅるぅさぁぁぁぁあああいッッ!!!!」
ドカァァァン
壁がぶち抜かれた。
僕の、目の前で。
僕の、家が。
壁の破片が砕け散る。
入ってきたのは、客車みたいな、トロッコみたいな車だった。
……なんだ、あの見るからに成金お坊ちゃんの運転手。
なんだ、その後ろの小綺麗な典型的ヤンキー。
バコォォォン
もう片方の壁がぶち抜かれ、僕の今いるこの部屋は完全に貫通した。
たった数秒の出来事だった。
そのまま、その車みたいな乗り物は砂の大地の向こうへと走り去っていった。
「………僕の、………家、が………?」
朝の砂粒に照らされた強い日差しが、家中に差し込んでいた。
「クソ、野郎だ……。」
朝から色々ありすぎて感情が混濁してはいるが、僕の中には明確に「怒り」があった。
僕がやっつけてやる。
あんな奴ら、野放しにしておいたら今後何をしでかすか分からない。
皆に被害を受けてもらいたくない。
「僕が、やっつけてやるんだ……!絶対に……!!」
彼奴らをやっつければ、この後ろめたさも、この心のモヤモヤも、全部一緒に吹き飛ぶと思った。
そんな、複雑な朝だった。
--------------------------------
その後もイギリス・フランス御一行は、色んな建物をぶち抜き、壊し、宝物を盗んでいった。
途中、砂丘の向こうに、馬に乗った2つの人影が見えた。
片方は橙色と緑色の服で、もう片方は深い藍色の服を纏っているように見えた。
本当は 拍車 も欲しかったが、流石に遠すぎたので諦めたのだった。
【獲得物】
・女王ディドの剣
(チュニジアにて)
・バルバロッサの剣
(トリポリ・リビアにて発見)
・ロゴーヌ河畔産 象牙の杯
(チャドにて)
【獲得断念】
・カネム=ボルヌ帝国軍隊の拍車 ×2
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