英雄王の末裔 ~青のラファール~

カザハナ

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~王都への道中と王都エルム~

エルム出立と港町エルト・デ・ルム

  ※すいません。ウィルバル➡ウィルヴァルです。古代語の訳関係なので、最初の方も改名しました。



 王都の名所や穴場をウィルヴァルおじさんが効率良くあちこち連れ回す。
 陛下もあまり来た事のない場所を選んだのだろう、陛下の目がキラキラしてる。勿論他のセスや兄さんだって。アーヤも喜んでいるけど、他の人にはちょっと分かりにくいかな?
 ああ、因みに僕はラファス兄と探索してるから、全部来た事のある場所だったよ。でも、何度来ても良い場所ってあるよね、ウィルヴァルおじさんが案内したのはそういった厳選された場所が多かった。あと、休憩や昼食に寄った店の料理も旨かった♪
 たっぷり王都を堪能しながら、あちこちの店にも覗いて、セスに要りそうな物や補充する物も買っておいた。
 夕方、僕達はウィルヴァルおじさんの家、陛下は城に戻る頃、陛下が僕に話し掛けてきた。

「ラルはいつ王都を出るんだ?」

 陛下の質問に、僕は答える。

「ん~……。明日の昼頃かな。エルト・デ・ルムに行って船の手配しなきゃだし。暫くはこの大陸に帰って来ないと思うから、エルト・デ・ルムも少しはいるけど、あんまり長くいると、自業自得とはいえヘグルス変換機器をぶっ壊した兄さんの体調も良くはならないしね」

 いきなり悪化という事はないが、通常より負荷が強いのは当たり前。
 アーヤとセス、三人だけの旅なら日数を気にせず、もっとゆっくり出来たんだけどね。

「そうか。まぁまたエルムに来た時は顔を見せてくれ。待っているからな」
「うん。ウファル兄もそれまで元気でね。何かあったら連絡して」

 僕は陛下に僕の作った通信機を渡してある。それで呼び出せば一発だ。それに、王位継承者には、一応代々赤の血族の血で作られた石が渡される。陛下が持ってる石はラファス兄の石。緊急時、もし陛下の身に何かあった場合はラファス兄が陛下を守るから、全く心配ないけどね。
 もし陛下を裏切り謀叛を起こす者がいた場合、赤の血族を敵に回す事だから、悪しからずってね。
 赤の血族は人間の争いに基本的に介入しないけど、フォルゼ領域に関する場合は別。王が代わるのは良いけど、こっちに攻め込んで来られてもウザいだけだから。
 何よりフォルゼは人間が踏み込んで良い場所じゃない。赤の血族が認めた者以外はお帰り願うからね。
 王家とは代々密約を交わしてるからこそ陛下を守る義務があるのだ。

「じゃあね、ウファル兄。また今度」
「ああ、またな」

 いつもと変わらない挨拶を交わして陛下と別れる。

「ウファルさんと何話してたの?」

 兄さんが聞いてくる。

「単なる挨拶だよ。明日の昼にここを離れるから宜しくね」
「明日?急じゃない?」
「まだここにいてもいいけど、兄さんの体調不良は中央デ・トルト大陸に行かない限り戻らないよ。そのままでいいの?」
「うん、行こう。明日だね。直ぐ出られるように準備しなきゃ!」

 おいおい、自身の不調の原因忘れてただろ……。言わなきゃそのまま忘れてたのかよ。どんだけ……。これ僕が面倒見なきゃ駄目なの?あったま痛ぁ~……。
 あと、エルト・デ・ルムに着いても直ぐ船に乗れる訳じゃないからね?船も選ばないといけないし、交渉もしなきゃだしね。



 翌日の昼に、ウィルヴァルおじさんの家を出て、港町のエルト・デ・ルムに向かう。エルト・デ・ルムはこの大陸の玄関口で、エルムからは馬車で10ゼティル(※10時間)程で、夕方に着く。

「……海だ」

 セスがポツリと呟く。ここまでの旅では、海は一切見れなかったからね。そして住んでた村も海は見えない。だからセスは海そのものが初めてなのだ。

「ここら辺の海は紺碧だけど、場所によっては赤や透明、黄色や紫、様々な色合いになるからね。因みにこれから行く中央は緑系の海が多いかな」
「この辺の海は夜光る。とっても綺麗だよ」
「えっ?!何それ?!僕それ知らないよ!」

 ああ、ずっと寝込んでたって言ってたな。

「取り敢えず、僕のよく使う宿屋に行くよ。顔見知りだし、ある程度の融通は聞いてもらえるからね。アーヤも行った事のある場所だよ」
「そういえば、アキーシィヤは来た事あるって言ってたけど、セレヴィスは来た事ないの?」
「ああ、俺は村を出る事自体、これが初めてだから」

 セスの言葉に驚く兄さんだけど、僕の村はチェリクの北側からしか行けないし、そのチェリク自体初めてなんだから当然だよ。

「でも、ラファールは他の大陸まで行ってるんでしょ?!」
「ラルは特殊というか……そもそも俺達の村は、大人でも滅多に村から出ません」
「そういう物なの?!でも、ラファールは?」
「僕ん所は例外。僕の場合、代々必ず旅をする家系だから。アーヤがここまで旅した事があるのはその僕達に同行したからであってそれ以外で来てはない」
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