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~トルク領域~
砂漠の町エコーム
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砂漠の町、エコームに到着。早速宿屋に向かい部屋を取る。着いたのは昼過ぎだから、宿で昼食を取り、思い思い過ごす事に。
夜にバザーを開催してるから、夜は皆でバザーに行こうと言っておいた。エコームは色んな場所から物が集まるから、結構大きな市場になる。当然人も多く、スリやぼったくり、犯罪者もいたりするから、兄さんを野放しにすると全財産なくなったって事になりかねないからね。兄さんは自業自得って言ってやるけど、セスは慣れてないし、僕の近くが一番安全だから、一緒の方がどうとでもなるしね。
こういったバザーは掘り出し物が多数存在するし、価値を知らない人からすれば、吃驚する程の安価で手に入る事も少なくない。ただし、目利きの出来る人がいないと逆に大損食らう事もあるから分からない物は買わずにいるか、損を覚悟で買うかだね。
僕はある程度の物は判別可能だし、偽物かどうかも区別出来るから、得する事が殆どだけどね。正規価格も知ってるのが殆どだし、ラファス兄程じゃないにしても、他の目利き人よりかは上だと思う。物の見る分野も幅広いしね。
そんな訳で、夜のバザーへとやってきた僕達。
夜は夜で昼とは違う空気を纏う。
「昼と雰囲気が全然違う……。何だ?あれ」
セスが視線を向けた先にあるのは変わった形をした御守り。
「ああ、あれはこの辺りに伝わる精獣の形をした御守りだよ。この砂漠のどこかには古代遺跡があって、その遺跡の奥深くに精獣が眠ってるって言い伝えられてるんだよ。ただし、遺跡は砂漠に埋もれて出入り出来ないし、入り口が見付かったとしても多分魔物がうじゃうじゃいるだろうねぇ。古代からある遺跡だと、魔力が今とは桁外れに強いから、魔物も規格外の強さを持ってる可能性が高いんだよね。だから万一見付けても、絶対一人で踏み込まない事。ディールは基本行動範囲が決まってるけど、種によって行動範囲が違うから要注意」
古代の遺跡の最深部には誰も踏み入れてない所が多いんだよね。だから、未だに最深部に宝や遺跡を守る精獣がいたり、遺跡の主がいたりするんだって。
ラファス兄も聖騎士団の仕事の依頼で古代語専門の学者……と呼ばれてるけど、僕達古代種精霊人からすれば、紛い物と言いたくなる程お粗末な専門家……まぁ、古代関連の専門家なんて、そんな人ばっかだから今更だけどね。その学者さんがその遺跡のお宝に触れて、古代精獣が出てきたらしく、仕方なしに打ち負かしたんだって。
その遺跡のお宝はラファス兄が打ち負かした精獣を封じ込めた物で、使役出来る物だったみたいだけど、精獣封じ込めて意のままにって考え方自体気に食わないラファス兄はそのお宝を破壊したんだけど、その行動が精獣に気に入られて主認定されたっぽい。
その話を聞いてた時、ラファス兄は不本意丸出しだったから、ラファス兄からすれば、学者さんの所為で傍迷惑被ったって思っているんだと思う。
因みにその学者さんは、ラファス兄の脅しと聖騎士団の隊長であるレヴァーノ=ハイレス様、レノ兄に学者の問題行動を報告して聖騎士団を出禁にさせたらしい。
あの学者さん、割りと色々やらかしてくれてたからなぁ。
「分かった、気を付けるよ」
セスは兄さんと違い、素直に僕の言葉を聞いてくれるから本当楽だ。
兄さんは何でもかんでも聞いてくるけどセスの場合は自分で考えてくれる。考えずに何でも聞いてくるのと考えても分からないから聞いてくるのとは全くの別物だからね。
「御守りは気に入ったのがあれば買うと良いよ。魔物避けとか幸運とか、ちょっとした付加が付いてたりするからね」
「付加?」
「鉄とかの金属系は付加を付けるのが難しいけど、御守りとかは魔力や想いを通し易い物を使ってるんだよ。作る時に魔物と遭遇しません様に~とか、幸せであります様に~とか、そんな感じで念じながら彫ったりすると作り手の魔力や想いで効果が付くんだって。物によっては壊れちゃうけど、壊れるって事は効果が出た後って事だから壊れる前提で買った方が良いよ。値段が高い物はそれなりの付加が付いてたり、壊れ難かったりだから、そこは買う本人次第って所かな?」
「なるほど……じゃあ、少し見てきて良いか?」
「うん、僕も行くよ。アーヤもおいで。値段は気にせず2個でも3個でも好きなの選んで。これは必要経費で僕が出す」
お金は魔物退治の後に換金したお金を分けてるけど、セスはあまり受け取ろうとしないので、必要経費は全部持つからと言っている。一応万一に備えてある程度のお金は渡してある。まぁ大金にはなるかもだけど、僕の渡した収納ボックスはセスしか取り出せない設定にしたからって言ったら何とか受け取ってくれた。
大丈夫だとは思うけど、道中はぐれたりしたら大変だからね。目的地は前もって言いはするけど、それでも合流に時間が掛かる場合もあるからね。
一番はぐれ易いのは戦闘員である僕や兄さんだから、僕が一人で持つとバランスが悪いから、アーヤにも半分近くのお金を持ってもらってる。
僕はお金を稼ごうと思えばいくらでも稼げるからね♪無一文でも生きていけるぐらいはラファス兄に仕込まれてるからね。
夜にバザーを開催してるから、夜は皆でバザーに行こうと言っておいた。エコームは色んな場所から物が集まるから、結構大きな市場になる。当然人も多く、スリやぼったくり、犯罪者もいたりするから、兄さんを野放しにすると全財産なくなったって事になりかねないからね。兄さんは自業自得って言ってやるけど、セスは慣れてないし、僕の近くが一番安全だから、一緒の方がどうとでもなるしね。
こういったバザーは掘り出し物が多数存在するし、価値を知らない人からすれば、吃驚する程の安価で手に入る事も少なくない。ただし、目利きの出来る人がいないと逆に大損食らう事もあるから分からない物は買わずにいるか、損を覚悟で買うかだね。
僕はある程度の物は判別可能だし、偽物かどうかも区別出来るから、得する事が殆どだけどね。正規価格も知ってるのが殆どだし、ラファス兄程じゃないにしても、他の目利き人よりかは上だと思う。物の見る分野も幅広いしね。
そんな訳で、夜のバザーへとやってきた僕達。
夜は夜で昼とは違う空気を纏う。
「昼と雰囲気が全然違う……。何だ?あれ」
セスが視線を向けた先にあるのは変わった形をした御守り。
「ああ、あれはこの辺りに伝わる精獣の形をした御守りだよ。この砂漠のどこかには古代遺跡があって、その遺跡の奥深くに精獣が眠ってるって言い伝えられてるんだよ。ただし、遺跡は砂漠に埋もれて出入り出来ないし、入り口が見付かったとしても多分魔物がうじゃうじゃいるだろうねぇ。古代からある遺跡だと、魔力が今とは桁外れに強いから、魔物も規格外の強さを持ってる可能性が高いんだよね。だから万一見付けても、絶対一人で踏み込まない事。ディールは基本行動範囲が決まってるけど、種によって行動範囲が違うから要注意」
古代の遺跡の最深部には誰も踏み入れてない所が多いんだよね。だから、未だに最深部に宝や遺跡を守る精獣がいたり、遺跡の主がいたりするんだって。
ラファス兄も聖騎士団の仕事の依頼で古代語専門の学者……と呼ばれてるけど、僕達古代種精霊人からすれば、紛い物と言いたくなる程お粗末な専門家……まぁ、古代関連の専門家なんて、そんな人ばっかだから今更だけどね。その学者さんがその遺跡のお宝に触れて、古代精獣が出てきたらしく、仕方なしに打ち負かしたんだって。
その遺跡のお宝はラファス兄が打ち負かした精獣を封じ込めた物で、使役出来る物だったみたいだけど、精獣封じ込めて意のままにって考え方自体気に食わないラファス兄はそのお宝を破壊したんだけど、その行動が精獣に気に入られて主認定されたっぽい。
その話を聞いてた時、ラファス兄は不本意丸出しだったから、ラファス兄からすれば、学者さんの所為で傍迷惑被ったって思っているんだと思う。
因みにその学者さんは、ラファス兄の脅しと聖騎士団の隊長であるレヴァーノ=ハイレス様、レノ兄に学者の問題行動を報告して聖騎士団を出禁にさせたらしい。
あの学者さん、割りと色々やらかしてくれてたからなぁ。
「分かった、気を付けるよ」
セスは兄さんと違い、素直に僕の言葉を聞いてくれるから本当楽だ。
兄さんは何でもかんでも聞いてくるけどセスの場合は自分で考えてくれる。考えずに何でも聞いてくるのと考えても分からないから聞いてくるのとは全くの別物だからね。
「御守りは気に入ったのがあれば買うと良いよ。魔物避けとか幸運とか、ちょっとした付加が付いてたりするからね」
「付加?」
「鉄とかの金属系は付加を付けるのが難しいけど、御守りとかは魔力や想いを通し易い物を使ってるんだよ。作る時に魔物と遭遇しません様に~とか、幸せであります様に~とか、そんな感じで念じながら彫ったりすると作り手の魔力や想いで効果が付くんだって。物によっては壊れちゃうけど、壊れるって事は効果が出た後って事だから壊れる前提で買った方が良いよ。値段が高い物はそれなりの付加が付いてたり、壊れ難かったりだから、そこは買う本人次第って所かな?」
「なるほど……じゃあ、少し見てきて良いか?」
「うん、僕も行くよ。アーヤもおいで。値段は気にせず2個でも3個でも好きなの選んで。これは必要経費で僕が出す」
お金は魔物退治の後に換金したお金を分けてるけど、セスはあまり受け取ろうとしないので、必要経費は全部持つからと言っている。一応万一に備えてある程度のお金は渡してある。まぁ大金にはなるかもだけど、僕の渡した収納ボックスはセスしか取り出せない設定にしたからって言ったら何とか受け取ってくれた。
大丈夫だとは思うけど、道中はぐれたりしたら大変だからね。目的地は前もって言いはするけど、それでも合流に時間が掛かる場合もあるからね。
一番はぐれ易いのは戦闘員である僕や兄さんだから、僕が一人で持つとバランスが悪いから、アーヤにも半分近くのお金を持ってもらってる。
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