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~フィルゼン領域~
旅の再開
「お帰り、ラル。思ってたより早くて安心したわ」
「うん。今回はちょっと切羽詰まって、最強の助っ人呼んだからね。今度時間があったら紹介するよ♪」
「……うん」
僕の言葉でアーヤは誰の事か、予想が付いただろう。兄さんが憧れだとか言ってたから、アル兄の名前を出さずにただ頷く。僕が兄さんに紹介する気がないのも気付いている事だろう。本当、アーヤってば察しが良いから大好きさ♪
ただ少し残念なのは、アーヤの表情が殆ど変わらない事かな。
アーヤの場合、家族や僕の家族以外だとどうしても緊張するのか警戒するのか、無表情である事が多いけど、僕に敵意向ける奴には結構容赦ないんだよねぇ。
そして今現在、いつもなら僕に安堵の笑みを見せてくれる筈のアーヤが、ほぼ無表情。その理由は僕を犯罪者扱いしてた騎士団員達の存在って所かな。
誤解が解けたとはいえ、僕を冤罪で捕まえようとした事に変わりはないからね。早々に街を出た方が良いだろう。
「さて、久々に旅に出ようか。街を出る準備は出来てる?」
僕の言葉にアーヤが頷き、団員達は戸惑う。
「もう出られるのですか?そう言わず、もう少し留まって頂ければ、お詫びも含めておもてなし致します」
「う~ん、お誘いは有難いけど、もう行くよ。アーヤもセスも、同じ街にずっといるより色んな所へ行きたいよね。僕も身体が鈍ってきてるし、身体を動かしたいんだよ。どうせいつでも来れるんだし、機会があればまたって事でいいかな?」
追い掛け回されて、日課のトレーニングもここ数日、全然出来てないんだよね。本部にいた時、アル兄が少しだけ相手してくれてたけど、一応安静言い渡されてたから、本当にちょっとの時間しか相手してもらえなかったんだよ。それだって僕が、身体鈍る~、少しで良いから身体動かしたい~、誰かと手合わせしたい~、って言ったからで、言わなかったらそのままベッドで安静って事になってたと思う。
一応ラファス兄にも大丈夫か、通話機で確認されたけど、僕が睡眠優先しようとしてないなら大丈夫だとラファス兄が言ってくれたから、少しだけならとアル兄が僕の様子を見ながら相手をしてくれたんだ。
本当は今回の元凶であるウル兄に相手をさせても良かったんだけど、骨を折ってるし、机仕事の方がウル兄にとって苦行だろうから、当分の間は机仕事をガッツリさせるらしい。
因みにウル兄の骨折は、治癒魔法やヒーリングで治せるけど、自業自得だから治癒魔法やヒーリング、回復薬等は一切使用させないみたい。
治癒魔法とヒーリングの違いは、大まかに言えば魔力を使うか使わないか。
治癒魔法は使用者の魔力が必要だけど、取得するには精霊魔法に精通しなければならず、ヒーリングは対象者の自己再生能力を高めるもので魔力はいらない。ただし、骨折や軽傷なら良いけど、重傷や毒、感染症といった病等では悪化する可能性がある為、見極めが肝心なのだ。その為治癒魔法やヒーリングを使える者はかなり少ないけど、治癒魔法の使い手の一人がレノン=クラザ様……僕はレン兄って呼んでるけど、特部の一人で北西大陸の王子様、ヒーリング使い手の一人がレノ兄だったりする。
「お前は休まなくて大丈夫なのか?」
セスが心配そうに僕を見る。
「大丈夫だよ。本部で数日間保護してもらってたから。その間に緊急指令で僕の冤罪に関する指令の取り消しや注意を促してくれてるから、犯罪者扱いされる事はない筈だけど、一応念のために本部の隊長格の人に一筆書いてもらった。だからいつでも行けるし、この街以外でも安全だよ」
僕の言葉にセスがホッとした顔をする。
兄さんにもセス程の気遣いが少しでもあれば良いのにね。
宿でお金を精算し、街を出て、僕がアル兄を呼び出した場所の近く、フィルゼン最北の街へと向かう。
あの時は街には入らなかったんだよなぁ。追っ手が増える可能性も高かったし、街中で騒動を起こせば他に被害が出かねなかったから。
でも、あんな人海戦術、二度と御免だから、アル兄みたく、空を猛スピードで自由に移動出来るメカでも開発しよう。折り畳み式で、一人~二人用、場合によっては三~四人と考えて……うん。用途に合わせて二種類作ろう。急ぎじゃないけど、ウル兄がまた何かをやらかす前がいいしね。
時折遭遇する弱い魔物を一人で蹴散らしつつ、フィルゼン最北の街、アルタへと着く。アルタは風の愛し子が産まれる事が他と比べて多いのか、古代語で“風の愛し子を出す”又は“風の魔力を解き放つ”といった意味の名だ。
比較的新しい場所でも古代語読みが通用する場合もあるけど、昔からある場所とかは、現在では意味を忘れられただけで、未だにその名に相応しい場所であったり、名の影響が色濃く出てたりするから、古代語が解る僕にとっては、とても面白い場所だったりする。民話とか民謡とか、古代語での意味が遺跡の道順とか特別な場所とか、場合によっては普通に行ったら行けない場所とかもあるからね♪
アルタも何度か行った事あるけど、新しい発見があればいいなぁ。
「うん。今回はちょっと切羽詰まって、最強の助っ人呼んだからね。今度時間があったら紹介するよ♪」
「……うん」
僕の言葉でアーヤは誰の事か、予想が付いただろう。兄さんが憧れだとか言ってたから、アル兄の名前を出さずにただ頷く。僕が兄さんに紹介する気がないのも気付いている事だろう。本当、アーヤってば察しが良いから大好きさ♪
ただ少し残念なのは、アーヤの表情が殆ど変わらない事かな。
アーヤの場合、家族や僕の家族以外だとどうしても緊張するのか警戒するのか、無表情である事が多いけど、僕に敵意向ける奴には結構容赦ないんだよねぇ。
そして今現在、いつもなら僕に安堵の笑みを見せてくれる筈のアーヤが、ほぼ無表情。その理由は僕を犯罪者扱いしてた騎士団員達の存在って所かな。
誤解が解けたとはいえ、僕を冤罪で捕まえようとした事に変わりはないからね。早々に街を出た方が良いだろう。
「さて、久々に旅に出ようか。街を出る準備は出来てる?」
僕の言葉にアーヤが頷き、団員達は戸惑う。
「もう出られるのですか?そう言わず、もう少し留まって頂ければ、お詫びも含めておもてなし致します」
「う~ん、お誘いは有難いけど、もう行くよ。アーヤもセスも、同じ街にずっといるより色んな所へ行きたいよね。僕も身体が鈍ってきてるし、身体を動かしたいんだよ。どうせいつでも来れるんだし、機会があればまたって事でいいかな?」
追い掛け回されて、日課のトレーニングもここ数日、全然出来てないんだよね。本部にいた時、アル兄が少しだけ相手してくれてたけど、一応安静言い渡されてたから、本当にちょっとの時間しか相手してもらえなかったんだよ。それだって僕が、身体鈍る~、少しで良いから身体動かしたい~、誰かと手合わせしたい~、って言ったからで、言わなかったらそのままベッドで安静って事になってたと思う。
一応ラファス兄にも大丈夫か、通話機で確認されたけど、僕が睡眠優先しようとしてないなら大丈夫だとラファス兄が言ってくれたから、少しだけならとアル兄が僕の様子を見ながら相手をしてくれたんだ。
本当は今回の元凶であるウル兄に相手をさせても良かったんだけど、骨を折ってるし、机仕事の方がウル兄にとって苦行だろうから、当分の間は机仕事をガッツリさせるらしい。
因みにウル兄の骨折は、治癒魔法やヒーリングで治せるけど、自業自得だから治癒魔法やヒーリング、回復薬等は一切使用させないみたい。
治癒魔法とヒーリングの違いは、大まかに言えば魔力を使うか使わないか。
治癒魔法は使用者の魔力が必要だけど、取得するには精霊魔法に精通しなければならず、ヒーリングは対象者の自己再生能力を高めるもので魔力はいらない。ただし、骨折や軽傷なら良いけど、重傷や毒、感染症といった病等では悪化する可能性がある為、見極めが肝心なのだ。その為治癒魔法やヒーリングを使える者はかなり少ないけど、治癒魔法の使い手の一人がレノン=クラザ様……僕はレン兄って呼んでるけど、特部の一人で北西大陸の王子様、ヒーリング使い手の一人がレノ兄だったりする。
「お前は休まなくて大丈夫なのか?」
セスが心配そうに僕を見る。
「大丈夫だよ。本部で数日間保護してもらってたから。その間に緊急指令で僕の冤罪に関する指令の取り消しや注意を促してくれてるから、犯罪者扱いされる事はない筈だけど、一応念のために本部の隊長格の人に一筆書いてもらった。だからいつでも行けるし、この街以外でも安全だよ」
僕の言葉にセスがホッとした顔をする。
兄さんにもセス程の気遣いが少しでもあれば良いのにね。
宿でお金を精算し、街を出て、僕がアル兄を呼び出した場所の近く、フィルゼン最北の街へと向かう。
あの時は街には入らなかったんだよなぁ。追っ手が増える可能性も高かったし、街中で騒動を起こせば他に被害が出かねなかったから。
でも、あんな人海戦術、二度と御免だから、アル兄みたく、空を猛スピードで自由に移動出来るメカでも開発しよう。折り畳み式で、一人~二人用、場合によっては三~四人と考えて……うん。用途に合わせて二種類作ろう。急ぎじゃないけど、ウル兄がまた何かをやらかす前がいいしね。
時折遭遇する弱い魔物を一人で蹴散らしつつ、フィルゼン最北の街、アルタへと着く。アルタは風の愛し子が産まれる事が他と比べて多いのか、古代語で“風の愛し子を出す”又は“風の魔力を解き放つ”といった意味の名だ。
比較的新しい場所でも古代語読みが通用する場合もあるけど、昔からある場所とかは、現在では意味を忘れられただけで、未だにその名に相応しい場所であったり、名の影響が色濃く出てたりするから、古代語が解る僕にとっては、とても面白い場所だったりする。民話とか民謡とか、古代語での意味が遺跡の道順とか特別な場所とか、場合によっては普通に行ったら行けない場所とかもあるからね♪
アルタも何度か行った事あるけど、新しい発見があればいいなぁ。
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