71 / 113
~フィルゼン領域~
自業自得というものです。
つまり、この子達はこれを落として壊れたと思った訳か。ドラゴンが踏みつけても壊れないって言われてる程のドワーフ製品が、落としたぐらいで壊れる訳ないのになぁ。
まぁ、知らなかったんだから仕方ないけど、物を粗雑に扱われるのは嫌なので、勿論僕は黙っとく。
「おっ、おじいさまは気にするなって言ってくれたけど、でも、でも……」
この双子は地主……要はこの街の街長の子供達で、上の子は街長を補佐する人の子供。双子達の遊び相手で兄弟のように育ったそうだ。
「ねぇ、君達の両親やおじいちゃんは、君達がこうして出歩いてる事知ってるの?」
泣いてる子を慰める、なんて僕はしない。僕の役目じゃないしね。
「……知ってる。僕がちゃんと面倒見るって言ってあるから」
上の子が言うけど、最初に目が泳いでたから、全然信用出来ないよ?宿屋付近を子供達だけで行かせる街長がどこにいるのさ。後ろから護衛が隠れて付いてきてるなら未だしも、そういった気配はこの辺りで感じないからね。
「それは家の周辺の話じゃないの?僕が聞きたいのは、宿屋付近の事だけど。ああ、一応この辺りも入るかな?」
「そんな事、お前に関係ないだろ」
「まぁね。でも、目的はこれか、それとも君達の誘拐か。僕的には後者だと思うけど?」
「何言ってるんだ?」
「治安が良いからって犯罪者がいないとは限らないって事だよ。そうだよね?おじさん達!」
僕が周りにも聞こえるような声を出す。と、少し離れた場所から十人近くの破落戸っぽい男達が出てきた。
「?!」
三人の子供達は驚き、僕と破落戸達を見比べる。
そして上の子が、双子を庇い、僕からも距離を取ろうと後退る。……って、僕はあれの仲間じゃないよ。
勿論いたのは知ってたけどね。
ずっと二人でこの子達を付け回し、人気のないここで立ち話してる間に一人が仲間を呼びに行き、仲間が集まってくるのを待ってたなんて事はさ。
宿屋の窓からこの子達を見てた時に気付いたし、仲間が集まってくるのを待ってたのはそっちの見張りだけじゃないからね。
まぁ、宿で面白話が聞けたから、通報じゃなく、後を追って話し掛ける事にしたんだけど。
破落戸達を見回し、取り敢えず真っ赤な偽者がいない事を確認する。
(たま~にいるんだよなぁ。ラファス兄の偽者が。いたら勿論容赦なく、二度と武器なんて持てないようにしてやるけどね。ラファス兄の名を騙る奴に優しさなんてやる気は一切ない)
「悪いね、おじさん達。僕はこの子達を見捨てる気はないんだ。一応聞くけど、諦める気はないよね?」
「諦める?何をだ?小僧」
ニヤニヤ嘲笑う破落戸達に僕は笑顔で返す。
「まぁ無理っぽいね。いいよ。相手してあげる。恨むんなら、自分達の運の無さを恨んでね?」
僕の言葉にキョトンとする破落戸達。
「「「グハハハハッ!オレ達を相手にするってか?!」」」
「良い度胸だな、小僧!」
「運が無いのはお前だよ!」
まぁ、恨んできたって痛くも怖くもないけどね。
僕が背中に担いだ両手持ち剣を抜き、構える。
やっと僕の本気に気付いたのか、警戒しながら破落戸達も武器を出し、僕に向かってくる。
結果は当然僕の完全圧勝。勿論一人も逃さず時間も掛けず、殺しちゃないけど死屍累々って感じだね。
その光景に、三人の子供達がガタガタ震えてびびってたけど、本来狙われてたのは君達だからね?って忠告してやったら、僕に『疑ってごめんなさい。有難うございました!!』って頭下げてきた。顔色は悪いままだけど、良しとしよう。
破落戸達をこのまま放置する訳にもいかないけど、この場を離れるのもなぁ。と思ってたら、上空に風の精霊が通り掛かったので、声を掛けて聖騎士団の団員の人を呼んできて欲しいと頼んだ。風の精霊は気まぐれだけど、僕は精霊人だし、風の長の契約者でもあるアル兄とも仲が良いから、快く頼まれてくれた。
風の精霊が僕の事を色々喋ったのか、団員の人達の僕に対する対応がすこぶる良かった。多分、ウル兄がやらかした事やアル兄と仲が良い事も話したんだと思う。冤罪対策として、風の精霊達にも協力してもらうって言ってたからね。
破落戸達は、襲ってきたから返り討ちにした。とだけ言って置いた。嘘じゃないしね。
団員のお兄さん達が、破落戸達を縛り上げて支部に連行して行ったのを見送りながら、子供達に話し掛ける。
「さてと、邪魔者はいなくなったし、交渉の再開としようか」
「はっ、はい」
そんな怯えなくても、取って食う訳じゃないのになぁ。
「おまっ……あなたは何者なんですか?」
「普通に喋ってもいいよ。言ったよね、メカエンジニアだって」
「そっ、そんな訳ないだろ!あんな大勢の大人相手にメカも使わず剣でやっつけるなんて、どこがメカエンジニアなんだよ?!」
「僕は闘うメカエンジニアだからね。剣士でありメカエンジニアでもあるんだよ」
まぁ、知らなかったんだから仕方ないけど、物を粗雑に扱われるのは嫌なので、勿論僕は黙っとく。
「おっ、おじいさまは気にするなって言ってくれたけど、でも、でも……」
この双子は地主……要はこの街の街長の子供達で、上の子は街長を補佐する人の子供。双子達の遊び相手で兄弟のように育ったそうだ。
「ねぇ、君達の両親やおじいちゃんは、君達がこうして出歩いてる事知ってるの?」
泣いてる子を慰める、なんて僕はしない。僕の役目じゃないしね。
「……知ってる。僕がちゃんと面倒見るって言ってあるから」
上の子が言うけど、最初に目が泳いでたから、全然信用出来ないよ?宿屋付近を子供達だけで行かせる街長がどこにいるのさ。後ろから護衛が隠れて付いてきてるなら未だしも、そういった気配はこの辺りで感じないからね。
「それは家の周辺の話じゃないの?僕が聞きたいのは、宿屋付近の事だけど。ああ、一応この辺りも入るかな?」
「そんな事、お前に関係ないだろ」
「まぁね。でも、目的はこれか、それとも君達の誘拐か。僕的には後者だと思うけど?」
「何言ってるんだ?」
「治安が良いからって犯罪者がいないとは限らないって事だよ。そうだよね?おじさん達!」
僕が周りにも聞こえるような声を出す。と、少し離れた場所から十人近くの破落戸っぽい男達が出てきた。
「?!」
三人の子供達は驚き、僕と破落戸達を見比べる。
そして上の子が、双子を庇い、僕からも距離を取ろうと後退る。……って、僕はあれの仲間じゃないよ。
勿論いたのは知ってたけどね。
ずっと二人でこの子達を付け回し、人気のないここで立ち話してる間に一人が仲間を呼びに行き、仲間が集まってくるのを待ってたなんて事はさ。
宿屋の窓からこの子達を見てた時に気付いたし、仲間が集まってくるのを待ってたのはそっちの見張りだけじゃないからね。
まぁ、宿で面白話が聞けたから、通報じゃなく、後を追って話し掛ける事にしたんだけど。
破落戸達を見回し、取り敢えず真っ赤な偽者がいない事を確認する。
(たま~にいるんだよなぁ。ラファス兄の偽者が。いたら勿論容赦なく、二度と武器なんて持てないようにしてやるけどね。ラファス兄の名を騙る奴に優しさなんてやる気は一切ない)
「悪いね、おじさん達。僕はこの子達を見捨てる気はないんだ。一応聞くけど、諦める気はないよね?」
「諦める?何をだ?小僧」
ニヤニヤ嘲笑う破落戸達に僕は笑顔で返す。
「まぁ無理っぽいね。いいよ。相手してあげる。恨むんなら、自分達の運の無さを恨んでね?」
僕の言葉にキョトンとする破落戸達。
「「「グハハハハッ!オレ達を相手にするってか?!」」」
「良い度胸だな、小僧!」
「運が無いのはお前だよ!」
まぁ、恨んできたって痛くも怖くもないけどね。
僕が背中に担いだ両手持ち剣を抜き、構える。
やっと僕の本気に気付いたのか、警戒しながら破落戸達も武器を出し、僕に向かってくる。
結果は当然僕の完全圧勝。勿論一人も逃さず時間も掛けず、殺しちゃないけど死屍累々って感じだね。
その光景に、三人の子供達がガタガタ震えてびびってたけど、本来狙われてたのは君達だからね?って忠告してやったら、僕に『疑ってごめんなさい。有難うございました!!』って頭下げてきた。顔色は悪いままだけど、良しとしよう。
破落戸達をこのまま放置する訳にもいかないけど、この場を離れるのもなぁ。と思ってたら、上空に風の精霊が通り掛かったので、声を掛けて聖騎士団の団員の人を呼んできて欲しいと頼んだ。風の精霊は気まぐれだけど、僕は精霊人だし、風の長の契約者でもあるアル兄とも仲が良いから、快く頼まれてくれた。
風の精霊が僕の事を色々喋ったのか、団員の人達の僕に対する対応がすこぶる良かった。多分、ウル兄がやらかした事やアル兄と仲が良い事も話したんだと思う。冤罪対策として、風の精霊達にも協力してもらうって言ってたからね。
破落戸達は、襲ってきたから返り討ちにした。とだけ言って置いた。嘘じゃないしね。
団員のお兄さん達が、破落戸達を縛り上げて支部に連行して行ったのを見送りながら、子供達に話し掛ける。
「さてと、邪魔者はいなくなったし、交渉の再開としようか」
「はっ、はい」
そんな怯えなくても、取って食う訳じゃないのになぁ。
「おまっ……あなたは何者なんですか?」
「普通に喋ってもいいよ。言ったよね、メカエンジニアだって」
「そっ、そんな訳ないだろ!あんな大勢の大人相手にメカも使わず剣でやっつけるなんて、どこがメカエンジニアなんだよ?!」
「僕は闘うメカエンジニアだからね。剣士でありメカエンジニアでもあるんだよ」
あなたにおすすめの小説
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
忘れ去られた婚約者
かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』
甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。
レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。
恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。
サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!?
※他のサイトにも掲載しています。
毎日更新です。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
竜の国のカイラ~前世は、精霊王の愛し子だったんですが、異世界に転生して聖女の騎士になりました~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
辺境で暮らす孤児のカイラは、人には見えないものが見えるために悪魔つき(カイラ)と呼ばれている。
同じ日に拾われた孤児の美少女ルイーズといつも比較されていた。
16歳のとき、神見の儀で炎の神の守護を持つと言われたルイーズに比べて、なんの神の守護も持たないカイラは、ますます肩身が狭くなる。
そんなある日、魔物の住む森に使いに出されたカイラは、魔物の群れに教われている人々に遭遇する。
カイラは、命がけで人々を助けるが重傷を負う。
死に瀕してカイラは、自分が前世で異世界の精霊王の姫であったことを思い出す。
エブリスタにも掲載しています。
公爵家の養女は静かに爪を研ぐ 〜元々私のものですので、全て返していただきます〜
しましまにゃんこ
恋愛
リヴィエール公爵家に養女として引き取られた少女、アリサ・リヴィエール。
彼女は華やかな公爵家の嫡子マリアとは対照的に、家でも学園でもひっそりと息を潜めて生きていた。
養女とは言っても、成人と同時に修道院へ入ることが決まっており、アリサに残された時間は僅かだった。
アリサはただ静かに耐えていた。
——すべてを取り戻す、その時まで。
実は彼女こそが、前公爵が遺した真の娘であり、水の加護を持つリヴィエール公爵家の正統なる後継者だった。不当に奪い取られた地位と立場。
アリサは静かに時を待つ。
一方、王太子リュシアン・ルミエールは、傲慢な婚約者マリアに違和感を抱きつつ、公爵家に隠された不正の匂いを嗅ぎ取っていく。
やがて二人の思惑は重なり、運命の卒業パーティーが幕を開ける。
奪われた名前も、地位も、誇りも——
元々、私のものなので。まとめて返してもらいます。
静かに爪を研いできた養女の、逆転ざまぁと溺愛ロマンス。
完結保証&毎日2話もしくは3話更新。
最終話まで予約投稿済み。
『5階にトラック突撃!?ポンコツ女神の使役権と地球通販を得た医学生、辺境の村でワスプ薙刀と現代医療を駆使し最強防衛ライフを始める』
月神世一
ファンタジー
マンションの5階でカレーを作っていたら、なぜかトラックが突っ込んできた件。
外科医を目指す医学生・中村優太(24)は、特製の絶品バターチキンカレーを食べる寸前、マンションの「5階」に突撃してきた理不尽なトラックによって命を落としてしまう。
目を覚ますと、そこはコタツでカップ麺を啜るジャージ姿の駄女神・ルチアナの部屋だった。
「飲み会があるから定時で帰りたい」と適当な理由で異世界転移をさせられそうになる優太だったが、怒りのガラポン抽選でユニークスキル【地球ショッピング】と【女神ルチアナこき使い権】を引き当てる!
かくして、ポンコツ女神を強制連行して剣と魔法の世界『アナステシア』に降り立った優太。
しかし、彼にはただのチートスキルだけではない、元SEALs直伝の「CQB(近接戦闘術)」、有段者の「薙刀術」、そして何より「現代医療の知識」があった――!
降り立った辺境のポポロ村で彼を待っていたのは、クセが強すぎる住人たち。
キャルル: マッハの飛び蹴りを放つ、ファミレス大好きなウサ耳村長。
リーザ: タダ飯とポイ活に命を懸ける、図太すぎる地下アイドル人魚。
ルナ: 善意で市場や生態系を破壊する、歩く大災害の天然エルフ。
ルチアナ: 優太のポイントでソシャゲ課金と酒を目論む、労働拒否の駄女神。
優太は【地球ショッピング】で召喚した現代物資と、自身のサバイバル能力&薙刀術で野盗や魔物を無双! さらには特製のスパイスカレーで異世界人の胃袋を完全に掌握していく。
そして、村人に危機が迫った時。
優太の「絶対に命を救う」という善意の心が、奇跡の黄金ガチャを引き起こす……!
「俺は医者だ。この村の命も、平和な日常も、俺の戦術(スキル)で全部守り抜く!」
現代の【医療・戦術・料理】×【理不尽ギャグ】×【異世界サバイバル】!
凶悪な「ワスプ薙刀」を振るい、ヤバすぎる仲間たちと送る、最強医学生のドタバタ辺境防衛ライフが今始まる!
神様が怒っています、と理系聖女は言った
あんど もあ
ファンタジー
瘴気が発生したある国が、異世界から聖女を召喚した。現れたのは、不機嫌な顔をした眼鏡をかけて薄汚い白衣を着た女性。『聖女のイメージと違う……』内心がっかりの人たちに、聖女は言った。「神様が怒っています」