奇跡の確率

カザハナ

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「ようこそ金の訓練場へ」


 ルー兄が、扉を開いて招き入れる。

 金の訓練場は地下部分にあり、他の訓練場と違う点が多々ある。

 例えば、奥に行けば木の根が張り巡らせてある場所や、岩がゴロゴロある場所、砂場やツルツルした場所、天井が低い場所等、特に足場の悪い場所を想定した訓練を行うことができる。その為、訓練場自体が広大な広さを有してる。

 金の訓練場ではあるけど、銀に限り、申請すれば使用許可が下りる。あとは金のペアぐらいかな?金保持者が付き添いでいれば、見学や特別指導に使用することもできるけど、等級の低い相手に指導する時は、金の訓練場ではなく一般の訓練場を使用する。でないと、怪我人続出だろうし、等級が低い場合、行動範囲が限られてるからね。

 足場が悪い場所って、危険区域や時短の為の経路だから、魔物や野獣、賊等がいる可能性もあるってことでの訓練場だ。

 特に相手が人間の場合、金以外は腕輪を外せるから腕輪を渡せば危害を加えられることは少なくて済むけど、金は囲まれても倒しちゃうぐらいの実力がないと殺されるから。

 因みに、金の腕輪は持ち主から強奪された場合、ケイド様には気付かれるから。

 一般の人達には普通の単なる装飾品だと思われがちだけど、ケイド様の木の一部を使い、その上を純金でコーティングしてるのだ。その為、どれ程遠く離れていようとも、ケイド様には居場所が分かるし、金の腕輪を切断されようものならケイド様の一部も切られるから、確実にバレる。さすがに純金でコーティングさせてるからか、会話とかは一切聞こえないらしいけど。


「ルー、コーディー。……そちらは?」

「やあ、アラン。彼はクリス君だよ。ほら、コーディーの恋人の」

「ああ、彼が。初めまして、アラゴン=アラゴナイです。ルーに目を付けられて御愁傷様です?」

「……」

「あー……ごめんねクリス。アランはいつもこんな感じだから」


 アランは天然おとぼけさんです。気にしないで下さい。

 思わず遠い目をする僕。


「ア~ラ~ン~?君は今、僕に目を付けられる発言をしているんだけれども、自覚はあるのかな?」


 ルー兄がアランを笑顔でからかう。


「あー……。まぁ、ボクは通常運転だし?」

「そうだよ。気にすると色々疲れるからね。やあ、僕はアンバー。宜しく。大会に出た金は、ジルを除いて全員いるよ」


 アンバーの言葉に僕が思わず聞き返す。


「強制ではないけど……サボったね?」

「サボりだね」


 別に休暇を使っても良いけど、金は大会自体が休暇に近い。

 なので殆どの場合、大会出場した金は翌日訓練場で、自主トレや他の金と手合わせしてることが多い。

 まあ、大会の招待客が突発で仕事くれることもあるけどね。


「けどまあ、ジルはいいや。どうせ僕をからかう気満々だったから、いない方が静かでいいよね」

 後々、ジルが文句言って来そうだけど、いないジルが悪いよね♪
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