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暫くすると、ルー兄が帰ってきた。
「コーディー大丈夫?何かぐったりしているけれど?」
「うん……。聞かないで……」
キャパオーバーな僕はクリスに抱き抱えられたまま座り込んでる。クリスに凭れてる状態だけど、クリスが重いって言わない限りいいよね……?
ルー兄が、ご機嫌なクリスと僕を見比べ僕を気遣ってくれる。
「まぁ、これから毎日みたいだけれど頑張ってね?僕は夕飯を作るけれど、コーディーはまだ休んでいてね。そういえば、クリス君って好き嫌いあるの?というか、そもそも天空の食べ物ってここのとは違うよね?」
「食に関しての拘〈こだわ〉りはないが、天空の食べ物とはかなり違うだろうな。そもそも煮込んだり焼いたりしないし、食事の概念そのものが違う」
クリスの言葉に驚く僕。
僕、何も考えずにクリスに温かいご飯あげてたけど、それって無理させてたんじゃ……?
「えっ……もしかして僕、クリスに無理に食べさせてた?」
「いや、コーディーの料理は美味かった。天空では飲み物が食べ物というか、天空の植物は実がそれぞれ飲み物みたいになっていて、それ等の実をそのままかじったりして飲むから、それが食事に当たるんだ」
……まさかの食事事情に吃驚だ。
クリスの腕の中でクリスを見上げながら、呆気に取られる僕。
「じゃあ、肉とか噛むような固形物は食べないってこと?」
硬い物が好物のルー兄が戸惑いながらクリスに聞く。
「食べないというか、食べれない訳ではないが天空では入手が困難だと思う。地上と違い天空にいる鳥は風霊族の化身だし、地上の動植物は天空の大地では育たないから、食べたければ地上に降りるしかないし、そこまでして食べたいとも思わないからな。ただ、地上の食事に慣れると天空の食事はかなり味気なく感じる」
まあそうだよね……。地上だと同じ食材でも調理の仕方で味も変わるし、工夫すればレパートリーが無限大に近くなるからね。作れるかは別だけど。
翌朝、いつもより少し早めに目を覚ますとルー兄が身体を起こす。ルー兄は地霊族だからかあまり睡眠を必要としない。そして人の気配に何よりも敏感だ。
「おはようコーディー」
「おはようルー兄」
小声で挨拶を交わしていると、クリスまでが目を覚ます。
「……二人共、早いな。おはようコーディー、ルーフェンス」
「おはようクリス。ごめんね、起こしちゃったよね?」
「いや、いい。気にするな。私は元々眠りが浅い。コーディーの声は心地好く、ずっと聴いていたいぐらいだ」
朝っぱらから甘いよ!クリス!!
「おはようクリス君。朝っぱらからご馳走様?クリス君って見た目よりも随分甘いけれど、翼人って皆そんな感じなの?」
ルー兄が苦笑混じりにクリスに聞く。
「?恋人に対して甘くない奴なんているのか?」
「「……」」
素か……。これが素なのか翼人……。ちょっとルー兄、肩震わせて笑ってるけど、僕にとっては笑い事じゃ済まないからね!
「コーディー大丈夫?何かぐったりしているけれど?」
「うん……。聞かないで……」
キャパオーバーな僕はクリスに抱き抱えられたまま座り込んでる。クリスに凭れてる状態だけど、クリスが重いって言わない限りいいよね……?
ルー兄が、ご機嫌なクリスと僕を見比べ僕を気遣ってくれる。
「まぁ、これから毎日みたいだけれど頑張ってね?僕は夕飯を作るけれど、コーディーはまだ休んでいてね。そういえば、クリス君って好き嫌いあるの?というか、そもそも天空の食べ物ってここのとは違うよね?」
「食に関しての拘〈こだわ〉りはないが、天空の食べ物とはかなり違うだろうな。そもそも煮込んだり焼いたりしないし、食事の概念そのものが違う」
クリスの言葉に驚く僕。
僕、何も考えずにクリスに温かいご飯あげてたけど、それって無理させてたんじゃ……?
「えっ……もしかして僕、クリスに無理に食べさせてた?」
「いや、コーディーの料理は美味かった。天空では飲み物が食べ物というか、天空の植物は実がそれぞれ飲み物みたいになっていて、それ等の実をそのままかじったりして飲むから、それが食事に当たるんだ」
……まさかの食事事情に吃驚だ。
クリスの腕の中でクリスを見上げながら、呆気に取られる僕。
「じゃあ、肉とか噛むような固形物は食べないってこと?」
硬い物が好物のルー兄が戸惑いながらクリスに聞く。
「食べないというか、食べれない訳ではないが天空では入手が困難だと思う。地上と違い天空にいる鳥は風霊族の化身だし、地上の動植物は天空の大地では育たないから、食べたければ地上に降りるしかないし、そこまでして食べたいとも思わないからな。ただ、地上の食事に慣れると天空の食事はかなり味気なく感じる」
まあそうだよね……。地上だと同じ食材でも調理の仕方で味も変わるし、工夫すればレパートリーが無限大に近くなるからね。作れるかは別だけど。
翌朝、いつもより少し早めに目を覚ますとルー兄が身体を起こす。ルー兄は地霊族だからかあまり睡眠を必要としない。そして人の気配に何よりも敏感だ。
「おはようコーディー」
「おはようルー兄」
小声で挨拶を交わしていると、クリスまでが目を覚ます。
「……二人共、早いな。おはようコーディー、ルーフェンス」
「おはようクリス。ごめんね、起こしちゃったよね?」
「いや、いい。気にするな。私は元々眠りが浅い。コーディーの声は心地好く、ずっと聴いていたいぐらいだ」
朝っぱらから甘いよ!クリス!!
「おはようクリス君。朝っぱらからご馳走様?クリス君って見た目よりも随分甘いけれど、翼人って皆そんな感じなの?」
ルー兄が苦笑混じりにクリスに聞く。
「?恋人に対して甘くない奴なんているのか?」
「「……」」
素か……。これが素なのか翼人……。ちょっとルー兄、肩震わせて笑ってるけど、僕にとっては笑い事じゃ済まないからね!
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