奇跡の確率

カザハナ

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 武術大会は何事も無く順調に進み、本日最終日を迎えることとなった。

 僕は当然金のトーナメント戦の前に、カーネルとの逆指名戦を行う。

 カーネルは、っと……。ああ、いたいた。逃げずにちゃんと来たようだ。といっても、逃げたりしようものなら、後々仕事ができなくなるからね。逆指名は金からの召集であり、断ることはできないものなのだ。


「悪いけど僕、これっぽっちも負ける気はないからね。本気で来ないと大怪我するよ?」


 シュルリとポケットから目隠し用の布を取り出し、目の上に巻く。


「なっ?!」

「僕が選んだハンデは目隠しだよ。もしかして知らなかった?金による逆指名の場合は、金が何らかのハンデを負うんだよ。でないと、相手が不利過ぎるでしょ?銀ですら僕達金とは差があるんだから。でもね、喩〈たと〉え銀が相手でも、今まで金が逆指名して負けた、なんてことは一度もないんだ。それを僕で終わらせる気は更々ない」


 さあ、早く来い。と、言わんばかりに指を動かし挑発する。

 僕から行ってもいいけど、さすがに即終了は可哀想だしね。


「嘗〈な〉めやがって!」





 当然の結果から言うと、もちろん僕の圧勝だった。

 一応力加減とかもしたけど、僕は普段から金相手にでも、目隠し特訓で勝つのに、他の等級に負ける筈ないからね。しかも普段の特訓は、目隠しと耳栓や、片手のみといった二つ以上の状態不利要素を取り入れたりして、金を相手にしてるんだから。

 僕が目隠しの布を外すと他の金達が、意識はあるものの倒れているカーネルに歩み寄る。


「ねぇ君。さっき嘗めやがってって言ってたけど、嘗めてるのは君だよね?金がお飾りやまぐれでなるなんて、危険地域で死体を増やすだけだって何故理解できないのかなぁ。そんな金なんて、必要ないんだけど?」

「コーディーが一般の仕事ばかりしてるからって勘違いしてんじゃねぇの?その一般の仕事だって、距離や量は金の中でも上位だってのに」

「アンバー、ジル、見掛けに騙されるような馬鹿は放って置け。ましてやケイドファン様の前で俺達金の実力を疑う馬鹿はな」

「はぁ~い、ジェイ。あれだけ偉そうに言ってた癖に、目隠ししたコーディーに一撃すら入れられないような奴だもんねぇ。構うだけ無駄か。じゃあね、お馬鹿さん」


 うわぁ~。アンバー、言いたい放題だなぁ。他の金はカーネルを一瞥〈いちべつ〉してから横を通り、僕の方へと向かってくる。


「コーディー、次は僕達とのトーナメント戦だよ♪ウォーミングアップにすらならなかっただろうけど、始めてもいい?」

「もちろん。初戦は誰と誰?」

「初戦はコーディーとノゼだ」
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