3秒の強奪者 モンスターから奪ったスキルで魔王を倒す

第二章 養成所

誰かに決めろ……全部でもいいぞ

１０分の休憩時間になり、ノアちゃんが戻ってきた。

「それで、なんでそんなにくっついているんですか？」

「ノアは、正妻ですから」

「ヒメは、愛人さんです」

俺は両腕をホールドされていた。

「タケル君、ハーレムは教室の中に持ち込まないでください」

「先生、ニヤニヤしてるのは、こうなるのが分かってたって事ですよね」

「いえ、表面化するのが早かったなと思っているだけですよ。
さあ、授業の続きです。
人為的に生み出されるモンスターは、管理が必要だと考えられるようになりました。
これは、チュイチ君が詳しいかな？」

「はい。訓練士や調教師次第では、人間を害するように仕向けることができるからです」

「そうですね。
そのため、動物をモンスター化させるには、MRS・ミスティー国の許可が必要になりました。
そして、その技術は秘匿され、ごく一部の人にだけ伝えられます。
それが誰か……ノアちゃん」

「教会長様ですわ」

「タケル君、少しは状況が理解できてきましたか？」

「だけど、俺がこの科を選んだのは偶然だぞ」

「そうですね。タケル君は別にどこでも良かったんです。
サポートにマリアが付いていますから」

一瞬ざわつく。マリア様がとかホントかよとか聞こえる。

「タケル君がこの科に来たのは偶然ですが、他の１２名は必然です。
そして、重要ポストである教会長の家族と認められた”人間”の君という存在。
エルフのシランさんは、色々とエルフの制約がかかるけど、君なら自由恋愛し結婚する事も可能でしょ。
言っておきますが、ノアちゃんとヒメちゃんは、そういう打算的な行動ではないですよ。
ほかの三人はどうするの？」

「愛人２号候補にしておいてください。悪い虫がつかないようにフォローできますから」

「まったく、教会長の弟だっていうだけで目立つのに、更に注目を集めるような事してくれるから」

「でも、レプリカとはいえ、このレイピアは使いやすいですよ」

「タケルのところには、このオリハルコンバージョンがあるんだろ。今度使わせてくれよ」

「えっ、オリハルコンがあるの！私、愛人３号ね」

「待て、お前男だろう！」

「私、モリビト家のメイド希望ですから」

「メイドは難しいですね。サクラさんのフォローについたのはエウロパだし、家にはジュピターが入ります。
シランさんはプルートがフォローし、学校以外のタケル君は……シークレット、規制対象ですね」

「がーん……じゃあ、愛人４号でいいです……」

「しょうがねえな、うちの姉ちゃんを愛人５号として生贄に差し出すか」

「ちょっとまって、生贄とか愛人４号とか要りませんから」

「ノアちゃん……それ、俺のセリフで、そもそも正妻も愛人も決まってないからね」

「「えっ、弄んでポイですか……」」

「いや、弄んでないし……」

「「「往生際が悪い！」」」

「タケル、よく考えてみろ。こいつらが傍にいれば、警護が楽だ。いざとなれば、捨て駒にもできる。
一般の女の子なんか選んでみろ。人道的にとか、何で見捨てたとか、非難されるのは間違いないんだぞ」

「「「うんうん」」」

「この５人の中なら、そういう心配は不要だ。
さあ、どれにするんだ。まあ、全部って選択肢でもいいぞ。
なんなら、レモンちゃんとサカイを入れて、一週間日替わりでも問題ない」

「「「うんうん」」」