3秒の強奪者 モンスターから奪ったスキルで魔王を倒す

モモん

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第二章 養成所

MRS職員

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もう一つの、女性だけのパーティは、俺の持つ玉に気が付いた。

「ねえ、その綺麗なボールって……まさか……」

言葉では答えず、笑顔を返した。

「み……みせてもらってもいいかな……」

「どうぞ」

テーブルの中央に玉を置く。

「きれい」 「癒しの輝きだわ……」

「触ってもいい?」

「ファイ?」

「キュッ」

「手のひらに乗せたり、表面をなでるくらいなら」

「い……今、鳴いたわよね」

「ま……まさか、魔石とかじゃなく、テイムしたの!」

「ファイ、平らになってごらん」

ファイはテーブルの上に広がった。

「す……スターサファイアのテーブルクロス……」

「驚いたわね。
剣よりも、こっちの方が凄いんじゃない」

スターサファイアの単語に反応したのは、隣の男たちだった。
二人が剣を抜いてテーブルに切りかかる。

俺よりも先に反応したのは、コーヒーを運んできたゴーレムさんとライムだった。

ゴーレムさんは左手で男の腕をねじ上げ、笑顔で言った。

「コーヒーお待たせいたしました」

右手はお盆を持ち、4つのコーヒーカップが受皿にセットされている。
もちろん、こぼれていない。

ライムの牙は剣の刃を根元から切り落とし、刃をかみ砕いてしまった。

「仲間への狼藉は許しません」

ライムの言葉に、男はしりもちをついて震えている。

「ふざけんな!そいつがスターサファイアなら、早いもん勝ちだろうが」

「休憩所の結界内部にいる時点で、だれかがテイムしたものだというのは明白です。
休憩所内の暴力行為は、最悪冒険者登録の抹消です」

「そうですわね。
しかも、テーブルに私たち3人がいるのに切りかかってきた。
これだけの目撃証言があれば、言い逃れは不可能ですわ」

「うるせえ!
スターサファイアにどれだけの価値があるのか分かってんのかよ!」

「ええ、スターサファイアの付加価値も確認させていただきました。
しかも、性格は従順のようですし、モンスターレッドリストに追加確定ですわね」

「レッ、レッドリストだと……そんな事になったら……」

「そう、討伐禁止ですわ。
可能なのは、テイムのみです」

「むしろ、テイムのほうが人気出ますよ。
エジプトなら3億は固いと思います」

「3億でいいなら、私が引き取ります」

「ぐっ、勝手なことばかりぬかしやがって、おい、全員口封じだ!」

「いや、リーダー……こいつら、MRSの……」

「やっと気が付いたようですわね。
MRS所属のモンスター・レッドリスト調査班、コアと申します」

「同じく、スフィになります」

「リーダーのレオだ」

女性グループだと思っていたが、初めて口を開いた人は男性だった。
声を聴かなければ、女性で通じる白い髪が印象的だ。

「非を認めて謝罪すれば見逃してやったんだが、口封じなんて言葉が出るようじゃあ、他でもやっていそうだね。
残念だけど、コーヒーを飲んだら武装解除して放牧かな」

「えっ、拘束じゃなく放牧なんですか?」
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