3秒の強奪者 モンスターから奪ったスキルで魔王を倒す

モモん

文字の大きさ
33 / 141
第二章 養成所

正体判明

しおりを挟む
「アルミ・スライムは既知だな。ジュラルミン・スライムもありかな。
そういえば、一時期マグネット・スライムって話題になったよな」

「ああ、鉄製の武具にくっついて離れないやつだろ。
二人パーティーが背中合わせでくっついて、身動きとれなくなったって笑い話聞いたわ」

「あれは作り話でしょ。
それよりも、6文字だとオリハルコンはありそうよね」

「じゃあ、スキルの5文字は超振動切断かよ」

「でも、それなら攻撃力の高さは頷けるわね」

「まって、ヴィブロブレード、振動剣のことなんだけど、8文字よ」

「ちょっと待って・・・私の立場はどうなるの?
一晩かかって考えたのよ!」

「お姉ちゃん……今更だと思うんだけど……」

「いいこと、5文字は超高速移動で、4文字が金属吸収よ。
もしくは逆もあるわ。
金属類吸収と高速移動ね」

「ああ、吸収系スキルはあり得ますね」

「わ……私の一晩は、数分で解明されるレベルなの……」

パチパチパチ、モアの拍手がスフィを我に戻す。

「ど、どうなのモア」

「あっ、スフィさん、ステータス画面の内容が更新されていますよ」

「こんな短時間で正解にたどり着くとは思いませんでしたわ。
お見事です」

「それよりも、こんなレア金属がモンスター化するなんて、信じられませんよ」

「しかも、世界で初めて見つかった種類を、討伐じゃなくテイムだろ、考えられないって」

「「それでこそ、私たちの旦那様ですわ」」

「それよりも、本当の姿を見たいんだが」

「ライム、元の姿に戻って」

ライムがスライム形態に変化する。

「振動剣ってどんな感じなの?」

スフィさんの持っていたワッフルと、教材用の鉄板をカットして見せる。

「それで、そっちのは……まさか……」

「スターサファイアのファイだよ」

「それもテイムしたのか?」

「うん」

「旦那様、これは寝室用の照明で決まりですぅ」

「いや、寝室にこんなの必要ないから」

「では、臨時講師もこれで開放しますわ。
じゃあ、タケルは私と一緒にMRSに行きますわよ」

「えっ、MRSに行けるんですか?」

「ええ、参考人として少しお話ししてくるだけですねど」

「「「お願いします」」」

「いえ、私に言われても無理ですよ」

「「「スフィさん、お願いします」」」

「無理だな」

「それに、あんなところに行っても、面白いことはありませんよ。
禁欲中の修行僧みたいな人たちばかりですから」

「モア、そんな安い挑発にのるほど単純ではないぞ」

「挑発っていうか、お姉ちゃんがいつも言っているセリフですよ。
みんな、あんなところ、行くだけ無駄ですよ」

「だが、行ってみないと、どんなところなのか分からないじゃないか」

「まあまあ、クイーン候補もおられるので、お連れするだけなら構いませんけど、宿泊場所から出る事はできませんよ」

「レオ、そんな勝手なことしてもいいの?」

「丁度明日、教会長の訪問があるんだ。
だからクイーン候補も同席できないかって、打診が来ているはずだけど」

「ええ、確かに所長あてに要請はありました。
ご両親とも相談して、時期早尚だろうとお断りしています」

「再考してもらえませんか。
本人が行きたがっているんですから」

「私は、旦那様の同行でしたら喜んで!」

各自の自宅から了解を得て、急遽社会見学が決定した。
14時出発となる。

ただし、どんなトラブルに巻き込まれても、養成所は関知せず、自己責任だという誓約書を提出した。



【オリハルコン・スライム】

愛称:ライム
種族:メタル・スライム
生命力:510
魔力:928
知力:728
素早さ:1626
攻撃力:425
防御力:1201
スキル:<変身><金属吸収><ヴィブロブレード><超高速移動>


タケルにとって、記念すべきテイム1号であり、頼りになる相棒であった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

「元」面倒くさがりの異世界無双

空里
ファンタジー
死んでもっと努力すればと後悔していた俺は妖精みたいなやつに転生させられた。話しているうちに名前を忘れてしまったことに気付き、その妖精みたいなやつに名付けられた。 「カイ=マールス」と。 よく分からないまま取りあえず強くなれとのことで訓練を始めるのだった。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました

グミ食べたい
ファンタジー
 現実に疲れ果てた俺がたどり着いたのは、圧倒的な自由度を誇るVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。  選んだ職業は、幼い頃から密かに憧れていた“料理人”。しかし戦闘とは無縁のその職業は、目立つこともなく、ゲーム内でも完全に負け組。素材を集めては料理を作るだけの、地味で退屈な日々が続いていた。  だが、ある日突然――運命は動き出す。  フレンドに誘われて参加したレベル上げの最中、突如として現れたネームドモンスター「猛き猪」。本来なら三パーティ十八人で挑むべき強敵に対し、俺たちはたった六人。しかも、頼みの綱であるアタッカーたちはログアウトし、残されたのは熊型獣人のタンク・クマサン、ヒーラーのミコトさん、そして非戦闘職の俺だけ。  「逃げろ」と言われても、仲間を見捨てるわけにはいかない。  死を覚悟し、包丁を構えたその瞬間――料理スキルがまさかの効果を発揮し、常識外のダメージがモンスターに突き刺さる。  この予想外の一撃が、俺の運命を一変させた。  孤独だった俺がギルドを立ち上げ、仲間と出会い、ひょんなことからクマサンの意外すぎる正体を知り、ついにはVチューバーとしての活動まで始めることに。  リアルでは無職、ゲームでは負け組職業。  そんな俺が、仲間と共にゲームと現実の垣根を越えて奇跡を起こしていく物語が、いま始まる。

50歳元艦長、スキル【酒保】と指揮能力で異世界を生き抜く。残り物の狂犬と天然エルフを拾ったら、現代物資と戦術で最強部隊ができあがりました

月神世一
ファンタジー
​「命を捨てて勝つな。生きて勝て」 50歳の元イージス艦長が、ブラックコーヒーと海軍カレー、そして『指揮能力』で異世界を席巻する! ​海上自衛隊の艦長だった坂上真一(50歳)は、ある日突然、剣と魔法の異世界へ転移してしまう。 再就職先を求めて人材ギルドへ向かうも、受付嬢に言われた言葉は―― 「50歳ですか? シルバー求人はやってないんですよね」 ​途方に暮れる坂上の前にいたのは、誰からも見放された二人の問題児。 子供の泣き声を聞くと殺戮マシーンと化す「狂犬」龍魔呂。 規格外の魔力を持つが、方向音痴で市場を破壊する「天然」エルフのルナ。 ​「やれやれ。手のかかる部下を持ったもんだ」 ​坂上は彼らを拾い、ユニークスキル【酒保(PX)】を発動する。 呼び出すのは、自衛隊の補給物資。 高品質な食料、衛生用品、そして戦場の士気を高めるコーヒーと甘味。 ​魔法は使えない。だが、現代の戦術と無限の補給があれば負けはない。 これは、熟練の指揮官が「残り物」たちを最強の部隊へと育て上げ、美味しいご飯を食べるだけの、大人の冒険譚。

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!

菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは 「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。  同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう  最初の武器は木の棒!?  そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。  何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら 困難に立ち向かっていく。  チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!  異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。  話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい! ****** 完結まで必ず続けます ***** ****** 毎日更新もします *****  他サイトへ重複投稿しています!

処理中です...