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第四章
オウムシ
しおりを挟む「ねえ、タケルさん、こういう楽な戦い方もいいと思うけど、やっぱり実戦経験って大切だと思うんですよね」
「そうですよね。
よし、次からは手前からの吸収はやめて、遭遇して弱らせてから吸収にしよう」
「「「はい!」」」 「「了解!」」
アイスクラッシャーに遭遇。ライムが四肢を切断し、身動きできなくなってから吸収。
ジャイアントスノーマンには、チビクロのブレス。ドロドロに溶けたところで吸収。
水中のモンスターは、ウオータージュエルの水域支配で周囲の水を排除。スターサファイアのヒート魔法でカラカラに干上がったところを慌てて吸収。
一撃で粉砕してしまうようなミスも多かった。
「やっぱり、チカラのコントロールが出来ていないですね。
効率は悪いですけど、このまま続けましょう」
そして、そいつが現れた。
直径1.5m。真っ黒なドーム状のモンスター、オウムシだ。
表面は、弾力性のある衝撃吸収物質で、オリハルコンも少し食い込むだけで無力化してしまう。
怒らせると球体に変化し、重力魔法で飛び上がりぶつかってくる。
推定体重2トン。
ブレスも魔法もほとんど無力化してしまう。
唯一の弱点は、球体化する前の下面だが、こんなやつをどうやってひっくり返すのか。
「ちょっと待って下さい。
オウムシは恐がりで、臆病なだけなんです。
手を出さなければ、おとなしいんですよ。
それに……」
そう言うと、ミャイさんはオウムシに近づき、表面に手をあてた。
「こうやって魔力をあげると喜ぶんです」
オウムシの下面から、何本もの触手が伸びてきてミャイさんの身体にまとわりつく。
「触手プレイですか!」
「おバカなことを言わないの。こうやって敵意のないことを確認しているのよ。
オウムシは魔力の塊みたいなもので、魔力吸収や寄生には弱いのよ。
……そう、他にも仲間がいるのね。助けて欲しいの……」
「こんなのが、何匹もいるんですか?」
「あと4匹。一番奥で魔力を吸われているみたいね。
高い魔力反応は、それかもしれないわ。
魔力が1万ポイントくらいあればテイムも可能だけど、この人数じゃあ厳しいか……」
「1万で良いんですか、大丈夫ですよ」
「バカ言わないでよ。普通はテイマーに30人くらいで魔力を補充しながらテイムするのよ」
「魔力なら、今4万Pくらいですから、全然問題ないですよ」
「……はあ、吸収でパラメーターをあげていれば、いつか私もそうなるのね。
分ったわ。じゃあ、テイムしちゃってくれるかな……」
「了解です」
20分かけてオウムシをテイムした。
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