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第四章
初期のゴーレム
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一方のスペードチームも魔法キャンセルの余波を受けていた。
勢いよく超高速移動で飛び出した俺は、突然効果を失った魔法のせいでバランスを崩し、頭から地面に突っ込みゴロゴロと転がっていく。
転がるタケルに向けて繰り出される蹴りと鉄棒による突きを躱しながら間合いを取ろうとするが、ゴーレム2体の追撃がそれを許さない。
ゴーレムもバカではない。俺の移動先に鉄棒を突き刺し、逃げ場をなくしてからの蹴りが顔面に迫る。
ガキン!
ゴーレムの蹴りを受け止めてくれたのは棒状に変形したライムだった。
この僅かな間を利用して立ち上がると、もう一体のゴーレムがパンチを繰り出してくる。
そのパンチを体当たりで逸らしてくれたのはユキヒョウのガルガルだった。
「サンキュー」
感謝を口にしながら、手にしたスターサファイア・レイピア(レプリカ)に魔力を流す。
集中力強化などの身体強化系はキャンセルされないようだ。
再び顔面を襲うパンチを見切り、レイピアをあわせるとゴーレムの腕は簡単に切断できた。
驚いたのはその直後である。
空中で腕をキャッチしたゴーレムは、切断面をあわせると再生を使って腕を復元してしまった。
「おお!」
賞賛に値する技である。痛みを感じないゴーレムだから可能ともいえる。
魔法のキャンセルも、完結した魔法にまで干渉するわけではなさそうだ。
だが、身体強化した速度でも、ゴーレムをはるかに上回ることが分かった俺は、ライムに指示をして片方のゴーレムをけん制しつつ、眼前のゴーレムを切り刻んでいく。
切り離したパーツは、再利用されないようポーチに放り込んでしまう。
完全な解体ショーだった。
数分で四肢を切り離されたゴーレムは地を這うだけになった。
モアがゴーレムに触れて唱える。
「緊急停止コマンド、"MOAEXIT999872■■■"実行。
セレナ。条件式を解析して」
モアの言葉に、ゴーレムは完全に沈黙した。
「乱暴なやりかたですが、セーフティーの部分を消去されていますね。
外装はオリジナルですが、中身は初期タイプのゴーレムを移植しただけです。
調整したゴーレム技師のレベルは中級程度でしょうか。
行方不明になった2体に間違いありません」
「やっぱりね。
それにしても、センスのないボディーだわ」
「威嚇や破壊を目的にすれば、こういう意味のない角や巨きなからだになるのでしょう」
「汎用ゴーレムのボディーと条件式はあるわね。
移植して再起動し、何があったのか聞きましょう」
そういうと、モアは自分のポーチからゴーレムのボディーを取り出し、使えるパーツを移植して2体のゴーレムを再生した。
「タケル、魔力を注入してちょうだい」
魔力を注入して起動させると、ほんのりと肌が色づいてくる。
ゴーレムとはいえ、裸は目のやり場に困る……
「あっ、下着が足りないわね。まあ、スパッツとTシャツでいいか」
「モア、ゴーレムに下着って必要なのか?」
「排泄とかしませんから、本来であれば要りませんよ。
でも、プルンプルンしちゃうと、タケルの集中力が途切れるでしょ」
「……はい……
でも、この胸ならそんなに……」
「このボディーの原型である、私の姉が聞いていたら、あなた瞬殺よ」
「そうですね。
あの方なら、まず、眼球をつぶして、股間は切断ですね」
「セ、セレナさん……」
「再生を緩くかけながら、切り刻んでいくのを見たことがあるわ」
「ナノ単位の氷針をあそこに突き立てた事もありましたね」
「ごめんなさい……素敵な胸です……
というか、エウロパさんも同じボディーですよね」
「そうよ。最初に作ったゴーレムは、姉さんからのリクエストだったの。
姉さんの分身よ。それがそのまま、スタンダードになったの」
勢いよく超高速移動で飛び出した俺は、突然効果を失った魔法のせいでバランスを崩し、頭から地面に突っ込みゴロゴロと転がっていく。
転がるタケルに向けて繰り出される蹴りと鉄棒による突きを躱しながら間合いを取ろうとするが、ゴーレム2体の追撃がそれを許さない。
ゴーレムもバカではない。俺の移動先に鉄棒を突き刺し、逃げ場をなくしてからの蹴りが顔面に迫る。
ガキン!
ゴーレムの蹴りを受け止めてくれたのは棒状に変形したライムだった。
この僅かな間を利用して立ち上がると、もう一体のゴーレムがパンチを繰り出してくる。
そのパンチを体当たりで逸らしてくれたのはユキヒョウのガルガルだった。
「サンキュー」
感謝を口にしながら、手にしたスターサファイア・レイピア(レプリカ)に魔力を流す。
集中力強化などの身体強化系はキャンセルされないようだ。
再び顔面を襲うパンチを見切り、レイピアをあわせるとゴーレムの腕は簡単に切断できた。
驚いたのはその直後である。
空中で腕をキャッチしたゴーレムは、切断面をあわせると再生を使って腕を復元してしまった。
「おお!」
賞賛に値する技である。痛みを感じないゴーレムだから可能ともいえる。
魔法のキャンセルも、完結した魔法にまで干渉するわけではなさそうだ。
だが、身体強化した速度でも、ゴーレムをはるかに上回ることが分かった俺は、ライムに指示をして片方のゴーレムをけん制しつつ、眼前のゴーレムを切り刻んでいく。
切り離したパーツは、再利用されないようポーチに放り込んでしまう。
完全な解体ショーだった。
数分で四肢を切り離されたゴーレムは地を這うだけになった。
モアがゴーレムに触れて唱える。
「緊急停止コマンド、"MOAEXIT999872■■■"実行。
セレナ。条件式を解析して」
モアの言葉に、ゴーレムは完全に沈黙した。
「乱暴なやりかたですが、セーフティーの部分を消去されていますね。
外装はオリジナルですが、中身は初期タイプのゴーレムを移植しただけです。
調整したゴーレム技師のレベルは中級程度でしょうか。
行方不明になった2体に間違いありません」
「やっぱりね。
それにしても、センスのないボディーだわ」
「威嚇や破壊を目的にすれば、こういう意味のない角や巨きなからだになるのでしょう」
「汎用ゴーレムのボディーと条件式はあるわね。
移植して再起動し、何があったのか聞きましょう」
そういうと、モアは自分のポーチからゴーレムのボディーを取り出し、使えるパーツを移植して2体のゴーレムを再生した。
「タケル、魔力を注入してちょうだい」
魔力を注入して起動させると、ほんのりと肌が色づいてくる。
ゴーレムとはいえ、裸は目のやり場に困る……
「あっ、下着が足りないわね。まあ、スパッツとTシャツでいいか」
「モア、ゴーレムに下着って必要なのか?」
「排泄とかしませんから、本来であれば要りませんよ。
でも、プルンプルンしちゃうと、タケルの集中力が途切れるでしょ」
「……はい……
でも、この胸ならそんなに……」
「このボディーの原型である、私の姉が聞いていたら、あなた瞬殺よ」
「そうですね。
あの方なら、まず、眼球をつぶして、股間は切断ですね」
「セ、セレナさん……」
「再生を緩くかけながら、切り刻んでいくのを見たことがあるわ」
「ナノ単位の氷針をあそこに突き立てた事もありましたね」
「ごめんなさい……素敵な胸です……
というか、エウロパさんも同じボディーですよね」
「そうよ。最初に作ったゴーレムは、姉さんからのリクエストだったの。
姉さんの分身よ。それがそのまま、スタンダードになったの」
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