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第5章
フトン君
しおりを挟む「あっ、カーリーは一緒に来てもらったほうがいいわ。少し遠いから。」
「えっ?」
「えっ、じゃないでしょ。人にあんな注文を出しておきながら」
「まさか、完成したの?ど〇でも〇ア」
「その伏字だと、どくでもモアとか言われかねませんね。
せめてショートカットドア、SCDですね」
「えっ、それなら私も行きます」
モアの案内で……というか、俺の部屋だけど、奥にドアができていた。
「魔力パターンで認識しますので、登録された人しか使えません」
ドアの先は小部屋になっており、その部屋には10個ほどのドアがあった。
俺たちが入ったドアの内側には”タケルの部屋”と表示されている。
他には”ミヤイールの寝室”とか”愛の花園”とか……
「なんで、ミャイさんは寝室なの?」
「タケルが入りたくなるようにと希望されました」
「……愛の花園は?」
「私の研究室です」
「へえ、どんな……あばばば……」
「注意してくださいね。許可された者以外が、無理に侵入しようとすると防御機能が働きます」
「……先に言ってほしかったよ……何、今の?」
「単なる麻痺攻撃です。やっぱり状態異常無効者には効きませんか。再考しましょう。
おや、ミャイの部屋は制限ありませんが……」
「いや、興味ないだけ」
その瞬間、ミャイの部屋に通じるはずのドアが内側から開き、白い触手みたいなものが伸びてきた。
「なっ……何コレ?」
「さあ?私はミヤイールの指示通り繋げただけですから」
動きは早くないので、避けるのは簡単なのだが……気持ち悪い。
やがて、白いものに包まれたミャイさんが出てきた。
「もしかして、襲われてる?」
「いえ、熟睡しているように見えますが……」
「ちょっと起してみようか」
水を顔に向かって飛ばしてみるが、触手に遮られてしまった。
長い棒でつつこうとしても途中でブロックされる。
ファイアーボールスノーボールもはじかれる。
「ふっ、おもしろい。俺と張り合おうと言うのだな……」
「何言ってんの?呼べば起きるんじゃない?」
「へっ?」
「「ミャイさん、早く起きないと変態さんが起こしに行きますよ~」」
「ん……?ん~……あなた誰?」
「変態に成長したご主人様ですよ」
「ご主人様……変態……ああ、タケル君か……
わかった……お休み……」
「納得できない正解なんですけど……いや、こんなところで寝ないでくださいよ」
「ん……ああ、扉の部屋か……フトン君、ハウス!」
ミャイさんはフトン君とかにくるまれたまま自分の部屋に帰っていった。
「今の……何だったんですか?」
「ああ、フトン君とか呼んでいたのはテイムモンスターだったよ。
アメフラッシャーとか表示されていたな」
「あっ、それ聞いたことありますよ。海底火山の迷宮に生息しているんですけど、テイムして連れ帰ろうとしても途中でパンクしちゃうらしいです。
連れ帰りに成功したのは、1例だけって聞きましたけど、まさかミャイさんだったなんて」
「なんだか、気持ちよさそうでしたね。ご主人様。
でも、ご主人様のお布団は、私がなりますから……」
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