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第二章 国交

サキュバス召喚

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「ちょっとまてよ、アレが使えるかな」

「なんだよアレって」

「いやな、物理障壁って攻撃や体に被害の出る飛来物じゃなければ効果を発揮しないだろ」

「ああ」

「だから、この間試したヤツを召喚してやろうと思うんだが……」

「だが、お前には効果なかっただろう」

「ああ、俺は迷宮で耐性ができてるからな」

「だが、敵側にエラン導師がいたら怒鳴られるぞ」

「エランさんは、今回参加しない。
訓練の効果を見るんで、観戦に回るってさ」

「じゃあ」

「ああ、多分いけると思う。14人に対して100人もいれば十分だろう」




「多分、ノルンがなんか仕掛けてくると思うが、気を抜くんじゃないぞ」

「「「おお!」」」

 ドーン!

「おっ、始まりだ。『浮遊(レビテーション)』」

 ドシャー

「それにしても、すげえ雨だな……」

 ゴゴゴゴゴッ、ムクムクムク

「なっ、なんだ……」

「隊長!こ、これは……」

「惑わされるな!ノルンの罠だ、振りきって飛び上がれ!」

「やめろ!そんなとこ触るな……むぐぐ」

「ああ、魔力が……吸い取られる……」

「空気法で撃ち落とせ!ムグッ」



「おい、あいつら、なんかおかしくねえか?」

「は、裸の女が……まとわりついて飛び上がれないんだ……」

「あ、あんなこと……」

「一人に対して、5・6人がまとわりついてる」

「あれ、サキュバスじゃねえか……」

「ああ、小さな羽とシッポがある……」

「き、気持ちよさそうだぞ」

 そう、カベオの作戦は、100体のサキュバスを直近に召喚し、魔力を吸い取りつつその場にくぎ付けにするものだった。
悪魔召喚の中でも、サキュバスは術者の対価を必要とせず、魔力や生気を吸い取って満足すると帰って行くというものだ。
訓練によって底上げされた魔力も、5・6体のサキュバスに吸われればカスカスになる。


「ば、バカモノ共が……」

「も、申し訳ございません……
まさか、あのような攻撃が来るとは……」

「現れた直後に離脱する余裕はあったはずだ」

「そ、それが……、あまりにも美しい女性であったために目を奪われてしまい……」

「サキュバスは対象の好みにあわせて姿を変えるというからな。
だが、本当の戦争であれば流石に対処するであろうが、紅白戦という気の緩みを突かれたというところか。
それにしても、全員が引っかかるとは……」

「「「申し訳ございません」」」



「先輩、どうでした、アレは」

「ああ、気持ちよかったぞ」

「一応は、常習性が残らないように調整しましたからね。
すっきりしたハズですよ」

「怒られるだけの効果はあったって事か。
だが、魅了は効かないハズだろう。なんでだ」

「魔法障壁の外からは効きませんが、接触してしまえば障壁の内側ですからね」

「そうか……、油断が全てというわけだな。
まあ、明日の反復訓練は罰ゲームとして受けるか。
だが、アレを実践で使われたらヤバいな」

「ええ、こちらの最終兵器にしました。
女性兵士がいれば、インキュバスも使います」

「せめて、今回と同じように、後遺症が残らないようにしてやってくれ。
公衆の面前でアレをやられたら、立ち直れないぞ」

「考えておきます」


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