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第Ⅱ章 二人旅
内務局
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翌日、王都へ向かいます。
馬車での移動ですから、二日かかります。
「ワイバーンって卵なのかな?」
「国のギルドには、情報がありませんでしたね。
でも、ミーちゃんが咀嚼して餌をあげてましたから、卵じゃないんですか?」
「でも、子供が4匹か。当分王都から出られないよね」
「私は賛成です。その間はミーちゃんとレオン君でモフモフできますから」
「残念ね。フランには早々に仕事ができると思うわ」
「えーっ、少し準備期間を作りましょうよ」
「少しでも早く、町を安心させてあげたいの。お願いよ」
「ただいまぁ」
「お帰りなさいませ、シーリーン様、シーリア様。
お帰りになられたら、内務局に顔を出してほしいと伝言がございました」
「ありがとうございます。では、このまま向かいましょう」
全員で二階にある内務局の事務室を訪れます。
「こんにちわ。お呼びと聞いて伺いました」
「いらっしゃいませ。ただいま局長を連れてまいりますのでこちらでお待ちください」
通された応接室は、質素ではありますけど落ち着いた空間になっていました。
「お帰りなさいませ、シーリーン様、シーリア様。
お呼びたていたしましたのは、屋敷の準備が整いましたのでご案内させていただくのと、お二人の担当が決まりましたのでご紹介させて頂きたいと思いましてご足労いただいた次第です」
「担当ですか」
「はい、こちらのケイトが担当となり、補佐をジャネットがいたします」
「ケイトです」「ジャネットです」 「「よろしくお願いいたします」」
「シーリーン・アートランドでございます。なにぶん不慣れなものですから、色々とご迷惑をお掛けいたしますがよろしくお願いいたします」
「シーリア・アートランドでございましゅ、あっ噛んだ、ごめんなさい」
プッと全員が吹き出します。
「では、早速お屋敷の方へ……」
「その前に、できれば案件を片付けてしまいたいのですがよろしいでしょうか」
「はい、なんでしょう」
「内務局になるのか総務局になるのか判断できませんが、各町との定時連絡便を立ち上げたいと考えております」
「定時連絡便ですか。それは局内でも長年の課題として検討しております。二人とも掛けなさい。ケイトはこちらへ。
従者のお二人も、どうぞお掛けください」
「今回、各町に聖角灯を設置した際、領主様との調整は済ませてあります」
「既に、具体的な手段を確保されているという事ですね」
「ケイトさんは頭の切れる方のようですね。
ファルコン3羽による毎日の往復便で、町の受け取りは領主様か執事に限定します。
王都側は局長か副局長クラスで受け取りをしていただき、必要な個所に回付をお願いしたいと思います」
「それは、局内での構想と全く同じです。一番の問題は魔物使いの確保になると思います。
そこで、毎回頓挫しています。リントとシャイリアはかろうじて確保できるのですが、遠方のトランガとなると誰もがしり込みをしてしまいます。
それこそ、宮廷魔物使いのジロー様が使うオボロ級でないと無理だと言われ……
引き受けようという方もおられましたが、法外な値を要求され……」
ケイトさんが悔しそうに唇を噛みます。
「うちのピー助なら余裕だよ……です」
「それも聞き及んでいます。
ですが、お二人を王都に留めるのは無理だとガルド様から伺ってます。
本当に、実現まではあと一歩なんです」
「ここにいるフランがホワイトファルコン3羽を使役しています」
馬車での移動ですから、二日かかります。
「ワイバーンって卵なのかな?」
「国のギルドには、情報がありませんでしたね。
でも、ミーちゃんが咀嚼して餌をあげてましたから、卵じゃないんですか?」
「でも、子供が4匹か。当分王都から出られないよね」
「私は賛成です。その間はミーちゃんとレオン君でモフモフできますから」
「残念ね。フランには早々に仕事ができると思うわ」
「えーっ、少し準備期間を作りましょうよ」
「少しでも早く、町を安心させてあげたいの。お願いよ」
「ただいまぁ」
「お帰りなさいませ、シーリーン様、シーリア様。
お帰りになられたら、内務局に顔を出してほしいと伝言がございました」
「ありがとうございます。では、このまま向かいましょう」
全員で二階にある内務局の事務室を訪れます。
「こんにちわ。お呼びと聞いて伺いました」
「いらっしゃいませ。ただいま局長を連れてまいりますのでこちらでお待ちください」
通された応接室は、質素ではありますけど落ち着いた空間になっていました。
「お帰りなさいませ、シーリーン様、シーリア様。
お呼びたていたしましたのは、屋敷の準備が整いましたのでご案内させていただくのと、お二人の担当が決まりましたのでご紹介させて頂きたいと思いましてご足労いただいた次第です」
「担当ですか」
「はい、こちらのケイトが担当となり、補佐をジャネットがいたします」
「ケイトです」「ジャネットです」 「「よろしくお願いいたします」」
「シーリーン・アートランドでございます。なにぶん不慣れなものですから、色々とご迷惑をお掛けいたしますがよろしくお願いいたします」
「シーリア・アートランドでございましゅ、あっ噛んだ、ごめんなさい」
プッと全員が吹き出します。
「では、早速お屋敷の方へ……」
「その前に、できれば案件を片付けてしまいたいのですがよろしいでしょうか」
「はい、なんでしょう」
「内務局になるのか総務局になるのか判断できませんが、各町との定時連絡便を立ち上げたいと考えております」
「定時連絡便ですか。それは局内でも長年の課題として検討しております。二人とも掛けなさい。ケイトはこちらへ。
従者のお二人も、どうぞお掛けください」
「今回、各町に聖角灯を設置した際、領主様との調整は済ませてあります」
「既に、具体的な手段を確保されているという事ですね」
「ケイトさんは頭の切れる方のようですね。
ファルコン3羽による毎日の往復便で、町の受け取りは領主様か執事に限定します。
王都側は局長か副局長クラスで受け取りをしていただき、必要な個所に回付をお願いしたいと思います」
「それは、局内での構想と全く同じです。一番の問題は魔物使いの確保になると思います。
そこで、毎回頓挫しています。リントとシャイリアはかろうじて確保できるのですが、遠方のトランガとなると誰もがしり込みをしてしまいます。
それこそ、宮廷魔物使いのジロー様が使うオボロ級でないと無理だと言われ……
引き受けようという方もおられましたが、法外な値を要求され……」
ケイトさんが悔しそうに唇を噛みます。
「うちのピー助なら余裕だよ……です」
「それも聞き及んでいます。
ですが、お二人を王都に留めるのは無理だとガルド様から伺ってます。
本当に、実現まではあと一歩なんです」
「ここにいるフランがホワイトファルコン3羽を使役しています」
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